
「今まで、皮膚の赤みとボロボロ落ちるフケのような粉(鱗屑)の対応だけでも精神的に辛かったのに、今度は指の関節がパンパンに腫れて痛み出した」
「朝起きると手が強張って、ペットボトルのフタが開けられない。皮膚の痒みと関節の痛み、両方の悩みを同時に抱えるのがこんなに大変だとは思わなかった」
「病院でメトトレキサート(リウマチの薬)や注射のお薬の話が出て、『ついにそこまで病気が進んでいるのか』とショックで不安になった」
乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん・関節症性乾癬)は、乾癬特有の皮膚症状(紅斑や鱗屑)に加えて、手足の関節の腫れや痛みが現れるご病気です。
太陽堂での乾癬のご相談全体のうち、およそ1割程度の方にこの関節症状があり、お話を深く伺うと、「関節の痛みだけ」を訴える方は少なく、ほとんどの方が「皮膚と関節、両方が辛い」という『二重の悩み』を抱えていらっしゃいます。
この記事では、この「二重の辛さ」に対して、皮膚と関節を別々の問題として切り離すのではなく、一つの身体の根本的な問題として一緒に整えていく漢方の考え方を、薬剤師の視点から詳しく解説いたします。
【この記事の結論:「乾癬性関節炎・皮膚と関節の二重の辛さ」に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 西洋医学では乾癬と同じ免疫の乱れが関節・付着部にも炎症を起こす状態とされます。漢方では、身体にこもった「熱」と「解毒力」の低下(皮膚側)に加えて、関節の炎症と血流の滞り(関節側)が重なった状態と考えます。
- 漢方の解決策: 皮膚には「熱を冷ましてターンオーバーを整える+解毒を高める」、関節には「炎症を鎮めて血流を整える」——この両方に『同時に』働きかける組み立てで、二重の辛さを内側からケアします。病院の免疫治療との併用も可能です。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 乾癬性関節炎、関節症性乾癬、乾癬による関節の痛み、皮膚と関節の両方が辛い方、朝の手のこわばり・指の腫れ(指趾炎)が気になる方、メトトレキサート等の強い薬に不安がある方
ご相談の実像——「皮膚と関節、両方が辛い」が一番多い
乾癬性関節炎は、乾癬のある方の一部に起こる関節の炎症で、指の関節がソーセージのようにパンパンに腫れたり(指趾炎)、朝起きた時の強いこわばり、アキレス腱(かかと)や腰の痛みが出たりするのが特徴です。
店頭でお話を伺っていて一番印象的なのは、「関節が痛くて不便だ」という単独の訴えよりも、「ただでさえ皮膚のことで何年も人の視線に気を使い続けて、心がすり減ってきたのに、その上、関節まで痛くなって普通の生活もできなくなってきた」という、積み重なった深い辛さと絶望感を語られる方が非常に多いことです。
皮膚の悩みは「見た目へのコンプレックスと心の消耗」に効いてきて、関節の悩みは「日常の動きと生活の質」にダイレクトに効いてくる。——性質の違う2つの大きな負担を同時に背負わなければならないのが、このご病気の一番辛い実像です。
だからこそ太陽堂では、皮膚と関節を別々の病気として扱いません。「同じ一つの身体(免疫システム)の中で起きている、一つの大きな乱れ」として、一緒に根っこから整えていきます。
【薬剤師コラム①】メトトレキサート・注射のお薬が始まった方へ
担当薬剤師:前原
関節の痛みや腫れの症状が強い患者さまでは、病院でメトトレキサート(MTX)や生物学的製剤(注射のお薬など)といった、免疫システムに直接働きかける強力な治療が行われます。
「ステロイドの塗り薬だけでも嫌だったのに、そんなに強い薬まで必要なのか」と副作用を不安に思うお気持ちは、痛いほどよく分かります。
ここで、薬剤師として必ずお伝えしておきたいことが2つあります。
- これらのお薬は、関節の破壊(変形)が進む前に炎症を抑えるための大切な治療です。自己判断で勝手にやめたり、飲む量を減らしたりしないでください。
- 病院のこれらの治療と、漢方薬との併用は可能です。現在飲んでいるお薬をすべてお薬手帳などでお知らせいただき、飲み合わせを確認したうえで、漢方の組み立てを考えます。
私たちが目指すのは、「病院の薬を今すぐやめる」ことではなく、「薬に頼りきらない身体を作っていく」ことです。病院のお薬が関節の破壊を食い止めてくれている間に、漢方薬で身体の土台を整え、炎症が起こりにくい体質を内側から育てていく——。役割の違いを表にまとめました。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 免疫の過剰な炎症を強力に抑え込み、関節の破壊を防ぐ | 炎症が起こりにくい身体の環境(血流・解毒)を内側から根本的に整える |
