
「感染症にかかってから、においが分からないまま、何ヶ月もたってしまった……」
「副鼻腔炎の鼻づまりは治ったはずなのに、好きなコーヒーの香りも、毎日の料理のにおいも分からない……」
「耳鼻科で出された点鼻薬やビタミン剤を続けているけれど、戻ってくる感じがしない。このままなのだろうか……」
新宿の漢方薬局「太陽堂」では、「においが分からない・戻らない」というご相談は、2ヶ月に1人ほどです。きっかけで一番多いのは、新型コロナなどの感染症のあとから続いている方で、5〜6割。次が、副鼻腔炎(蓄膿症)などの鼻の症状からの方で2〜3割、ほかの病気に伴う方が1割ほどです。
このページでは、においが戻りにくい理由、太陽堂が最初に見る「鼻の通り」と「潤い」、耳鼻科のお薬との付き合い方、3ヶ月単位の目安、実際の経過をご説明します。
※最初にお願い:においが分からなくなった方は、まず耳鼻咽喉科で診てもらってください。原因を確かめることが先です。このページは、耳鼻科で診てもらったうえで、「なかなか戻らない」という方に向けた考え方です。
(※嗅覚障害の説明や、鼻の病気との関係の表は、本体ページにまとめています。味が分からない方には、味覚のページもご用意しています。)
【この記事の結論:戻らない嗅覚に対する漢方の考え方】
- 最初に見るところ: 鼻の通りと、潤いに問題がないかを最初に見ます。そのうえで、胃腸の働き、ミネラルの補充、自律神経を整える漢方を組み合わせます。
- 漢方の解決策: 耳鼻科のお薬は続けながら、漢方で鼻の通りと潤い、身体の回復する力を整えます。変化は3ヶ月単位で見ていきます。「必ず戻ります」とお約束することはできません。
- 対象となる主なお悩み: 感染症のあとからにおいが分からない方、鼻炎や副鼻腔炎のあとからにおいが弱い方、耳鼻科のお薬を続けても変化を感じない方、食事の風味が分からない方
においが戻りにくい理由
においは、鼻の奥の天井にある「においを感じる場所」に、においの成分が届くことで感じます。ここから神経を通って、脳に伝わります。
においが分からなくなる理由は、大きく2つあります。
- においの成分が届かない: 副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻たけ(ポリープ)、鼻の粘膜の腫れなどで、通り道がふさがっている状態です。
- においを感じる神経が弱っている: 感染症のあとなどに、鼻は通っているのに、においが分からない状態です。
神経が関わっている場合は、時間がたつほど戻りにくくなると考えられています。「そのうち戻るだろう」と待ち続けるより、早めに整え始めることをおすすめしています。
耳鼻科のお薬との付き合い方・まず耳鼻科へ行ってほしいとき
耳鼻科で処方されるステロイドの点鼻薬、アレルギーのお薬、ビタミン剤、亜鉛のお薬などは、漢方と併用できます。病院のお薬を自己判断でやめる必要はありません。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
※まず耳鼻科へ:感染症(新型コロナ、インフルエンザなど)のあとから、においを感じづらい/鼻づまりの時間が長くなった/鼻の奥から嫌なにおいを感じるようになった——こうした場合は、漢方の相談より先に、耳鼻咽喉科を受診してください。急ににおいがしなくなった、片側だけの鼻づまりや鼻血が続く、頭を打ったあとからにおいがしない、という場合も同じです。
嗅覚障害の説明や、鼻の病気との関係は、本体ページをご覧ください。
漢方の考え方|まず「鼻の通り」と「潤い」を見る
太陽堂では、最初に、鼻の通りと潤いに問題がないかを見ます。鼻の奥が乾いていたり、通りが悪かったりすると、においの成分が届きにくくなるためです。そのうえで、身体の回復する力を支えるために、胃腸の働き、ミネラルの補充、自律神経を整える漢方を組み合わせていきます。
【比較表】見るところと漢方アプローチ
| 見るところ | 身体の様子 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| ①鼻の通り ※最初に見ます | 鼻づまりがある、黄色い鼻水が出る、鼻の奥に熱っぽさや重さがある。 | 【鼻の炎症を鎮め、通りを良くする漢方薬】 鼻の奥の炎症を鎮め、においの成分が届く通り道を整えます。 |
| ②潤い ※最初に見ます | 鼻の中や口が乾く、乾燥する季節に悪化する。 | 【潤いを補う漢方薬】 鼻の粘膜の潤いを補い、においを感じやすい状態を整えます。 |
| ③胃腸・ミネラル | 食欲が落ちた、食事がおいしくない、疲れやすい。 | 【胃腸の働きを助け、ミネラルを補う漢方薬】 食べたものから栄養をとる力を立て直し、回復を支えます。 |
| ④自律神経 | ストレスが続いている、気分が沈む、眠りが浅い。 | 【自律神経を整える漢方薬】 緊張をゆるめ、身体が回復しやすい状態を整えます。 |
(※ご自身でどれか分からなくても大丈夫です。「いつから」「きっかけ」「鼻づまりや鼻水の有無」「耳鼻科で言われていること」を伺いながら、こちらで整理します。)
副鼻腔炎が長引いている方は、副鼻腔炎の記事もご参照ください。
【薬剤師コラム①】においのご相談で、最初に確かめること
担当薬剤師:石川
においが分からないというご相談では、感染症のあとからの方が一番多く、次に、副鼻腔炎などの鼻の症状からの方が続きます。きっかけは違っても、店頭で最初に確かめることは同じです。
