
「会社の健康診断でHbA1cの数値が高く、『糖尿病予備軍(境界型)です』と言われた。でも、病院では薬は出ず、『とりあえず食事と運動に気をつけてください』と言われただけで、毎日何をどうすればいいのか分からない」
「自分なりに炭水化物を減らして気をつけているつもりなのに、次の健診でも数値が下がっていなかった」
「すでに病院の薬を飲み始めたけれど、HbA1cが下がりきらない。先生から『次は薬の量を増やすよ』と言われて、この先ずっと薬が増えていくのかと怖くなった」
「このまま何もできずに、本当の糖尿病になって合併症が出たらどうしよう……」
毎年の健康診断の結果を見て、「これは何かしなければまずい」と焦りを感じてご相談にいらっしゃる方が、太陽堂には多くいらっしゃいます。
「予備軍(境界型)」と言われて病院の薬が出ない方も、すでに薬を飲んでいるのに下がりきらない方も、根っこにあるのは同じ「このまま病気が進んでいくのが怖い」「自分でどうコントロールすればいいのか分からない」という不安です。
この記事では、「薬が出ないグレーゾーンの段階」と「薬を飲んでも下がりきらない段階」のそれぞれで、店頭で薬剤師がお伝えしている正直な見通しと、身体の側から血糖の数値を整えていく漢方薬の考え方を、実際の記録とともにご説明します。
【この記事の結論:「健診で予備軍と言われた・薬でも下がりきらない」に対する漢方の考え方】
- 数値が上がる理由: 西洋医学では、加齢・肥満・生活習慣によりインスリンの分泌不足や抵抗性が生じ、血糖を処理する力が落ちた状態とされます。漢方では、胃腸の力が落ちて糖を代謝できない「エネルギー不足(気虚)」、余分な糖や脂が溜まった「老廃物の蓄積(湿熱・瘀血)」、自律神経の張り詰めが食欲を乱す「ストレス(気滞)」の3つのタイプに分けて考えます。
- 漢方の考え方: 病院の指導やお薬は続けながら、ご自身の体質タイプに合わせて①糖を処理する胃腸の力を支える ②溜まった老廃物を流す ③自律神経の張り詰めを整える——という漢方の組み立てで、HbA1cなどの数値を身体の側から整えていくことを目指します。変化の目安は3〜6ヶ月です。
- 対象となる主なお悩み: 糖尿病予備軍、境界型糖尿病、高血糖、健診で「HbA1cが高い・空腹時血糖が高い」と指摘されて薬が出ない方、食事に気をつけても数値が下がらない方、病院の薬を飲んでも下がりきらない・薬が増えていく方
「漢方で予備軍から戻れますか?」——店頭での答え
健診結果の紙を手に、不安そうな表情でご相談に来られた方から、よく聞かれる質問です。太陽堂の店頭では、こうお答えしています。
「はい、今の段階から体質を整えて、血糖の数値を整えていくことは、できますよ」
血糖の数値(HbA1cや空腹時血糖値)は、ただの数字ではなく「あなたの身体の内側の状態(代謝の働き)」を映し出す鏡です。糖を処理する力の低下・溜まった老廃物・自律神経の乱れ——そのどれがあなたの数値を押し上げているかを見極めて、そこを漢方薬で整えていくと、数字が動いてくる方が多くいらっしゃいます。
この記事の後半でご紹介する記録でも、すでに糖尿病と診断されてHbA1cが9.7から7.8まで下がって漢方の服用を終えられた方や、お薬を飲んでいても上がり続けていた数値が下がっていった方がいらっしゃいます。
もちろん結果をお約束するものではありませんが、「予備軍と言われて、何もできないまま不安を抱えて次の健診を待つ」必要はありません。
【薬剤師コラム①】「薬が出ない」のは、まだ身体の側から変えられる段階だからです
担当薬剤師:石川
「先生、予備軍と言われたのに病院で薬が出ないんです。なんだか放っておかれている気がして不安です……」——そうおっしゃる方に、私はいつも「それは逆の解釈ですよ」とお伝えしています。
病院で薬が出ないのは、「見捨てられた」のではありません。「今のあなたの状態なら、まだ薬に頼らなくても、ご自身の身体の側(体質・生活習慣)の力で数値を整えられる余地がある段階だ」と、お医者様も判断しているからなのです。