| 得意なこと | 診断の確定と、メトトレキサート・生物学的製剤などによる進行を止める治療 | 皮膚と関節の『両方』への、体質からの同時・包括的アプローチ |
| 代表的な手段 | メトトレキサート(MTX)、生物学的製剤(注射)、消炎鎮痛剤 | 皮膚の熱を冷ます漢方薬、関節の血流を整える漢方薬、解毒の漢方薬 |
| 気になる点 | 強いお薬の副作用への不安や、長く続けることへの心理的・経済的負担 | 体質からの根本的な変化のため、効果の実感までに月単位の期間が必要 |
| 両者の関係性 | 関節破壊を防ぐための「絶対的な治療の主役」 | 対立ではなく併用OK。病院で進行を抑えつつ、漢方で土台を育てる二人三脚 |
漢方の組み立て——皮膚と関節を「一緒に」整える
太陽堂では、乾癬性関節炎の患者さまに対して、以下の2つの軸を融合させ、一つの処方群としてオーダーメイドで組み立てます。
軸① 皮膚へ——熱を冷まし、ターンオーバーと解毒を整える漢方薬(清熱解毒)
- 狙い: 乾癬の赤みや粉(鱗屑)の大元である「皮膚にこもった熱」を冷まし、皮膚の生まれ変わりのリズムと、老廃物をさばく解毒の働きを整えます。(※皮膚に対する漢方アプローチの詳細は、尋常性乾癬の記事もご覧ください)。
軸② 関節へ——炎症を鎮め、血流を整える漢方薬(活血化瘀・祛風湿)
- 狙い: 腫れて痛む関節には、局所の炎症を鎮める方向と、滞った血流を整えて関節の組織を養う方向をあわせます。
「皮膚の薬」と「関節の薬」を別々に出すのではなく、この2つの軸を患者さまの現在の症状の比重に合わせて見極め、「一つの身体の土台を整えるためのセット」として緻密に組み立てるのが、専門の漢方薬局である太陽堂のやり方です。
目安として、まずは「3ヶ月」で、皮膚症状の赤みの軽減や、関節の痛み・腫れの緩和が見られるかどうかを確認しながら、症状の出る頻度や悪化の波をじっくりと鎮めていきます(※効果の感じ方には個人差があります)。
【改善実例】皮膚の赤みと関節の痛みが落ち着いていったエピソード
太陽堂に実際にご相談に来られた方の実例を、記録からご紹介します。
【皮膚の鱗屑と指のこわばり】50代 男性|5ヶ月で指の腫れが引き、2年で服用終了
【ご相談時の状態】 5年前から乾癬の皮膚症状(赤みと粉)があり、1年ほど前から指の関節が腫れて痛み出した方です。病院で「乾癬性関節炎」と診断され、強いお薬を提案されたものの不安があり、ご相談に来られました。「朝起きると手が強張ってペットボトルも開けられない。皮膚の見た目も辛い」と、二重のお悩みを抱えていらっしゃいました。
【太陽堂の提案】 ①皮膚の熱を冷ましターンオーバーを整える漢方薬 ②関節の炎症を鎮め血流を整える漢方薬 の2種類を、症状の比重に合わせて調合してお出ししました。
- 2ヶ月後: まず皮膚の赤みが引き始め、ボロボロ落ちる粉(鱗屑)の量が減ってきたとのこと。朝の指のこわばりも少し動かしやすくなったとのことでした。
- 5ヶ月後: 腫れていた指の腫れが引き、痛みなくペットボトルのフタが開けられるようになったとのこと。
- 1年後: 関節の痛みはほぼ出なくなり、皮膚も綺麗な状態を維持できているとのこと。
- 2年後: 病院の治療と並行しながら、皮膚も関節も症状が気にならない安定した状態が続いたため、漢方薬は服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】「変形」への正直な期待値
担当薬剤師:林
関節の痛みのご相談をお受けする際、私たちが患者さまに必ずお伝えしている、非常に大切な「正直な線引き」があります。
「すでに変形してしまった関節を、漢方薬で『元通りに戻す』ことは、お約束できません」
変化が期待できるのは、今現在起きている痛み・赤い腫れ・朝のこわばりといった「炎症による症状」の方です。
だからこそ、一番大切なのは『治療を始めるタイミング』なのです。
関節の炎症が続けば続くほど、関節へのダメージ(変形)は積み重なってしまいます。「痛みと腫れが出ている今」こそが、病院の治療にしても、漢方で土台を整えるにしても、一番動くべき時なのです。「もう少し様子を見ようかな……」と迷っている方は、皮膚と関節の状態を一度私たちと一緒に整理しに来てください。
よくあるご質問(FAQ)
病院でメトトレキサートや生物学的製剤(注射)を使っていますが、漢方と併用できますか?
