
「雨が降る前になると、頭が重くなる」
「お酒を飲んだ翌日、顔がむくんでいる」
「乗り物に乗ると、気分が悪くなりやすい」
こうした場面で名前が挙がることの多い漢方薬が、「五苓散(ごれいさん)」です。
このページでは、五苓散がどのような働きを持つ漢方薬なのか、どんな体質の方に向くと考えられているのかを、新宿の漢方薬局・太陽堂の薬剤師がご説明します。
※すでに五苓散を飲んでいて「このまま続けて大丈夫かな」と気になっている方は、五苓散は飲み続けても大丈夫?副作用と合わない人をご覧ください。
【太陽堂が解説する「五苓散」の特徴とサポート】
■ 漢方薬の主な働き
五苓散は、体の中で偏ってしまった「水」の分布を整えることを得意とする漢方薬です。滞って余っているところから水分を動かし、足りないところへ巡らせることで、体全体の水のバランスをならしていきます。水を一方的に外へ出すのではなく、「配りなおす」という発想をとるのが特徴です。
■ 適した体質・サイン
- のどが渇いて水を飲むのに、尿の量が少ない
- 雨の前や台風が近づくと、頭が重だるくなる
- 朝、顔やまぶたがむくんでいることがある
- お腹を軽くたたくと、チャポチャポと音がする感じがある
- 乗り物に乗ると気持ちが悪くなりやすい
■ 太陽堂での活かし方
太陽堂では、五苓散をそのままお飲みいただくのではなく、これを基本の形としながら、お一人おひとりの体質・季節・生活習慣に合わせて生薬を細かく調整したオーダーメイドの煎じ薬をご提案しています。
五苓散(ごれいさん)とは?「水」を配りなおす漢方薬
五苓散は、漢方の世界で「水」をあつかう代表的な漢方薬のひとつです。
ここで多くの方が誤解されるのが、「水分を体の外に出す薬」だと思われてしまう点です。西洋医学の利尿薬は、たしかにその発想でつくられています。
けれど漢方の考え方は少し違います。五苓散が目指すのは、「量を減らすこと」ではなく「配置をととのえること」です。余っているところから動かし、足りないところへ届ける。だからこそ、むくんでいるのに口が渇く、という一見矛盾したご相談にも向き合えます。
漢方でいう「水滞(すいたい)」とは
漢方では、体の水分の巡りが滞り、一部にかたよってしまった状態を「水滞(すいたい)」「水毒(すいどく)」と呼びます。
水がかたよる場所によって、感じるサインは変わります。
| かたよる場所 | 感じやすいサイン |
|---|---|
| 頭・顔 | 頭が重だるい、まぶたや顔がむくむ |
| お腹 | お腹がチャポチャポする感じ、便がゆるくなりやすい |
| 手足 | 夕方になると靴がきつい、指輪がきつい |
| 口・のど | 水を飲んでも渇きが取れにくい |
体に水はあるのに、必要な場所に届いていない。これが水滞の考え方です。
五苓散はどんな場面で名前が挙がる?