この『薬が出ないグレーゾーンの段階』でいちばんもったいないのは、「とりあえず食事と運動に気をつけて」という言葉だけを持ち帰って、具体的に何をどうすればいいか分からないまま、結局元の生活に戻って半年が過ぎてしまうことです。
太陽堂では、患者さまの体質が「3つのタイプ(エネルギー不足・老廃物の蓄積・ストレス)」のどれに近いかを見極めて、あなたに合った漢方薬と、無理なく続けられる生活の整え方を一緒に決めていきます。
「とりあえず気をつける」を「今日から具体的に何をするか」に変える——それが、この段階で私たちにできるサポートです。
「薬を飲んでも下がりきらない・薬が増えていく」方へ——病院治療との付き合い方
すでに病院で糖尿病のお薬(メトホルミンやDPP-4阻害薬など)を飲んでいる方からは、「真面目に飲んでいるのに下がりきらない」「次は薬の量(種類)が増えると言われて怖い」というご相談も多くいただきます。
ここで必ず守っていただきたいのは、「漢方薬を始めたからといって、病院のお薬を自己判断で急にやめたり減らしたりしないでください」ということです。
病院のお薬は、足りないインスリンの働きを外から助けてくれる大切なものです。漢方薬で体質が整ってくると、数値が下がってくる方が多くいらっしゃいます。お薬を減らす判断は、その下がった数値の記録を見ながら、必ず主治医の先生と相談して進めてください。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 定期検査で数値を管理し、薬で血糖を下げて合併症を防ぐ | 糖を処理する力や自律神経を整えて、数値が『上がりにくい身体』を作る |
| 得意なこと | 数値の正確な把握と、薬によるコントロール(対症療法) | 「薬が出ない段階」「薬でも下がりきらない段階」への体質からのアプローチ |
| 代表的な手段 | 経口血糖降下薬(メトホルミン等)、インスリン注射、食事・運動指導 | 糖代謝を支える漢方薬、老廃物を流す漢方薬、ストレスの熱を冷ます漢方薬 |
| 気になる点 | 予備軍の段階では「気をつけて」で終わりやすい。薬が増えていく不安 | 体質からの変化のため、3〜6ヶ月の単位で取り組む必要がある |
| 両者の関係性 | 数値を管理し血管を守る「治療の主役」 | 対立ではなく併用OK。「数値の管理」は病院で、「体質改善」は漢方の二段構え |
漢方の組み立て——あなたはどのタイプ? 3つの視点
太陽堂では、高血糖に対して「ただ血糖値を下げる」という一つの見方ではなく、患者さまがなぜ糖を処理できなくなっているかを見極め、大きく以下の3つの視点で漢方薬を組み立てます。
軸① 糖を処理する力(胃腸の働き)を支える漢方薬——【エネルギー不足タイプ】
- 狙い: 食後に強い眠気やだるさが出る、もともと食が細い・疲れやすい方に多いタイプです。東洋医学でいう「脾(胃腸)」のエネルギー(気)が落ちて、食べた糖をうまく代謝できていない状態(気虚)です。胃腸の働きを支えて、糖をしっかりエネルギーに変える力を取り戻す漢方薬を中心に組み立てます。
軸② 溜まった老廃物を流す漢方薬——【老廃物の蓄積タイプ】
- 狙い: 体重が急に増えた、お腹まわりが気になる、コレステロールや中性脂肪の数値も高めの方に多いタイプです。長年の食生活により、余分な糖や脂(湿熱・痰濁)が身体に溜まっています。血液中の老廃物を流し、インスリンを出す膵臓の負担を軽くする方向を組み立てに入れます。
軸③ 自律神経の張り詰めを整える漢方薬——【ストレスタイプ】
- 狙い: 仕事のストレスで食欲が乱れる(ドカ食いしてしまう)、夜遅くに甘いものを食べてしまう、イライラしやすい方に多いタイプです。自律神経の張り詰め(気滞)が食欲の波と血糖の波を大きくしています。この張り詰めをほぐし、食欲と血糖の波を穏やかにしていきます。
この3つの視点を、健診の数値・体型・生活のリズムに合わせて調整します。変化の目安は3〜6ヶ月で、次の健診や検査の「HbA1cの数値」を物差しにします(※個人差があります)。
