「病院で『男性更年期障害(LOH症候群)』と言われて、男性ホルモンの注射を勧められた。でも副作用が怖いし、本当に自分に効くのか迷っている……」
「血液検査でテストステロンの数値は『正常範囲内』だと言われたのに、鉛のようなだるさと気力の低下がずっと続いている……」
「一度はホルモン数値が低かったのに、翌年の検査では正常に戻っていた。それなのに、体と心の辛さは変わらないまま……」
男性更年期(LOH症候群)の不調は、病院で測る「数値」と、ご本人が感じている「辛さ」が必ずしも一致しません。
新宿の漢方薬局「太陽堂」で日々患者さまと向き合う薬剤師の正直な実感は、「テストステロンの数値という面は、男性の不調においては、実はそんなに関係ない気がする」というものです。
結局のところ、40代〜60代の男性の不調の背景にあるのは、長年のストレスによる『自律神経の乱れ』と、『年齢による身体の変化』ではないか。私たちはそう考えています。
このページでは、ホルモン注射(補充療法)を迷っている方、持病などで受けられない方、そして「数値は正常なのに不調が続く方」に向けて、漢方の考え方をご説明します。
(※男性更年期の症状全体の説明については、こちらのページも合わせてご覧ください。)
【この記事の結論:ホルモン注射を迷う方への漢方の考え方】
- 不調が起こる理由: 西洋医学では、加齢やストレスによる男性ホルモン(テストステロン)の低下が心身の不調を引き起こすとされます。漢方では、長年の過労と加齢による生命エネルギーの不足(腎虚・気血両虚)と、精神的ストレスによる自律神経の滞り(気滞)が重なって起きていると考えます。
- 漢方の考え方: ホルモン注射を否定しません。ただ、注射だけで全てが解決するとは限りません。漢方薬で①すり減った生命力(気力・体力)を補う ②張り詰めた自律神経をほぐす——というアプローチで、心身のバランスが取れる土台を育てます。
- 対象となる主なお悩み: 男性更年期障害(LOH症候群)、ホルモン注射を迷っている方、前立腺の病気等で注射が受けられない方、テストステロン値は正常なのにだるさ・気力低下・イライラ・不眠・夜の悩みが続く方
「数値」と「つらさ」は一致しない——ホルモン注射を迷う方へ
男性更年期は、医学的には「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれ、男性ホルモン(テストステロン)の低下が関わるとされています。
病院(泌尿器科やメンズヘルス外来)では、血液検査でこのテストステロンの数値を測り、基準値より低ければ「テストステロン補充療法(筋肉注射や塗り薬)」が第一の治療として検討されます。
ところが太陽堂の店頭では、「数値は正常だと言われたのに、うつのように辛い」「一度低かった数値が翌年は正常に戻っていた。それでも不調の重さは変わらない」という方に多くお会いします。
ホルモン注射で良くなれば、もちろんそれが一番です。ただ、注射で数値を補っても、それだけで心と身体の辛さが全部良くなるかというと、薬剤師として疑問に思う場面もあります。
結局のところ、不調の根っこには「長年の自律神経の乱れ」や「年齢による身体の土台の衰え」が絡み合っているからです。
注射を受けるかどうかは、主治医の先生とご本人の判断です。受ける方も、受けない(迷っている)方も、持病で受けられない方も、漢方薬はそのすべての選択に並走することができます。
※突然の激しい胸の痛み、息苦しさ、手足の激しいしびれや呂律が回らない症状を伴う場合は、更年期ではなく心筋梗塞や脳卒中の可能性があります。漢方ではなく、すぐに医療機関(救急や循環器内科など)を受診してください。
病院での検査と治療(西洋医学の役割)
病院では、午前中に血液検査を行って「フリーテストステロン」の値を測り、質問票(AMSスコアなど)で症状の程度を客観的に評価します。
治療の中心は、減ってしまった男性ホルモンを外部から直接補う「テストステロン補充療法(注射が一般的)」です。さらに症状に合わせて、ED治療薬(バイアグラ等)、抗うつ薬、睡眠薬などの対症療法が併用されることもあります。
一方で、前立腺がんや前立腺肥大症の持病がある方など、医学的な理由で補充療法を受けられない方や、「自分は辛いのに、数値が基準にギリギリ届かず注射の適用にならなかった」という方もいらっしゃいます。
そうした「行き場を失ってしまった方」こそ、「数値ではなく、あなたの今の身体の状態」から整える漢方薬の出番です。
漢方の考え方|自律神経と年齢の変化から整える
漢方では、男性更年期の不調を「テストステロンという一つの数値の不足」としてだけ見るのではなく、「身体全体の生命エネルギーとバランスの変化」としてとらえます。
