
「緑内障の手術を受けて眼圧は下がったけれど、『1年から数年たつと、また元に戻ることがある』と聞いて、眼圧が上がるのが怖い……」
「手術のあとから、目のぼやけやかすみ、黒い点が出てきた。でも『手術は成功しています』と言われて、それ以上の処置はできないと言われた……」
「SLTレーザーを受けたのに、点眼の数は減らない。反対の目も同じようになるのではと心配……」
新宿の漢方薬局「太陽堂」では、緑内障のご相談のうち、レーザー(SLTなど)や手術(線維柱帯切除術=トラベクレクトミーなど)を受けたあとに来られる方が、全体の10〜20%前後いらっしゃいます。処置を受けて終わりではなく、そのあとも不安が続いている方が少なくありません。
このページでは、処置のあとも不安が残る理由、漢方に期待していいこと・できないこと、点眼や通院との役割分担、すぐ眼科へ行ってほしいサイン、実際の経過をご説明します。
※最初に大切なことをお伝えします:一度欠けた視野を、漢方薬で元に戻すことはできません。このページでお話しするのは、「今の目の状態を保つ」ためのお手伝いです。点眼と眼科への通院は、処置のあとも必ず続けてください。
(※緑内障の説明や、タイプ別の漢方の考え方は、本体ページにまとめています。診断されたばかりの方、点眼の副作用でお悩みの方には、それぞれ別の記事もご用意しています。このページは「レーザー・手術を受けたあと」の方に向けた考え方です。)
【この記事の結論:レーザー・手術のあとの不安に対する漢方の考え方】
- 漢方にできること: 術後の目の機能や状態を保つためのサポートです。自律神経の緊張、水の流れ、身体の疲れといった「目に負担をかけている身体の状態」を整えます。
- 漢方にできないこと: 欠けた視野を元に戻すこと、点眼や手術の代わりになること。動かなくなった目の細胞を再び働かせるのは、漢方薬でも難しいとお伝えしています。
- 対象となる主なお悩み: レーザーや手術のあとも眼圧が不安な方、術後に見え方の変化が出てきた方、点眼が減らない方、反対の目が心配な方
レーザー・手術のあとも、不安が残る理由
緑内障のレーザーや手術は、目の中の水(房水:ぼうすい)の出口を広げたり、新しい通り道を作ったりして、眼圧を下げるための処置です。視野を元に戻すための処置ではなく、「これ以上進ませない」ために行います。
処置で眼圧が下がっても、時間がたつと、広げた出口や新しい通り道がふさがってきて、また上がってくることがあります。そのため、処置のあとも点眼と定期的な検査が続きます。「受けたら終わり」ではないことが、不安が残る一番の理由です。
店頭でよく伺うのは、次のような言葉です。
- 手術をしても、1〜数年後には元に戻る可能性があると言われた
- 術後に新しい症状(目のぼやけ、かすみ、黒い点など)が出てきたが、手術は成功と言われていて、それ以上の処置ができないと言われた
- 眼圧が再び上がるのが怖い
点眼・通院との役割分担・すぐ眼科へ行ってほしいとき
眼圧を下げる点眼と、眼科での定期的な検査(眼圧・視野・眼底)が、治療の中心です。漢方は点眼と併用できます。点眼を自己判断で減らしたり、やめたり、通院の間隔をあけたりしないでください。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
※すぐに眼科へ:目の痛みや重さがどんどん強くなっていく/白目が著しく赤い(出血している)/視界がチカチカする/見えづらい部分が急に増えた——こうした場合は、次の予約を待たずに、すぐに眼科を受診してください。強い目の痛みに頭痛や吐き気を伴う場合も、すぐに受診してください。
緑内障の説明と、タイプ別の漢方の考え方は、本体ページをご覧ください。
漢方の考え方|「戻す」ではなく「保つ」ために、身体の側を整える
漢方では、目だけを見るのではなく、目に負担をかけている身体の状態を見ます。ストレスで自律神経が緊張していると、血圧と同じように眼圧も上がりやすくなります。身体の水はけが悪いと、目の中の水も滞りやすくなります。こうした身体の側を整えることで、術後の目の状態を保つお手伝いをします。
