
「ステロイドを塗っているのに、アトピーの赤みやジュクジュクが治らない」
「次から次へと赤く腫れたニキビができ、化膿して痛い」
このように、長引く皮膚トラブルでお悩みではありませんか?
実は、治りにくいアトピー性皮膚炎や重症のニキビの裏には、「皮膚のバリア機能低下」と「目に見えない菌の繁殖」が隠れていることが少なくありません。
そんな時、体の内側から菌を抑え、膿(うみ)を出し、肌が自ら綺麗になる力を取り戻してくれるのが「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」または「十味敗毒散(じゅうみはいどくさん)」という漢方薬です。
今回は、化膿やジュクジュクを伴う肌トラブルに対し、この漢方がなぜこれほどまでに効果を発揮するのか、太陽堂の薬剤師が詳しく解説します。

なぜ、あなたのアトピーやニキビは治らないのか?
皮膚科で薬をもらっても、一時的に良くなってはまた繰り返す。その原因の一つに、「ステロイド外用薬の長期使用によるジレンマ」があります。
ステロイドの落とし穴「菌感染」
ステロイドは、今起きている強い炎症(赤みやかゆみ)を素早く鎮める「抗炎症作用」と、免疫の過剰反応を抑える「免疫抑制作用」を持つ、非常に優秀なお薬です。
しかし、長期間塗り続けると、この「免疫を抑える働き」によって皮膚のバリア機能が低下してしまうことがあります。
すると、本来なら自分の免疫力で退治できるはずの細菌(黄色ブドウ球菌など)が肌の表面で繁殖しやすくなり、「菌感染」を起こしてジュクジュクと化膿してしまう(ステロイド性皮膚炎)のです。
炎症を抑えるために薬を塗っているのに、そのせいで菌が繁殖して新たな化膿を生んでしまう……。この悪循環に入ると、外からの塗り薬だけではなかなか抜け出せません。
十味敗毒湯(十味敗毒散)が化膿した肌を綺麗にする理由
この「ステロイドと菌感染の悪循環」を断ち切るために、太陽堂がよくご提案するのが「十味敗毒湯(散)」です。
(※「湯」は煎じ薬、「散」は粉薬を指しますが、中身の成分は同じです)
この漢方の最大の強みは、「抗菌作用」と「排膿(膿を出す)作用」にあります。
【コラム】薬剤師 前原先生の視点「内側からのデトックス」
「十味敗毒湯には、10種類の生薬が配合されています。中でも注目すべきは、強い抗菌作用を持つ『撲ソク(ボクソク)』と、溜まった膿を排出する『桔梗(キキョウ)』です。
ステロイドで弱ってしまった肌の免疫の代わりに、漢方が体の内側から菌の繁殖を抑え、悪いものを外へ押し出してくれます。いわば、『内側からの強力なデトックス(敗毒)』ですね。」
【コラム】薬剤師 林先生の視点「漢方は足し算で劇的に変わる」
「『以前、十味敗毒湯を飲んだけど効かなかった』という声も聞きます。実は漢方は、その方の症状に合わせて生薬を『ちょい足し』することで効果が何倍にもなります。
例えば、黄色い膿がひどい時は『連翹(レンギョウ)』を、赤く熱を持っている時は『石膏(セッコウ)』を追加します。この『組み合わせ』の技術こそが、治りにくい皮膚病を克服するカギなんです。」
【チェック表】十味敗毒湯が「合う肌」と「合わない肌」の違い
十味敗毒湯は素晴らしい漢方ですが、万能ではありません。「どんな肌の状態か」によって、劇的に効く人と、逆に別の漢方を選んだ方が良い人がいます。
ご自身の肌がどちらのタイプか、以下の表で見極めましょう。
| 肌の状態・タイプ | 具体的な症状 | 十味敗毒湯の適性 |
| ジュクジュク化膿型 (アトピー・湿疹) | 患部から黄色い汁(浸出液)が出る。 ステロイドを塗っても化膿を繰り返す。 | ◎ とても合っている 抗菌・排膿作用が最大限に活きます。 |
| 赤く腫れたニキビ型 (尋常性ざ瘡) | 触ると痛い赤ニキビや、膿を持った黄ニキビ。 次から次へと新しいニキビができる。 | ◎ とても合っている 毒素を排出し、炎症を鎮めます。 |
| カサカサ乾燥型 (アトピー・老人性掻痒) | 汁は出ず、粉をふくように乾燥して痒い。 掻いても膿は出ない。 | × 合わない (当帰飲子など、肌を潤す漢方が適しています) |