年齢による身体の土台(回復力)の衰えと、社会的責任(仕事や家庭)によるストレス・自律神経の乱れ。この2つが重なって、だるさ・気力の低下・眠りの浅さ・夜の悩みとして現れていると考え、以下の3つのタイプから漢方を組み立てます。
【比較表】体質タイプと漢方の働き
| あなたの主な症状・体質 | 漢方のとらえ方 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| 慢性的なだるさ、気力の低下。足腰が冷える、弱くなった。頻尿や残尿感。夜の悩み(ED等)。 | 「腎虚(じんきょ)」 体の土台(生命力)が弱っている | 【生命力を補い、体を温める漢方薬】 年齢とともに減っていくエネルギーの源(腎)を補い、下半身を温めて気力と体力の土台を養います。 |
| 疲れやすく、休んでも回復しない。顔色が悪い。食欲が落ちている。眠りが浅い。 | 「気血両虚(きけつりょうきょ)」 気力・スタミナの不足 | 【気と血を補う漢方薬】 胃腸の働きを助けてエネルギーと栄養を作り出し、心と体に届けることで、スタミナと眠りの質を支えます。 |
| イライラして怒りっぽい。気分の落ち込み。胸や脇が張る。動悸や手の震えが出ることがある。 | 「気滞(きたい)」 ストレスによる自律神経の乱れ | 【気の巡りを整える漢方薬】 張り詰めた自律神経をほぐし、滞った気(ストレス)を流して、気分の波と体の緊張を和らげます。 |
【薬剤師コラム①】「結局は自律神経と年齢」と考える理由
担当薬剤師:前原
「病院の検査で数値は正常だったのに、なぜ自分はこんなに辛いんでしょうか」というご相談を、店頭でよくお受けします。
私は薬剤師として、「テストステロンの数値が低い・高いという面は、実は患者さまの辛さとはそんなに関係ないのではないか」と感じています。数値が低い方も正常な方も、じっくりお話を伺うと、その辛さの背景にあるのは「仕事や家庭でのストレス(自律神経の乱れ)」と、「年齢による身体の変化」であることが多いからです。
年齢による変化そのものを止めることは誰にもできません。けれども、漢方薬でその「揺れ幅(辛さの波)」を小さくして、自力で元に戻る力(回復力)を養うことはできます。それが漢方の役割です。
ホルモン注射を迷っている方には、「注射で良くなればもちろんそれが一番です。ただ、注射だけで心の落ち込みまで全部が良くなるかは疑問に思う場面もあるので、身体の土台のほうも漢方で一緒に整えていきませんか」とお伝えしています。
注射を受けながらでも、受けないと決めた方でも、持病で受けられない方でも、漢方薬はあなたのどの選択にも並走できます。
自宅でできるセルフケア・養生
漢方薬の服用と併せて、日常生活でも以下の点に気をつけることで、自律神経が整いやすくなります。
- 「眠り」を最優先にする: 寝る前のスマホと夜遅い食事を控え、寝る時間・起きる時間を固定してください。眠りの質が整うと、「だるさ」と「気力」から先に変わってくる方が多いです。
- 軽い運動を習慣にする: 無理のないウォーキングや軽い筋トレ(スクワット等)がお勧めです。筋肉を動かすこと自体が、気力の土台になります。
- ストレスを抱えすぎない: 仕事から離れる(考えない)時間を意識して作ってください。「昔のように頑張れない自分」を責めないことも、男性更年期の大切な養生の一つです。
【店頭の記録】数値は戻ったのに、不調が再燃した50代後半の男性
ここでは、「数値」と「つらさ」が必ずしも一致しない例として、太陽堂で実際にご相談を続けている方の記録をご紹介します(現在も経過中の記録です)。
50代後半・男性|テストステロンは一度低値→1年後に正常。それでも「動けない感じ」が再燃
【ご相談の経緯】
もともと手の震えと動悸で通院中の方で、太陽堂では煎じ薬を続けておられ、そちらは落ち着き気味でした。
「50を過ぎたので男性更年期もあるのかと思って」と、病院でテストステロンを測ってもらったところ、一度はかなり低い値が出ました。ところが、その1年後の再検査では数値は正常範囲に戻っていたとのことでした。
しかし、数値は戻ったにもかかわらず、8月前半から「耳の上を中心に顎まで広がる強い頭痛と倦怠感」が出現。脳外科のMRIでは脳も血管も異常なし。
「うわーっと動けない感じの状況に、近いものが出てきてしまって……」と、意欲の低下も含めて再びご相談に来られました。
【漢方の対応】
病院から出されたお薬との併用は問題ないことをその場でお伝えし、これまでの煎じ薬に「内臓を少し温めて、循環を高める生薬」を1種類だけ追加しました。作り方・飲み方・金額は変わらないことを添えてお渡しし、30日後に再確認する予定です。
