
「ベッドに入っても眠れない…」その夜の悩み、心と体のサインかもしれません
こんにちは。漢方薬局 太陽堂です。
「ベッドに入っても色々な考えが浮かんで、なかなか寝つけない」
「夜中に何度も目が覚めてしまい、時計を見ては焦ってしまう」
「朝起きても頭がスッキリせず、日中ずっと体がだるい」
太陽堂には、近年このような「眠りの質のゆらぎ」に関するご相談が非常に多く寄せられます。仕事のプレッシャーや家事、日々のストレスなど、現代人は常に神経を使い続けています。「眠りたいのに眠れない」「できればお薬に頼りきらずに、自然な眠りのリズムを取り戻したい」と悩む方は後を絶ちません。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、睡眠のトラブルは単なる“眠れない”という現象だけではなく、「自律神経の乱れ」や「心身のバランスが崩れている」ことを知らせる、体からの重要なSOSサインであると考えます。
今回は、病院のお薬と漢方のアプローチの違いや、「なぜ眠れないのか」という原因に合わせた代表的な漢方薬5選とその使い分けについて、薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が解説する「眠りのゆらぎ」への漢方サポート】
- 漢方薬の主な働き: 眠りを強制的にコントロールするのではなく、自律神経の高ぶり(熱)を優しく鎮めたり、不足したエネルギーを補ったりすることで、自然な眠りにつける心身のバランスを整えます。
- 適した体質・サイン: ストレスで考え事が止まらない入眠障害、夜中に何度も目が覚める中途覚醒、夢が多くて眠りが浅いといったサインを持つ方に向いています。
- 太陽堂でのサポート: 「とりあえずこの漢方」と一つに決めるのではなく、太陽堂ではお一人おひとりの体質や日々の生活習慣、ストレスの状況に合わせて生薬のバランスを細かく調整し、根本的な体質からの見直しをサポートします。
【コラム】薬剤師 林の視点「心療内科・内科のお薬(睡眠導入剤)と漢方のアプローチの違い」
「『眠れない』と内科や心療内科を受診すると、脳の神経の働きを直接抑え込む『ベンゾジアゼピン系(マイスリーなど)』や『オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラなど)』といった睡眠薬・睡眠導入剤が処方されることが一般的です。これらのお薬は、今すぐ眠りにつきたいという辛い夜をスピーディに助けるために非常に優れており、不可欠なものです。
しかし、『なぜこれほどまでに脳が興奮し、自力でリラックスできないのか』という根本に目を向けると、体質的な『気の巡りの滞り』や『心の栄養不足』が背景にあることが多々あります。
病院のお薬で辛い夜をしっかりカバーしつつ、漢方で『内側から高ぶりを鎮め、自らの力で自然な眠りにつける土台』を育てていく併用スタイルは、将来的に睡眠薬を減らしていきたい方に大変おすすめです。」
漢方は「なぜ眠れないのか」を見極める
東洋医学では、「不眠症」という一つの病名でくくるのではなく、「なぜ眠れなくなっているのか(原因と体質)」を最も重視します。そのため、太陽堂ではご相談の際に、以下のような情報をお客様から丁寧にお伺いしています。
- 眠れないパターン:
- 入眠障害(寝つきが悪く、2〜3時間かかる)
- 中途覚醒(寝つけるが途中で目が覚め、再び眠れない)
- 早朝覚醒(朝早く目が覚め、そのまま眠れない)
- その他のサイン:
- 夢をよく見るか、見ないか
- 動悸や、ふわふわするめまいがあるかどうか
- いつから眠れなくなったのか
- 眠れない日の共通点(ストレス・季節・食事など)
これらをひも解くことで、同じ「眠れない」というお悩みでも、使うべき漢方薬は全く異なるものになります。
【比較表】眠れない方に使いたい漢方薬5選・使い分け早見表
ここでは、不眠のご相談で代表的に使われる処方を5つご紹介します。(※太陽堂ではお一人おひとりに合わせたオーダーメイド調合を推奨していますので、あくまで一般的に知られている中での目安としてご理解ください。)
| 漢方薬名 | 眠りの特徴と、適した体質・サイン |
| ① 桂枝加竜骨牡蠣湯 (けいしかりゅうこつぼれいとう) | 繊細で刺激に敏感、ドキドキしやすい方へ 夢が多い・些細な物音でハッと目が覚めてしまう |
| ② 苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう) | めまい・ふわふわ感、水はけが悪い方へ 頭がスッキリせず、神経がたかぶって眠りが浅い |
| ③ 抑肝散 (よくかんさん) | イライラ・筋肉の緊張が強い方へ 歯ぎしり・食いしばりがある、怒りっぽくなっている |
| ④ 四逆散 (しぎゃくさん) | 緊張が抜けない・手足が冷たい方へ 布団に入っても仕事の考え事が止まらず、寝つけない |
| ⑤ 逍遙散 (しょうようさん) | ストレスで気分にムラが出やすい方へ 眠れる日と眠れない日の波(ムラ)が激しい |
表の5つの漢方薬は、それぞれくわしい解説記事があります。気になるものからご覧ください。
【コラム】薬剤師 前原の視点「漢方は“質の高さ”と“加減”が命です」