【比較表】3つの見方と漢方アプローチ
| 見方 | 身体の様子 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| ①自律神経の緊張 (ストレス) | ストレスが多い、肩こり・首こりが強い、イライラしやすい、眠りが浅い。 | 【ストレスを除き、目のまわりの緊張をゆるめる漢方薬】 自律神経の緊張をゆるめ、目に余計な圧がかかりにくい状態を整えます。 |
| ②水の流れの滞り | むくみやすい、雨の日や低気圧で不調が出やすい。 | 【水の流れを良くする漢方薬】 身体全体の水はけを整え、目の中の水が滞りにくい状態を目指します。 |
| ③身体と目の疲れ | 目の疲れが抜けない、身体の疲れが残る、白目が濁っている。 | 【身体の疲れを取り、目の炎症に配慮する漢方薬】 身体の内側の疲れを取り、目を休ませやすい土台をつくります。 |
(※ご自身でどれか分からなくても大丈夫です。太陽堂では、目のご相談の方には全員に、眼圧の数字を一度は必ず伺っています。「受けた処置の種類と時期」「直近の眼圧」「今使っている点眼薬の名前」「眼科で言われていること」を、分かる範囲でお聞かせください。)
【薬剤師コラム①】「欠けた視野は戻りますか?」と聞かれたら
担当薬剤師:前原
店頭で「漢方で視野は戻りますか?」と聞かれることがあります。正直にお伝えしています。欠けた視野——動かなくなってしまった目の細胞を、再び働かせるのは、漢方薬でも難しいです。
そのうえでお伝えしているのは、漢方薬で、術後の目の機能や状態を保つためのサポートを考えていける、ということです。今見えている部分を守ること。そのために、目に負担をかけている身体の状態を整えていきます。
何を目安に見るか・毎日の養生
太陽堂では「まず3ヶ月」を一つの単位として、次の点を一緒に確認します。眼圧と視野は、眼科の検査で確認していただきます。
- 眼圧の数字(眼科で測った数字が安定しているか)
- 目の疲れ・重さ(夕方の目の重さ、かすみが変わってきたか)
- 身体の様子(肩こり・首こり、眠り、むくみ)
眼科で眼圧を測ったら、日付と、右・左それぞれの数字を手帳に残しておいてください。相談のときの大切な材料になります。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。眼圧の安定や、進行しないことを保証するものではありません。
養生|点眼を続ける・目と身体を休ませる
- 点眼と通院を続ける: 一番大切な養生です。処置のあとも、決められた点眼と検査を続けてください。
- 目を休ませる: 画面を見続ける時間を区切り、1時間に1回は遠くを見て目を休ませてください。
- 睡眠をとる・疲れをためない: 寝不足と疲れは、自律神経の緊張を強めます。
- 首・肩をゆるめる: 首や肩のこりが強い方は、湯船で温めてゆるめてください。
- 術後の生活の制限は、眼科の指示に沿う: 洗顔・入浴・運動(激しい運動や力仕事など)の制限は、受けた処置によって違います。自己判断せず、眼科の指示を優先してください。
【薬剤師コラム②】「手術は成功と言われた。でも不安」という方へ
担当薬剤師:林
「手術は成功しています、と言われました。でも、また眼圧が上がるのではないかと怖いんです」というお話を伺います。処置を受けたあとも、点眼と検査は続きますから、不安が残るのは自然なことです。
太陽堂では、目のご相談の方には全員に、眼圧の数字を一度は必ず伺います。数字と、今の身体の様子(ストレス、眠り、むくみ、疲れ)を合わせて見て、術後の目の状態を保つための漢方を考えます。術後に気になる症状が出てきたときは、まず眼科に伝えてください。そのうえで、ご相談ください。
【実例】手術のあと、眼圧がまた上がってきた方のエピソード