【改善実例】お薬でも下がりきらなかった数値が、整っていったエピソード
太陽堂に実際にご相談に来られた方の実例を、記録からご紹介します。予備軍(境界型)ではなく、すでに糖尿病と診断されてお薬を飲んでいた方の記録ですが、「薬を飲んでいても下がりきらない」という同じ悩みからの経過です。
①【薬を飲んでも改善しない】70代 男性|4ヶ月でHbA1c 9.7→8.0、1年1ヶ月で服用終了
【ご相談時の状態】 5〜6年前に健康診断で糖尿病と診断。コレステロール値や血圧も高く、病院のお薬(血糖・血圧・コレステロールの薬)を毎日飲んでいましたが、なかなか改善しないためご相談に来られました。自覚症状は特にありませんが、HbA1cは9.7と高い状態でした。
【太陽堂の提案】 血液中の老廃物の蓄積と膵臓の炎症(熱)ととらえ、①身体の余分な熱(血熱)を抑える漢方薬 ②血液中の老廃物を流す漢方薬 ③膵臓の炎症を抑える漢方薬 の3種類を組み合わせてお出ししました。
- 2ヶ月後: 血圧の数値が以前よりも下がってきて、「身体が軽い感じがある」とのことでした。
- 4ヶ月後: 病院の血液検査で、HbA1cが「9.7から8.0」に下がっているとのご報告。早い時期での数値の変化に、ご本人も驚いていらっしゃいました。
- 9ヶ月後: HbA1cはさらに「7.8」まで低下。運動を少し怠けていた時期もありましたが、体調は良いとのこと。
- 1年1ヶ月後: 病気もせず、調子よく過ごせているとのことで、漢方薬を服用終了となりました。
②【薬を飲んでいても少しずつ上がる】50代 男性|3ヶ月で空腹時血糖150→129、6ヶ月でHbA1c 7.0→6.7
【ご相談時の状態】 15年ほど前に糖尿病と診断された方です。長年病院のお薬を飲んでいるものの、ここ最近少しずつ数値が上がってきているためご相談に来られました。ご相談時のHbA1cは7.0、空腹時血糖値は150。体質として「冬になると毎年しもやけができ、手足の末端に冷えがある」とのことでした。
【太陽堂の提案】 末梢の血流障害(瘀血)と内臓の炎症ととらえ、①膵臓の炎症を取る漢方薬 ②末端までの血流を良くする漢方薬 の2種類を組み合わせてお出ししました。
- 3ヶ月後: HbA1cは6.9、空腹時血糖値は「150から129」まで改善。特に空腹時血糖の改善が良く、病院の主治医の先生も驚いていたそうです。
- 6ヶ月後: HbA1cは「6.7」まで改善。長年上がっていた数値が下がり傾向になり、順調に良くなっているとのことでした(現在も継続中です)。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。数値の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】日常で気をつけたいこと——12月の「忘年会シーズン」が山場です
担当薬剤師:石川
店頭での実感として、血糖値のご相談が一年で一番増えるのは「12月の忘年会シーズン」から「お正月明け」にかけてです。
飲み会やご馳走が続くこの時期に数値が上がり、年明けの健診の結果を見て不安になって来られる——このパターンの方が多いのです。
この流れを避けるために、私たちは「年末の飲み会シーズンの『前』に、漢方薬で身体の代謝を整えておくこと」をお勧めしています。
食事では、「ラーメンとチャーハン」「お酒と締めのご飯」といった『糖質だけの単品食べ』を避け、必ず野菜やタンパク質のおかずと組み合わせること(食べる順番も野菜から)。
そして運動では、ウォーキングに加えて少しの筋トレ(スクワットなど)を取り入れ、『筋肉を動かすこと』を意識してください。筋肉は、身体の中で糖を多く消費してくれる味方だからです。この2つが、どの体質タイプにも共通する生活の土台になります。
よくあるご質問(FAQ)
健診で予備軍と言われましたが、病院の薬は出ていません。漢方だけで相談できますか?