まず、鼻の通りと潤いに問題がないかを見て、漢方を選びます。そのうえで、胃腸の働き、ミネラルの補充、自律神経を整える漢方を組み合わせていきます。変化は、3ヶ月単位で一緒に見ていきましょう。
3ヶ月単位で何を目安に見るか・毎日の養生
太陽堂では、3ヶ月を一つの単位として、次の変化を一緒に確認します。
- においを感じる瞬間(一瞬でも、「ふと、コーヒーのにおいを感じた」というときが出てきたか)
- 鼻の通り・鼻水(鼻づまりの時間が短くなったか)
- 食事の風味・食欲(食事がおいしく感じられる日が増えたか)
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。においが戻ることを保証するものではありません。
養生|鼻を乾かさない・安全を守る
- 鼻を乾かさない: 部屋を加湿し、乾燥する季節やエアコンの効いた部屋では、マスクで鼻の中の潤いを保ってください。
- 毎日、身近なにおいを意識して嗅ぐ: コーヒー、石けん、レモンなどの果物、お茶など、身近なはっきりしたにおいを、1日に数回(朝と夕方など)、意識して嗅いでみてください。
- ガス漏れ・焦げ・食べ物の傷みに気をつける: においが分からない間は、ガス警報器や火災警報器を確かめ、食べ物は日付で管理してください。
- 食事を抜かない: 風味が分からないと食が細くなりがちです。温度や食感、彩りを工夫して、食事を続けてください。
- たばこを控える: 鼻の粘膜に負担がかかります。
【薬剤師コラム②】「食事がおいしくない」が続くと、身体も弱ります
担当薬剤師:林
においが分からないと、食事の風味も分からなくなります。食事がおいしくないと、食べる量が減り、胃腸の働きが落ちて、身体の回復する力も落ちていきます。気分が沈む方も少なくありません。
ですから、においのご相談でも、鼻だけでなく、胃腸の働きや自律神経も一緒に見ます。においだけを追いかけるのではなく、身体全体を整えていくことが大切だと考えています。
【改善実例】においを感じるようになっていったエピソード
【副鼻腔炎に伴う嗅覚の低下】50代 女性|1ヶ月でにおいを感じる時が出てきて、11ヶ月で服用終了
【ご相談時の状態】 10年ほど前から症状が気になり、病院で「副鼻腔炎」と診断された方です。最近になって症状が気になるとのことで、ご相談に来られました。嗅覚の低下、くしゃみ、鼻水があり、鼻たけ(鼻の中のポリープ)もありました。
【太陽堂の提案】 ①膿を除く煎じ薬 ②鼻の炎症を取る煎じ薬 の2種類を組み合わせてお渡ししました。
- 1ヶ月後: 鼻づまりがだいぶ楽になり、においを感じる時も出てきました。
- 4ヶ月後: 嗅覚が戻ってきて、調子の良い日が増えていました。
- 7ヶ月後: 鼻の調子は良く、嗅覚も戻り、くしゃみ・鼻水もなくなっていました。
- 11ヶ月後: 鼻の調子の良い状態が続き、嗅覚もあるとのことで、服用終了となりました。
※この記録は、副鼻腔炎に伴う嗅覚の低下の方の経過です。感染症のあとの嗅覚の低下について、経過を詳しくご紹介できる記録は、現時点ではまだありません。効果の感じ方や必要な期間には個人差があり、においが戻ることを保証するものではありません。
よくあるご質問(FAQ)
まだ病院に行っていません。先に漢方の相談をしても良いですか?
先に、耳鼻咽喉科で診てもらってください。原因を確かめることが先です。
診てもらったうえで、なかなか戻らないという方のご相談をお受けしています。
耳鼻科のお薬と一緒に漢方を飲んでも大丈夫ですか?
はい、多くの場合、併用していただけます。病院のお薬を自己判断でやめる必要はありません。
お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
漢方を飲めば、においは戻りますか?
「必ず戻ります」とお約束することはできません。鼻の通りと潤いを整え、身体の回復する力を支えながら、3ヶ月単位で変化を見ていきます。
時間がたつほど戻りにくくなると考えられているため、早めのご相談をおすすめしています(※個人差があります)。
味も分かりにくいのですが、同じ考え方ですか?
においが分からないと、鼻に抜ける「風味」が分からず、味がしないと感じることがよくあります。甘み・塩味などの味そのものが分からない方は、味覚のページもあわせてご覧ください。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|待ち続けるより、鼻の通りと潤いから整える
「そのうち戻ると思っていたのに、もう何ヶ月もたってしまった」
- においが分からなくなったら、まず耳鼻咽喉科へ。感染症のあとから続く、鼻づまりの時間が長くなった、鼻の奥から嫌なにおいがする、という場合も受診してください。
- 太陽堂では、最初に鼻の通りと潤いを見ます。そのうえで、胃腸・ミネラル・自律神経を整える漢方を組み合わせ、3ヶ月単位で見ていきます。
- 鼻を乾かさない、身近なにおいを意識して嗅ぐ、ガスや食べ物の傷みに気をつける。「必ず戻る」とはお約束できませんが、早めに整え始めることをおすすめしています。
「待つしかない」と、においのない毎日を我慢し続けないでください。
いつから、どんなきっかけで、鼻づまりや鼻水の有無、耳鼻科で言われていることを丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
においの低下は、鼻の病気や、感染症のあとの不調と重なっていることがあります。ご自身の症状に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。