【手術後に下がった眼圧が、また上がってきた】60代 男性|2ヶ月で眼圧が12〜13で安定、1年4ヶ月で服用終了
【ご相談時の状態】 10年ほど前に病院で「正常眼圧緑内障」と診断された方です。点眼では変化が見られず、手術を受けて眼圧は下がりましたが、最近になってまた上がってきたため、ご相談に来られました。視野の欠けがあり、物の歪みも出てきて、病院で「黄斑浮腫」とも診断されていました。
【太陽堂の提案】 ①目のストレスを除く漢方薬 ②水の流れを良くする漢方薬 の2種類を組み合わせてお渡ししました。
- 2ヶ月後: 眼圧が12〜13で安定し、矯正視力も安定しているとのことでした。
- 3ヶ月後: 歪みがなくなってきているとのことでした。
- 6〜9ヶ月後: 眼圧は引き続き安定し、9ヶ月後に病院で測った眼圧は11でした。
- 1年4ヶ月後: 調子の良い状態が続いているため、服用終了となりました。
※これは「欠けた視野が戻った」という記録ではありません。眼圧が安定し、歪み(黄斑浮腫によるもの)が落ち着いていった経過です。効果の感じ方や必要な期間には個人差があり、同じ経過を保証するものではありません。点眼と眼科への通院は続けてください。
よくあるご質問(FAQ)
漢方で、欠けた視野は戻りますか?
いいえ。欠けた視野を元に戻すことは、漢方薬でも難しいです。
漢方でお手伝いできるのは、術後の目の機能や状態を保つためのサポートです。
点眼と一緒に漢方を飲んでも大丈夫ですか?
はい、多くの場合、併用していただけます。点眼は自己判断で減らしたり、やめたりしないでください。
点眼の副作用でお悩みの方は、別の記事でまとめています。
手術のあとに、ぼやけやかすみ、黒い点が出てきました。相談できますか?
まず、眼科にその症状を伝えてください。見えづらい部分が急に増えた、痛みが強くなっていく、という場合は、すぐに受診してください。
眼科で診てもらったうえで、「処置は成功と言われたが気になる」という段階のご相談はお受けしています。
これからレーザーや手術を受けるか、迷っています。
受けるかどうかは、眼科の先生と相談して決めてください。迷ったときの考え方は、別の記事でまとめています。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
点眼を続けています。漢方では、目のどこを見ていくのですか?
太陽堂では、目を「血の巡り」「水の巡り」「筋肉の緊張」の3つに分けて考えます。
目には細かい血管が集まっています。目の中を流れる水(眼房水)は、栄養を運び、老廃物を流し、潤いを保つ役割があります。首や目のまわりの筋肉がこわばると、血や水の流れも滞りやすくなります。どこに偏りがあるかを、舌や体の状態から見ていきます。
点眼薬や眼科での検査は、これまでどおり続けてください。手術を受けるかどうかは、眼科の先生とご相談のうえでお決めください。
まとめ|処置のあとは、「保つ」ための時間です
「受けたのに、まだ不安。また上がったらどうしよう」
- レーザーや手術は、眼圧を下げて「これ以上進ませない」ための処置です。処置のあとも、点眼と検査は続きます。
- 欠けた視野を元に戻すことは、漢方薬でも難しいです。漢方でお手伝いできるのは、術後の目の機能や状態を保つためのサポートです。
- 痛みや重さが強くなっていく、白目が著しく赤い、視界がチカチカする、見えづらい部分が急に増えた——このときは、すぐに眼科へ。
「受けたのだから、あとは待つしかない」と、不安を抱えたまま過ごし続けないでください。
受けた処置の種類と時期、今の眼圧と点眼、眼科で言われていること、身体の様子を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
緑内障は、タイプや、今どの段階にいるかで、知りたいことが変わります。ご自身の状況に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。














