
「夜中に何度も目が覚めてしまい、朝から体が重い」
「エアコンをつけているのに、なんだか暑苦しくて寝付けない…」
熱帯夜が続く夏場は、1年の中でも特に「休息の質」が低下しやすい季節です。寝苦しさを単なる気温のせいだと諦めていると、日中のパフォーマンス低下や、長引く夏バテ(ぐったり感)に繋がってしまいます。
今回は、夏の夜にしっかりと体を休めるための「深部体温」のコントロールやGABAなどの活用法、そして高ぶった神経を内側からクールダウンする漢方の養生法を薬剤師が解説します。
【薬剤師 林の視点】夏の寝苦しさのメカニズムと、西洋医学・漢方のアプローチ
こんにちは、薬剤師の林です。
夏の夜にしっかりと休息をとるためには、体の内側の温度である「深部体温」をスムーズに下げる必要があります。
西洋医学の視点:深部体温のコントロールとリラックス成分
人は眠りにつく際、手足から熱を逃がして「深部体温」を下げることで、深い休息モードに入ります。しかし、夏場は室温や湿度が高いため、この熱がうまく逃げず、寝付きが悪くなってしまうのです。
西洋医学的な視点では、エアコンを適切に使用して室温・湿度をコントロールすることが第一の対策となります。また、夜のリラックスタイムをサポートするために、市販のGABA(ギャバ)などを配合したサプリメントやチョコレートを取り入れ、昂ぶった神経を穏やかにするのも、健やかなリズムを保つ一つの有効な手段です。
漢方の視点:熱が頭にこもり、神経が高ぶる「心火(しんか)」
漢方では、夏の暑さによって体内に過剰な熱がこもった状態に注目します。熱は上へ上へと昇る性質があるため、頭や胸に熱がこもって自律神経(心)を過剰に興奮させてしまいます。この状態を「心火(しんか)」と呼びます。
心火が強くなると、体は疲れているのに頭だけが冴えてしまったり、夢を多く見て熟睡感が得られなくなったりします。
漢方では、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)などの考え方を用いて、「胸から上にこもった余分な熱を優しく冷まし、高ぶった神経を落ち着かせる」というアプローチで、穏やかな休息の時間をサポートします。
【薬剤師 椙田の視点】夏の夜を穏やかにする「苦味(さんみ)」の食事と入浴法
薬剤師の椙田です。
夏の夜のコンディションを整えるためには、日々の食事と、寝る前のちょっとした習慣の積み重ねが非常に大切です。
「苦味」の食材で体の熱を逃がす
漢方において、心火(過剰な熱)を鎮めるのに役立つとされるのが「苦味(くみ)」を持つ食材です。ゴーヤ(にがうり)や緑茶などは、体にこもった余分な熱を冷まし、巡りをスッキリさせる働きがあると考えられています。
また、トマトやキュウリなどの夏野菜も熱を逃がすサポートをしてくれるため、夕食のメニューに上手く取り入れるのがおすすめです。ただし、冷たいものの摂りすぎは胃腸の負担になるため、常温や温かい調理法でいただきましょう。

「ぬるめのお風呂」で深部体温をコントロール
暑いからといってシャワーだけで済ませてしまうと、深部体温がうまく下がりません。就寝の1〜2時間前に、38℃〜40℃の「ぬるめのお湯」に10〜15分ほどゆっくり浸かるのが理想的です。
一度お風呂で深部体温を少し上げることで、お風呂上がりに体温が下がる落差が生まれ、自然でスムーズな休息モードへの切り替えをサポートしてくれます。
【比較表】夏の健やかな休息を守る!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(熱を逃がし、リラックス) | × 要注意(熱をこもらせ、神経を昂ぶらせる) |
| 環境 | エアコンを27〜28℃・除湿に設定する (朝まで適温を保ち、途中で目が覚めるのを防ぐ) | エアコンを切って寝る、風を直接体に当てる (寝苦しさの原因や、過度な冷え・だるさの引き金に) |
| 習慣 | 寝る1〜2時間前にぬるめのお風呂に浸かる (深部体温の落差を作り、スムーズなリズムへ導く) | 寝る直前までスマホやパソコンの強い光を見る (脳が興奮して「心火」が強まり、休息の質が低下) |
| 飲食 | 夕食にゴーヤやトマトなどの夏野菜を取り入れる (体にこもった熱を優しく冷ますサポート) | 寝る直前のアルコールや、冷たい水のがぶ飲み (一時的に寝付けても、夜中の覚醒や胃腸の負担に) |
夏の休息・寝苦しさに関するよくある質問(FAQ)
市販のリラックスサプリ(GABAなど)と漢方薬は一緒に飲んでも良いですか?
基本的には併用可能です。
GABAなどのサプリメントは、一時的なリラックスや穏やかな時間をサポートする食品として役立ちます。
一方で漢方薬は、熱のこもりやすいバランス(心火)そのものを内側から整えていく役割を持ちます。両者を組み合わせることで、より健やかなコンディション維持が期待できます。
夜中に喉が渇いて目が覚めてしまいます。どうすれば良いですか?
枕元に「常温の水」を用意しておきましょう。
寝ている間にもコップ1杯程度の汗をかくため、水分不足で目が覚めてしまうことがあります。
冷たい水は胃腸を驚かせて完全に目を覚まさせてしまうため、常温の水や麦茶を一口、二口ゆっくりと含むようにして潤いを補ってください。
エアコンは朝までつけっぱなしでも大丈夫ですか?
設定温度と風向きに気をつければ、つけっぱなしをおすすめします。
途中でタイマーが切れると、室温が急上昇して寝苦しさで目が覚めてしまいます。
27℃〜28℃の少し高めの温度設定にし、風が直接体に当たらないように工夫して、朝まで快適な環境を保つことが質の高い休息に繋がります。
まとめ:高ぶった熱を優しく鎮め、朝まで穏やかなリズムを
「寝ても疲れが取れない」「夜中に何度も起きてしまう」
夏の夜のそんなお悩みは、体の中にこもった過剰な熱(心火)が原因かもしれません。エアコンやGABAなどの外側からのケアに加えて、漢方の視点を取り入れて内側の「熱のバランス」を整えることで、厳しい暑さの中でも健やかな朝を迎えられるようになります。
「色々試してもコンディションが整わない」「自分に合ったリズムの作り方を知りたい」という方は、ぜひ太陽堂までお気軽にご相談ください。お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない養生法をご提案いたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
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記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