「眠れないときに大切なのは、『どの名前の薬が効くか』よりも『なぜ眠れなくなったのか(自分の体質)』を見極めることです。
そして、市販の漢方薬を試して『効かなかった』というお声もよく聞きますが、実は同じ名前の処方でも、生薬の『質』や『加味(その方に合わせて別の生薬を追加すること)』によって、働きは大きく変わります。
特に睡眠のお悩みは、胃腸の強さやストレス状況が複雑に絡み合っています。太陽堂では、上の5つの処方をベースにしながらも、お一人おひとりの生活リズムを見ながら、パズルのピースを合わせるように細かく中身を調整していきます。これが、オーダーメイドの強みです。」
睡眠の質を高めるための「セルフケア・食養生」
漢方薬で体の内側からリズムを整えるとともに、ご自宅でのちょっとした工夫(養生)が、眠りの質をさらに高めてくれます。
- 光のコントロール:寝る1時間前からは、スマートフォンやパソコンの強いブルーライトを避け、部屋の照明を少し落としてみましょう。脳の興奮(熱)を鎮める大切な準備です。
- 香辛料やカフェインを控える:夕方以降のコーヒーや濃いお茶はもちろんですが、激辛料理や味の濃いスナック菓子も要注意です。東洋医学では、これらは体に「余分な熱(興奮)」を生み出し、眠りを妨げる原因になると考えます。
- 頭を冷やし、足を温める:考え事が止まらない方は、頭に血が上っている状態(頭熱足寒)です。寝る前に足湯をしたり、首の後ろを温めたりして、全身に巡りを下ろしてあげましょう。
実際の改善実例(太陽堂でのサポートエピソード)
※感じ方や必要な期間には個人差があります。
【ご相談例①】寝つきの悪さ(入眠障害)/昭和22年生・女性
2年ほど前からストレスをきっかけに眠れなくなり、「寝つきの悪さ」が一番気になって睡眠導入剤を手放せない状態でした。
- 漢方の種類: 桂枝加竜骨牡蠣湯をベースに、他の生薬を調整して調合。
- 経過(1年8ヶ月後): 眠り・ドキドキともに調子が良いとのことで、無事に服用を終了。自然な眠りを取り戻し、順調に回復されました。
【ご相談例②】途中で目が覚める(中途覚醒)/昭和32年生・女性
何年か前から眠れないことに悩み、一度目が覚めると朝まで眠れなくなってしまう状態でした。
- 漢方の種類: 四逆散をベースに、他の生薬を調整して調合。
- 経過(5ヶ月後): 漢方服用開始から5ヶ月、眠りも改善して調子が良い為、服用を終了。体調も良く順調に改善が見られました。
【ご相談例③】寝つきの悪さ+中途覚醒/70代・女性
眠りに入るまで2〜3時間かかり、さらに途中で何度も目が覚めるため、熟睡感が全くないというご相談でした。
- 漢方の種類: 「ストレスを緩和する漢方薬」と「自律神経を調節する漢方薬」の2種類を組み合わせて調合。
- 経過(3ヶ月後): 服用開始から3ヶ月で、寝つきも良くなり途中で起きなくなりました。熟睡感も得られるようになり、早期に良くなった実例です。
不眠の漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
病院でもらった睡眠薬・導入剤と一緒に飲めますか?
はい、併用できるケースは多くありますが、お薬同士の飲み合わせの確認は必ず必要です。また「漢方を始めたから睡眠薬を減らしたい」という場合も、自己判断で急に睡眠薬をやめると反動(離脱症状)でかえって眠れなくなることがあります。処方元の先生や私たち薬剤師と相談しながら、並行して使い、少しずつ慎重に進めることが大切です。
ドラッグストアで売っている漢方薬と何が違いますか?
パッケージに同じ名前が書いてあっても、生薬の質・成分の量・そして「組み合わせ(加減)」ができるかどうかが大きく異なります。何より大切なのは「自分の眠れない原因に合った処方を選ぶこと」です。市販薬を試して変化がない方は、お薬が悪いのではなく「選び方やパワーが足りていない」可能性が高いため、一度体質からの見直しをおすすめします。
漢方は、どのくらいで効果を感じられますか?
個人差がありますが、実例③の方のように早い方では1〜3ヶ月で「寝つきが良くなった」「朝の目覚めが違う」と変化を感じられます。長年睡眠薬を手放せなかった方や、慢性的な不眠の方は、自律神経の土台が整うまで数ヶ月〜半年以上お時間をいただくこともあります。焦らずじっくりと取り組むことが大切です。
まとめ:眠れない夜は「休みたい」という心からのサイン
「眠れない方に使いたい漢方薬5選とその使い分け」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 不眠は「なぜ眠れないのか(原因と体質)」を見極めることが一番大切
- 桂枝加竜骨牡蠣湯や抑肝散など、サインに合わせて漢方薬を使い分ける
- 漢方は眠りを強制するのではなく、眠れる体のリズムと自律神経を整える
眠れない夜は、あなたの体と心が「少し休みたい、リラックスしたい」と出しているSOSサインです。「眠れない夜が毎日続くのが怖い」「いつかはお薬に頼らず自然に眠りたい」という方は、一人で抱え込まずに、ぜひお気軽に太陽堂へご相談ください。
あわせて読みたい関連ページ
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。