はい、ご相談いただけます。薬が出ない段階は、身体の側から数値を整えやすい段階です。
病院の定期的な血液検査は必ず続けていただき、次の検査の数値を一緒に物差しにしながら進めていきます。
すでに病院で血糖の薬(メトホルミン等)を飲んでいます。漢方と併用できますか? 薬は減らせますか?
はい、併用いただけます。病院のお薬は自己判断で絶対にやめたり減らしたりしないでください。
お薬を減らせるかどうかの判断は、漢方薬で体質が整い数値が下がってきた結果を見ながら、必ず主治医の先生と相談して進めてください。使用中のお薬(血圧の薬等も含む)は、ご相談時にお薬手帳などですべてお知らせください。
漢方薬で、予備軍の数値から元の正常値に戻れますか?
店頭では「数値を整えていくことは、できますよ」とお伝えしています。
結果をお約束するものではありませんが、実例のように長年薬を飲んでいても下がりきらなかった数値が整っていった方がいらっしゃいます。あなたの体質タイプに合わせた率直な見通しは、ご相談時にお伝えします。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
大きな目安は「3〜6ヶ月」です(※個人差があります)。
HbA1cは過去1〜2ヶ月間の血糖の平均状態を映し出す数値なので、漢方薬を飲み始めてから次の血液検査(数ヶ月後)を一つの区切りに確認します。記録では1〜4ヶ月で数値が動き始めた方もいらっしゃいますが、食事の見直しとあわせて無理なく続けやすい形で、年単位の付き合いになることもあります。
費用はどのくらいかかりますか?
目安として、1週間あたり5,000円前後〜(1ヶ月で2万円前後〜)とお考えください。相談料は無料です。
体質や組み合わせる漢方薬の種類によって金額が変わるため、お作りする前に必ず金額をお伝えし、ご納得いただいてからスタートします。ご予算のご希望も遠慮なくお聞かせください。
まとめ:「とりあえず気をつけて」を「具体的に何をするか」に変える
「予備軍と言われたけれど、まだ本格的な病気じゃないから大丈夫だろう」と放置していると、気づいた時には薬が手放せない状態になっていることがあります。
- 予備軍で薬が出ないのは、身体の側から数値を整えやすい段階です。何もしないで次の健診を不安なまま待つ必要はありません。
- すでに薬を飲んでいる方は自己判断でやめない。漢方は「胃腸の力を支える + 老廃物を流す + 自律神経を整える」の3タイプで組み立てます。
- 変化の目安は3〜6ヶ月、次の血液検査(HbA1c)の数値を物差しにします。
健診結果の紙を見て「何かしなければまずい」と感じたそのお気持ちが、ご自身の身体を変えるいちばんの出発点です。
直近の健診の数値、食事と運動のリズム、飲んでいるお薬、そしてあなたの体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの代謝の土台を立て直す漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
境界型糖尿病(糖尿病予備軍)に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
血糖・生活習慣病に関するさまざまなお悩みについて、以下のページもあわせてご覧ください。
▼糖尿病神経障害——足裏のしびれが取れない方へ
▼「コレステロールの薬、一生飲み続けるの?」——スタチンの不安と漢方
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。











