
【太陽堂が解説する「釣藤散(ちょうとうさん)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 釣藤散は、頭や上半身に昇ってこもってしまった余分な「熱」を優しく冷まし、滞った「気」や「水」の巡りをスムーズに整えて、首や肩の緊張を解きほぐす働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 朝方に頭が重だるくなりやすい、首すじや肩がパンパンに張る、顔がのぼせやすい、フワフワとした違和感や耳の不快感があるといったサインを感じやすい、中年以降の体質の方に向いています。
- 太陽堂での活かし方: 太陽堂では、この釣藤散を基本としつつ、お一人おひとりの現在の体質や生活習慣、胃腸の働きに合わせて生薬を細かく調整し、体が本来持つ力を引き出すオーダーメイドのサポートを行っています。
朝からスッキリしない頭の重だるさ。その原因は「上にこもった熱」かも?
「朝スッキリ起きられず、午前中は頭がどんよりと重だるい」
「首すじから肩にかけて、いつもパンパンに張っている感じがする」
「年齢とともに、顔ののぼせや、フワフワとした違和感が気になり始めた」
太陽堂には、このような「頭の重さ」や「上半身の緊張感」に関するご相談が数多く寄せられます。とくに中年期以降になると、体のバランスが少しずつ変化し、血圧のゆらぎや自律神経の乱れから、こうしたサインを感じやすくなる方が増えてきます。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、こうしたお悩みの根本には、加齢やストレスによって体に余分な「熱」が生まれ、それが風船のように上半身や頭へ昇って滞っている状態が隠れていると考えます。
今回は、頭に昇った余分な熱を優しく冷まし、ガチガチに緊張した巡りをスムーズに整える漢方薬「釣藤散(ちょうとうさん)」について詳しく解説いたします。ご自身の体からのサインに当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
【コラム】薬剤師 林の視点「病院のお薬(血圧の薬・鎮痛薬)と漢方のアプローチの違い」
林:
「頭の重だるさや肩こり、のぼせで内科を受診し、血圧が高めであると指摘されると、『アムロジピン』や『ロサルタン』などの降圧薬(血圧を下げるお薬)が処方されたり、辛い時のために『ロキソプロフェン』などの鎮痛薬が出されたりすることが一般的です。これらのお薬は、血管を広げて数値をコントロールしたり、今ある辛い痛みをスピーディにブロックしたりするために非常に優れています。
しかし、『なぜ頭のほうばかりに圧がかかり、熱がこもってしまうのか』という根本の部分に目を向けると、体質的な『全身の巡りの悪さ』や『ストレスによる緊張状態』が背景にあることが多々あります。
お薬でしっかりとリスクを管理しながら、漢方で『熱を適度に冷まし、自らの力でスムーズに巡らせる土台』を育てていく併用スタイルは、将来のお薬の減量を見据えたい方や、繰り返す不調を根本から見直したい方に大変おすすめです。」
なぜ「朝」に頭が重だるくなるの?釣藤散が寄り添うメカニズム
釣藤散は、とくに「朝の起床時から午前中にかけて調子が悪い」という方に適しているのが大きな特徴です。
東洋医学では、夜は「体を静めて冷ます時間」、朝は「活動に向けて熱(エネルギー)を上に昇らせる時間」と考えます。
健康な状態であればこの切り替えがスムーズに行われますが、年齢やストレスによって体の潤いが減り、熱をコントロールする力が落ちていると、朝のスイッチが入った瞬間に「過剰な熱が頭へ一気に昇りすぎてしまう」のです。
これが、頭の重だるさ、顔の赤み(のぼせ)、フワフワ感、首すじから肩にかけての強い緊張感といったサインとなって現れます。
釣藤散は、この昇りすぎた熱を「スーッ」と穏やかに鎮め、全身にバランスよくエネルギーを配りなおすサポートをしてくれます。
【表】熱を冷まし、巡りを促し、胃腸を助ける11の生薬のチームワーク
釣藤散は、11種類もの生薬から構成される非常にバランスの取れた漢方薬です。熱を冷ますだけでなく、胃腸をいたわる生薬もしっかりと配合されているため、無理なく続けやすいのが特徴です。
| チームの役割 | 代表的な生薬 | どのような働きをするか |
| ① 上半身の熱を冷まし、緊張を緩める (平肝息風・清熱) | 釣藤鈎(チョウトウコウ)、菊花(キクカ)、石膏(セッコウ) | 頭や顔に昇った余分な熱を強力に冷まし、のぼせやフワフワ感、首肩のガチガチとした緊張感を優しく解きほぐします。 |