数値が正常に戻っても、身体の辛さはそれとは別に動く。この方の記録は、私たちが「数値ではなく、目の前にいる患者さまの身体の状態を見る」理由をそのまま表しています。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
【薬剤師コラム②】3ヶ月で何を目安に見るか
担当薬剤師:林
男性更年期のご相談では、血液検査の数値の変化ではなく、日常の中の「4つの変化」を私たちと一緒に確認しています。
- 朝の起きやすさ(身体の重さ、ベッドから起き上がるまでの時間)
- 仕事の集中力(午後までスタミナが持つか)
- イライラの回数(家族や部下に、きつく当たってしまった回数)
- 夜の悩み(夜中に目が覚めないか、夜の自信の回復)
太陽堂では、まず「3ヶ月」を一つの単位として、この4つのどれから動き始めたかを見ます。多くの方は、まず「眠りの深さ」と「朝の起きやすさ」から変わり始め、その後に気力とイライラの減少がついてきます。
何年もかけて積み重なった仕事の疲労や自律神経の乱れは、1週間で整うものではありません。半年から1年ほどかけてじっくり取り組むことをお勧めしています。
よくあるご質問(FAQ)
ホルモン注射を受けながら、漢方薬を一緒に飲んでもいいですか?
はい、併用していただけます。
注射で足りないホルモンを直接補いながら、漢方薬で自律神経と体の土台(血流や胃腸)を整えることは、良い組み合わせになることが多いです。病院の治療は自己判断でやめず、お薬手帳をご相談時にお持ちください。
病院でテストステロンの数値は「正常」でした。それでも漢方の相談はできますか?
はい、むしろそうした「行き場のない方」のご相談が多いです。
漢方薬は数値ではなく、今のあなたの体の状態(だるさ・眠り・気分・夜の悩み)を見て整えます。検査結果の紙があればお持ちいただくと参考になりますが、無くてもご相談いただけます。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位として、朝の起きやすさ・仕事の集中力・イライラの回数などの変化を一緒に確認します(※個人差があります)。
長年の過労と自律神経の乱れを整えるため、半年から1年ほどかけてじっくりと腰を据えて取り組むことをお勧めしています。
気分の落ち込みがひどいのですが、漢方薬だけでいいのでしょうか?
気分の落ち込みが激しく、「仕事に行けない」「死にたいと考えてしまう」など生活が続けられないほどの場合は、漢方よりもまず心療内科や精神科の受診をおすすめします。
うつ病の治療(抗うつ薬など)と漢方薬は並走できます。「ただの更年期だ、気のせいだ」と無理して我慢せず、辛さをそのままお話しください。
漢方で良くなったら、もう再発しませんか?
「良くなったら再発しない」とは申し上げられません。
年齢による身体の変化は続きますし、仕事で強いストレスがかかれば、また自律神経の揺れは戻ります。だからこそ漢方薬で、その「揺れ幅」を小さくし、波が来ても自力で元に戻る力(回復力の土台)を養っておくことを大切にしています。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
体質や症状の組み合わせによって内容が変わりますので、お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご相談時にご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|数値ではなく、今の「あなたの身体」から整える
「ホルモン注射を受けるべきか迷っている」
「数値は正常と言われたが、鉛のようなだるさと辛さは毎日続いている」
どちらの方にも、私たち太陽堂は「数字を追いかけるのではなく、今のあなたの身体の状態そのものから整えましょう」とお伝えしています。
背景にある自律神経の乱れと、年齢による生命エネルギーの低下を、漢方薬で少しずつ整えていく。注射を受ける方も、受けない方も、受けられない方も、私たちはその判断を尊重し、並走します。
「昔のように頑張れない自分」をもう責めないでください。
これまでの経緯、一番お困りの症状、そしてあなたの体質を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
男性更年期の不調は、自律神経の乱れや疲労の蓄積と深く関わっています。ご自身の症状に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。















