
泣いているわけでもないのに、歩いているだけで涙があふれてくる。目の周りはいつも腫れぼったく、詰まったような感じがする——「涙道閉塞症(るいどうへいそくしょう)」の症状は、命に関わるものではない分、まわりに分かってもらいにくい悩みです。
そして病院で多くの方がこう言われます。「治すには手術しかありません」——実際のご相談でも、数年この症状と付き合いながら、手術には踏み切れず、他にできることを探して来られた方がいらっしゃいました。このページでは、涙道閉塞症に対して漢方に何ができて、何ができないのかを、正直にお話しします。
涙道閉塞症とは——涙の「排水口」の詰まり
涙は目を潤したあと、目頭にある小さな穴(涙点)から「涙道」という通り道を通って、鼻の奥へ流れていきます。この排水路が狭くなったり(涙道狭窄)、詰まったり(涙道閉塞)すると、行き場を失った涙が目からあふれるようになります。
あふれる涙のほかにも、目の周りの腫れぼったさ・詰まり感・時折のかゆみを伴うことがあります。片目から始まって、やがて両目に感じられるようになる方もいらっしゃいます。
「手術しかない」と言われる理由と、漢方の立ち位置
最初に、正直にお伝えします。物理的にふさがってしまった管を、漢方薬で「開通させます」とは言えません。構造の問題を直接解決できるのは手術であり、だからこそ病院では手術が提案されます。手術を受けるかどうかは、主治医の先生とじっくりご相談ください。
そのうえで、私たちが見ているのは「管」そのものではなく、詰まりやすさの背景にある体質です。東洋医学では、水分代謝の停滞(水滞)や血流の滞り(瘀血)があると、目の周りのむくみ・分泌物・老廃物が溜まりやすくなると考えます。そこで、目の周りの水はけを整える(利水の)漢方薬や血流を整える漢方薬を、その方の体質に合わせて組み立て、症状の緩和と「詰まりにくい身体」づくりを目指していきます。
「手術を受けるかどうか、まだ決めきれない」——その迷っている期間を、ただ待つのではなく体質を整える時間に変えていく。これが、涙道閉塞症に対する漢方の現実的な立ち位置だと考えています。
実際のご相談で見えた「体質のサイン」
涙道閉塞でご相談に来られた方の舌を拝見すると、いくつものサインが重なっていました。
・舌のふちに歯の跡がつく「歯痕」=身体に余分な水が溜まりやすいサイン(水滞)
・食事中に舌を噛みやすい=舌自体が腫れぼったくなっている可能性
・舌の裏の静脈のふくらみ=血流の滞り(瘀血)
・夏でも足先が冷える冷え性、年に何度か風邪をひくようになった=巡りと防衛力の低下
「目の症状」と「全身の体質」は、一見別の話に見えて、つながっています。だから私たちは、目だけを見るのではなく、舌・手のひら・生活習慣まで含めて全身から組み立てていきます。
【改善実例】あふれる涙と目の周りの腫れが落ち着いていったエピソード
太陽堂に実際にご相談に来られた方の実例を、記録からご紹介します。
【手術を迷っていた両目の涙と目やに】60代 女性|3ヶ月であふれる回数が減り、1年2ヶ月で服用終了
【ご相談時の状態】 2年ほど前から右目から涙があふれるようになり、最近になって左目も同じような症状が出始めた方です。眼科で「涙道閉塞症なので手術しかない」と言われたものの、目の手術が怖くて踏み切れず、ご相談に来られました。常に涙を拭いているため目の周りが赤く腫れぼったく、目やにも気になるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①目の周りの水はけを整える(利水)漢方薬 ②血流を整えて腫れを引かせる漢方薬 の2種類をお出ししました。
- 1ヶ月後: まずは目の周りの腫れぼったいむくみが少し引いて、すっきりしてきたとのこと。
- 3ヶ月後: 室内で涙があふれる回数が減り、屋外で冷たい風に当たった時に涙が出る程度になったとのこと。
- 6ヶ月後: 目やにや不快感がほぼなくなり、日中にハンカチで目を拭かずに過ごせる時間が増えたとのことでした。
- 1年2ヶ月後: 完全に塞がっていたわけではなかったこともあり、手術を受けないまま日常生活に支障のない状態が保てているため、ご本人の希望により漢方薬を服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。手術を受けるかどうかの判断は、必ず主治医の先生とご相談ください。
費用と期間の、正直な話
費用の目安は、1週間あたり5,000円前後〜(1ヶ月で2万円前後から)です。相談料は無料で、体質や組み合わせる漢方の内容によって変わるため、お作りする前に必ず金額をはっきりお伝えし、ご納得いただいてからスタートします。ご予算のご希望も遠慮なくお聞かせください。
もうひとつ、正直な話を。涙のあふれ方は日によって波があり、症状が比較的軽い方ほど、最初の30日では変化を実感しにくいことがあります。体質の変化は3ヶ月をひとつの単位として見ていき、その間も「水はけの生薬の比率を上げる」といった微調整を重ねていきます。涙があふれた回数や場面をメモしておいていただくと、小さな変化も拾いやすくなります。
よくあるご質問(FAQ)
病院で手術を勧められています。それでも相談できますか?
はい、ご相談いただけます。
手術を受けるかどうかは、主治医の先生とじっくり決めることです。そのうえで、「まだ決めきれない」「その前にできることを探したい」という段階のご相談は少なくありません。迷っている期間を、体質を整える時間に変えていきましょう。
どのくらいの期間で変化が分かりますか?
3ヶ月をひとつの単位として見ていきます。
症状が比較的軽い方ほど、最初の30日では実感しにくいことがあります——これは正直にお伝えしています。涙があふれた回数や場面の記録を付き合わせながら、調合の微調整を重ねて育てていく治療です。
緑内障の点眼など、他の治療と併用できますか?
基本的には併用可能です。
実際、緑内障の点眼や甲状腺のお薬を続けながら漢方を併用されている方もいらっしゃいます。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせと服用のタイミングを確認いたします。
眼科の通院はやめてもいいですか?
いいえ、必ず続けてください。
漢方は眼科の検査や治療に代わるものではありません。涙道の状態や、併存する目の病気(緑内障など)の定期チェックは続けながら、体質の側を私たちが受け持つ——その役割分担で進めていきます。
まとめ|「手術しかない」の前に、できることがあります
涙道閉塞症は、手術という選択肢がはっきりしている分、「それ以外の道がない」ように感じてしまう病気です。でも、あふれる涙の背景には、水はけと血流という体質の側の手がかりがあります。手術を選ぶにしても選ばないにしても、身体を整えておいて損はありません。迷っている今の気持ちごと、どうぞそのままお聞かせください。
【ご相談をご希望の方へ】
涙道閉塞症に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
目の症状に関連する、こちらの記事も参考にされてください。
【薬剤師コラム①】「珍しい相談」こそ、全身から見る価値があります
涙道閉塞症のご相談は、正直に言えば多くはありません。でも、お話を伺い、舌を拝見すると、水はけ・血流・冷えという「いつもの手がかり」がしっかり見えてきます。珍しい病名でも、身体の見方は変わりません。「手術しかない」という言葉で行き止まりに感じている方こそ、一度、全身から見直す価値があると思っています。
担当薬剤師:前原
【薬剤師コラム②】迷っている時間を、味方につける
手術を「する・しない」の二択で立ち止まってしまったら、その間に身体の土台を整えておく——これはどの病気にも共通する考え方です。水はけと血流が整えば、目の周りの環境も変わっていきます。決断を急ぐ必要はありません。検査は続けながら、できることから始めましょう。
担当薬剤師:林
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。