「水のかたより」が関わると考えられる場面では、幅広く名前が挙がる漢方薬です。ご自身に当てはまるものがあるか、確認してみてください。
| 気になる場面 | 漢方から見た考え方 |
|---|---|
| 天気が崩れる前の不調 | 気圧の変化で乱れやすい体の水分バランスを整える方向でサポートします |
| お酒を飲んだ翌日 | のどの渇きとむくみが同時に起きている、水のかたよりとしてとらえます |
| 顔や手足のむくみ | 滞っている水分を巡らせる方向でサポートします |
| お腹の水っぽい不調 | お腹に水が停滞している状態としてとらえます |
| 乗り物での気分の悪さ | 平衡感覚に関わる部分の水の巡りを整える方向で考えます |
ただし、当てはまる項目が多いほど五苓散が向く、というわけではありません。大切なのは「体に動かすべき余分な水があるかどうか」です。ここを見誤ると、方向がかみ合いません。
五苓散に入っている5つの生薬
五苓散という名前の「五」は、5つの生薬から成り立っていることに由来します。
| 生薬名 | 漢方から見た役割 |
|---|---|
| 沢瀉(たくしゃ) | 滞った水を動かす、中心的な役割 |
| 猪苓(ちょれい) | 水の通り道を整える |
| 茯苓(ぶくりょう) | 胃腸をいたわりながら、水をさばく |
| 白朮(びゃくじゅつ) | 胃腸の働きを支え、水を運ぶ力を助ける |
| 桂皮(けいひ) | 体をあたためて、巡りの流れをつくる |
注目していただきたいのは、5つのうち2つ(茯苓・白朮)が胃腸に関わる生薬だという点です。
漢方では、水を運ぶ力は胃腸が担うと考えます。ただ水を動かすのではなく、運ぶ側の力も一緒に支える。この組み立てが、五苓散が長く使われてきた理由のひとつです。
似ている漢方薬との違い
「水」に関わる漢方薬は、五苓散だけではありません。似ているようで、向く体質が違います。
| 漢方薬 | 向くと考えられるサイン | 特徴 |
|---|---|---|
| 五苓散 | のどが渇くのに尿が少ない/天気で頭が重い | 水を「配りなおす」 |
| 真武湯(しんぶとう) | 冷えが強い/フワフワするめまい/胃腸が弱い | あたためながら水を動かす |
| 猪苓湯(ちょれいとう) | 排尿時の違和感/残尿感 | 下半身の水と熱をさばく |
同じ「むくみ」でも、冷えを伴うかどうかで選ぶ漢方薬は変わります。市販の五苓散を試して手ごたえが感じられなかった方は、そもそも向く処方が違っていた、というケースが少なくありません。
【薬剤師コラム】「五苓散が合わなかった」という方に多いこと
担当薬剤師:薬局長 林(調剤薬局での勤務経験あり)
担当薬剤師:前原 (調剤薬局での勤務経験あり)
薬局で「五苓散を試したけれど、いまひとつでした」というお話をよく伺います。その背景には、たいてい次のどれかがあります。
ひとつ目は、そもそも動かすべき水が少なかった場合。むくみのように見えても、実際には体力が落ちていたり、血の巡りの問題だったりすることがあります。五苓散は水のかたよりに向く処方ですので、原因が別のところにあると、方向がかみ合いません。
ふたつ目は、胃腸の力が落ちていた場合。先ほど触れたとおり、水を運ぶのは胃腸の役目です。運ぶ力そのものが弱っているときは、まず胃腸を立て直すところから組み立てたほうが早いことがあります。
三つ目は、生薬の質です。同じ「五苓散」という名前でも、使われている生薬の質は同じではありません。太陽堂では、有効成分の含有量が高く、安全性の確認できた生薬を厳選しています。体に余計な負担をかけないためにも、ここは譲れない部分だと考えています。
「効かなかった」で終わらせず、なぜかみ合わなかったのかを一緒に見ていく。太陽堂が初回のご相談に1時間から1時間半という時間をいただいているのは、そのためです。
五苓散についてよくある質問
五苓散はどんな体質の人に向きますか?
のどが渇くのに尿の量が少ない、天気が崩れる前に頭が重だるくなる、むくみやすい、といったサインを感じやすい方に向くと考えられています。
反対に、口も渇かず尿もしっかり出ている方には向きにくいとされています。
五苓散と利尿薬は何が違いますか?
西洋医学の利尿薬は、体の水分を外へ出す働きを目的としたお薬です。
一方、漢方の五苓散は「水の配置を整える」という考え方に立っています。目指している方向が異なります。
市販の五苓散と、太陽堂の煎じ薬は何が違いますか?
市販品は、多くの方に当てはまるよう標準的な配合になっています。
太陽堂では、お一人おひとりの体質に合わせて生薬の種類や量を調整し、煎じ薬としてお作りしています。
五苓散は子どもや高齢の方でも使えますか?
年齢によって一律に決まるものではなく、その方の体質によります。
自己判断は避け、薬剤師にご相談ください。
どのくらいの期間で見ていけばよいですか?
感じ方には個人差があります。体質そのものを整えていく場合は、数か月単位でお考えいただくことが多いです。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
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お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
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お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。