| ② 胃腸を助け、エネルギーを補う (健脾益気) | 人参(ニンジン)、麦門冬(バクモンドウ)、甘草(カンゾウ) | 胃腸の働きを助けて栄養を補い、熱を冷ます生薬によって胃が負担を受けないよう、しっかりと土台を支えます。 |
| ③ 滞った気と水を動かし、巡りを促す (理気化痰) | 半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、橘皮(キッピ)、生姜(ショウキョウ)、防風(ボウフウ) | 体内に滞っている余分な水分や「気」の巡りをスムーズに動かし、重だるさや不快感をスッキリと流すサポートをします。 |
【コラム】薬剤師 前原の視点「『抑肝散』や『七物降下湯』との違い・使い分け」
前原:
「頭の重だるさや、血圧が気になる年代の方のサポートとして、『抑肝散(よくかんさん)』や『七物降下湯(しちもつこうかとう)』もよく知られていますね。『どれが自分に合うのだろう?』と迷われる方も多いと思います。
見分けるポイントは、『イライラ(怒り)の強さ』と『体力の有無』です。
- 抑肝散: 頭の重だるさよりも、ストレスによる『強い怒り』『イライラして眠れない』『筋肉のピクつき』といった神経の高ぶりが前面に出ている方に向いています。
- 七物降下湯: のぼせや肩こりはありますが、体力が落ちていて『疲れやすい』『顔色が悪い』といった、栄養不足(虚弱)のサインが強い方に適しています。
- 釣藤散: 『朝の頭の重だるさ』が明確にあり、ある程度の体力はあるけれど、年齢とともに『首や肩の張り・のぼせ』を感じやすくなった方に適しています。太陽堂では、お客様の細かいサインをしっかりとお伺いし、一番適したバランスを見極めて調合を行っています。」
釣藤散に関するよくあるご質問(FAQ)
病院の血圧のお薬(降圧薬)と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。急な数値の上昇は西洋のお薬でしっかりとコントロールしつつ、漢方で「のぼせや肩こりが起きにくい巡りの土台」をケアしていくスタイルは非常によく見られます。安全のため、事前にお薬手帳をご用意の上、ご相談ください。
釣藤散を飲むと、胃がもたれることはありますか?
釣藤散には胃腸を助ける生薬(人参など)も含まれていますが、同時に「石膏(セッコウ)」という体を強力に冷ます重ための生薬も入っています。そのため、もともと胃腸がとても弱く、冷たいものを飲むとすぐ下痢をしてしまうような方が飲むと、胃もたれや食欲不振を感じることがあります。太陽堂では、お客様の胃腸の強さを事前にお伺いし、負担がかからないように生薬の量を細かく調整してお作りしています。
若い人や、朝以外に頭が重くなる人が飲んでも意味がありませんか?
「中年以降」「朝に調子が悪い」というのが釣藤散の典型的なサインですが、必ずしもそれに限定されるわけではありません。お仕事のストレスや緊張で「首や肩がパンパンに張り、熱が上にこもっている」という状態であれば、若い方や午後から不調を感じる方でも、しっかりとサポートしてくれるケースは多々あります。
まとめ:上半身の熱をスッキリ冷まし、軽やかな朝を迎えるために
「朝の頭の重だるさや、肩こり・のぼせをサポートする釣藤散」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 朝のスッキリしない重だるさやのぼせは、「頭に昇った余分な熱」が原因かも
- 釣藤散は、上半身の熱を冷まし、巡りを整えて緊張をほぐすのが得意
- 病院のお薬と併用しながら、自ら巡りを保てる「健やかな土台」を育てることが大切
「朝起きるのがいつも億劫だ」「肩こりや頭の重さがスッキリしない」というお悩みを「年齢のせいだから」と一人で抱え込まずに、ぜひ一度、太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体のサインを丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方で、内側からスーッと涼やかに、軽やかな毎日を過ごせる身体づくりのサポートをさせていただきます。
関連ページ(あわせて読みたい記事)
自律神経の乱れや、頭の重だるさ、めまいのサインについて、ホームページでも詳しくお話ししています。ぜひ参考にされてみてください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。