| 白ニキビ・黒ニキビ型 | 炎症や赤みはなく、毛穴が詰まっているだけ。 | △ あまり効果がない (血流を良くする桂枝茯苓丸などが適しています) |
※「ジュクジュク」と「赤み・化膿」がある、比較的体力がしっかりしている方にこそ、十味敗毒湯は最高のパフォーマンスを発揮します。
【改善症例】ステロイドが効かない「ジュクジュク肌」が綺麗になるまで
十味敗毒湯を飲み始めると、肌はどのように変化していくのでしょうか。実際に太陽堂でご相談をお受けした患者様の改善ステップをご紹介します。
【30代 女性】長年のアトピーと大人の化膿ニキビ
お悩み:
子どもの頃からアトピー体質で、皮膚科でステロイドを処方されてきた。最近は薬を塗っても赤みが引かず、掻きむしったところから黄色い汁(浸出液)が出て化膿してしまう。顔周りにも、痛みを伴う赤ニキビが絶えない。
漢方薬の選定:
ステロイドの長期使用によって肌のバリア機能が落ち、「菌感染」を起こしている状態でした。体の中の毒(膿と菌)を外へ出すために「十味敗毒湯」をベースにし、炎症の熱を冷ます生薬を組み合わせてお渡ししました。
改善のステップ(治り方の過程)
ステップ①【服用1〜2週間目】炎症と膿のピークアウト(デトックス期)
飲み始めは、排膿作用によって一時的に膿が出やすくなりました。しかしこれは「毒を外に出している」良いサインです。2週間を過ぎた頃から、痛みを伴う赤みや強い腫れがスッと引き始めました。
ステップ②【服用1〜2ヶ月目】ジュクジュクの乾燥と新生
一番の悩みだった「黄色い汁(浸出液)」がピタッと止まりました。患部が乾いてかさぶたになり、かゆみも落ち着いてきたことで、夜もぐっすり眠れるように。かさぶたの下で、新しい皮膚が作られ始めます。
ステップ③【服用3〜6ヶ月目】丈夫な肌の定着(バリア機能回復)
肌のバリア機能が回復し、ステロイドを塗る頻度が劇的に減りました。新しい赤ニキビもできなくなり、「ちょっと掻いてしまっても、以前のように化膿して長引くことがなくなった!」と大変喜ばれました。
十味敗毒湯(散)に関するFAQ(よくある質問)
皮膚科でもらったステロイドの塗り薬と一緒に使っても大丈夫ですか?
はい、併用可能です。むしろ相乗効果が期待できます。
外側からステロイドで強い炎症(火事)を素早く消し止め、内側から十味敗毒湯で化膿や菌の繁殖を防ぎながら肌のバリアを立て直す、というのは非常に理にかなったアプローチです。
急にステロイドをやめるとリバウンドが起きることもあるため、併用しながら徐々に漢方メインへ移行していくのが安全です。
ドラッグストアの市販薬(十味敗毒湯)でも同じように効きますか?
ベースの成分は同じですが、効き目がマイルドなことが多いです。
市販薬は、どなたが飲んでも副作用が出にくいよう、病院や薬局で処方されるものよりも成分量が少なめに設定されていることが一般的です。
また、市販薬では記事でお伝えしたような「あなたの症状に合わせた生薬を別で追加する(連翹や石膏の追加)」ができないため、「飲んでもいまいち変わらない…」と感じる方もいらっしゃいます。
しっかり治したい場合は、専門家にご相談されることをおすすめします。
まとめ:ジュクジュク化膿する肌には「十味敗毒湯」
- アトピー性皮膚炎でジュクジュクしている
- 化膿した赤ニキビが治らない
- ステロイドを使っても悪化してしまう
このような「化膿と菌感染」が絡む皮膚トラブルには、十味敗毒湯(散)が非常に頼りになります。
体の内側から「毒」を排出し、ご自身の肌が本来持っている再生力を取り戻しましょう。
「自分の肌質に十味敗毒湯は合っているのかな?」
「一番効果の出る組み合わせを知りたい」
そんな疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひ太陽堂にご相談ください。長引く肌トラブルから抜け出すための、あなただけの漢方治療をご提案いたします。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。