はい、併用いただけます。病院の治療を続けることが大前提です。
コラムでもお伝えした通り、これらのお薬は関節の破壊(変形)を防ぐための大切な治療ですので、漢方を始めたからといって自己判断での中止・減量は絶対に避けてください。現在飲んでいるお薬(痛み止め等も含む)は、お薬手帳などですべてお知らせください。飲み合わせを確認いたします。
乾癬の「皮膚の症状」がメインで関節痛は少しだけですが、この記事の内容で相談できますか?
はい、ご相談いただけます。皮膚の症状がメインの方は、尋常性乾癬の専用記事もご用意していますのであわせてお読みください(記事末尾のリンク)。
「皮膚の赤みが8割、関節の痛みが2割」というように、どちらの比重が大きいかによって漢方薬の組み立てのバランスを変えますので、ご相談時には必ず『両方の状態』を詳しくお聞かせください。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
まずは「3ヶ月」を一つの目安として、皮膚症状の赤みや、関節の痛み・腫れの軽減が見られるかを確認します(※個人差があります)。
そこから、症状の出る頻度や悪化の波を、じっくりと鎮めていく経過が一般的です。
変形してしまった関節は、本当に治りませんか?
正直に申し上げて、すでに変形した関節を元に戻すことはお約束できません。
変化が期待できるのは、現在起きている「痛み・赤い腫れ・こわばり」の方です。炎症が続くほど変形のダメージは積み重なるため、これ以上変形を進ませないために、症状が出ている「今」の早めの対策をお勧めします。
漢方薬の費用はどのくらいかかりますか?
目安として、1週間あたり5,000円前後〜(1ヶ月で2万円前後から)とお考えください。相談料は無料です。
症状の範囲や体質、組み合わせる漢方の種類によって金額が変わるため、お作りする前に必ず金額をはっきりとお伝えします。ご予算のご希望(まずはこれくらいから始めたい等)も遠慮なくお聞かせください。無理なく続けられる形を一緒に考えます。
改善した実例(症例)はありますか?
はい、あります。この記事でも、皮膚と関節の両方に悩まれた方が5ヶ月で指の腫れが引き、2年で服用終了となった記録をご紹介しています。
また、土台となる『尋常性乾癬(皮膚)』の改善実例も複数公開しています。「7年来の尋常性乾癬が2年2ヶ月で服用終了となった方の記録」などを、記事末尾のリンクからぜひご覧ください。
まとめ:二重の辛さは、一つの身体から整える
「人の視線が気になる皮膚の赤みだけでも限界だったのに、関節まで痛くなって、仕事や家事もままならない」
一番多いこの深い悩みに対して、太陽堂は皮膚と関節を別々の病気として扱わず、一つの身体の大きな乱れとして一緒に整えます。
- メトトレキサート・注射のお薬は関節破壊を防ぐ要です。自己判断でやめないでください。漢方との併用OKです。
- 漢方の組み立ては、皮膚の「熱とターンオーバー・解毒」+ 関節の「炎症と血流」の同時アプローチ。
- すでに変形した骨を元に戻すことは約束できません。だからこそ、痛みと腫れが出ている「今」が一番の動き時です。
皮膚にも関節にも気を配り、痛みと視線に耐え続ける毎日の重さを、もう一人で抱え込まないでください。
現在の皮膚と関節の状態、お薬の内容、そしてあなたの体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの身体を土台から支える漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
乾癬性関節炎に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
乾癬・皮膚と関節に関するお悩みについて、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼尋常性乾癬——ステロイドを塗り続ける毎日から抜け出したい方へ
▼皮膚側の実例:7年来の尋常性乾癬が2年2ヶ月で服用終了となった記録
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。










