
「肝臓の数値が高いと言われたけれど、肝臓に良い漢方薬って結局どれを飲めばいいの?」
「しじみ、ウコン、タウリン……ドラッグストアにはサプリメントがたくさんあるけれど、実際のところどれくらい効くの?」
「お酒をよく飲むから肝臓のケアをしておきたいけれど、選び方が全く分からない」
新宿の漢方薬局「太陽堂」の店頭でも、「肝臓に良い漢方薬を一つ教えてください」というご質問を本当によくいただきます。
今回は、このストレートなご質問に対する薬剤師としての「一番正直な答え」と、しじみやウコンなどのサプリメントに関するプロの率直な見解、そして患者さまの状態に合わせた「漢方薬の選び方の地図」について詳しく解説いたします。
【この記事の結論:「肝臓に良い漢方薬とサプリ」への正直な答え】
- 不調の正体(原因): 西洋医学ではアルコールや脂肪の蓄積による肝細胞の炎症・破壊とされますが、漢方では代謝機能の低下(脾虚)や、身体の中にくすぶる炎症の火種(湿熱)、血流の滞り(瘀血)が根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: 「誰にでも効く魔法の1本」は存在しません。脂肪肝なのか、数値が高いだけなのか、肝硬変まで進んでいるのかによって、肝臓の炎症を鎮める漢方薬と代謝・解毒を高める漢方薬を、体質に合わせてオーダーメイドで組み立てます。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 肝機能障害、AST・ALT・γ-GTPの高値、脂肪肝、肝硬変、胆石、サプリメント(ウコン等)の選び方で迷っている方
1. なぜ「肝臓に良い漢方薬」は1つに決められないのか?
東洋医学(漢方)には、「同病異治(どうびょういち)」という非常に大切な原則があります。これは、「同じ『肝臓が悪い』という病名であっても、その人の身体の中で今何が起きているかが違えば、使うべき漢方薬も全く違うものになる」という考え方です。
例えば、同じように肝臓の数値が高くても、以下のように狙いどころがまるで違ってきます。
- 脂肪肝の方: 溜め込んだ脂を処理するための「代謝・解毒の力を高める」組み立て。
- 肝硬変で腹水が出ている方: 弱った体力を支え、「水の巡りを整えて尿として出す」組み立て。
- 原因不明で数値だけが高い方: 肝臓の奥でくすぶる「炎症(熱)を穏やかに鎮める」組み立て。
ネットで「肝臓 漢方」と検索して出てきた有名な処方をなんとなく飲んでみても、「今のあなたの肝臓の状態」と「お薬の役割」が噛み合っていなければ、血液検査の数値は全く動きません。
だからこそ太陽堂では、「肝臓に良い漢方薬はどれ?」と聞かれたら、お答えする前に必ず「今、あなたの肝臓で何が起きていますか? 血液検査の数値はどうなっていますか?」から丁寧にお伺いするようにしているのです。
2. 【状態別の地図】あなたはどのタイプ?——詳しい記事への案内板
太陽堂では、患者さまの肝臓や胆のうの状態に合わせて、サポート内容を細かく分けて解説した専門記事をご用意しております。ご自身の現在の状態に一番近いものからお読みください。
| こんな方は(状態) | 漢方の狙いどころ | 詳しい記事へのご案内 |
| 脂肪肝と言われた 「痩せなさい」で終わった、お酒は飲まない | 肝臓の炎症を鎮め、脂を処理する代謝・解毒の力を根本から立て直す | 👉 脂肪肝と漢方の記事へ |
| 数値(AST・ALT等)だけが高い 原因不明・経過観察と言われた | 原因不明のくすぶる炎症(熱)を鎮め、「次の検査数値の改善」を第一の目標にする | 👉 肝機能の数値と漢方の記事へ |
| 肝硬変・腹水まで進んでいる 利尿剤でもお腹の張りが減らない | 水の巡りを強力に整え、体に必要な栄養(体力)を補って土台を支える | 👉 肝硬変の腹水と漢方の記事へ |
| 胆石・胆砂・胆泥がある 手術を迷っている、経過観察中 | 胆のうの炎症の熱を取り、石や泥を溶かし流しやすくする | 👉 胆石と漢方・お茶の記事へ |
| 健診のエコーで「胆泥」を指摘された 経過観察と言われたが不安 | 泥を流しながら、胆のうの炎症を取って泥を生まれなくする | 👉 胆泥と漢方の記事へ |
※「自分がどれに当てはまるか分からない」という方は、健康診断の結果用紙や腹部エコーの紙をお持ちのうえ、そのままご相談ください。専門の薬剤師が数値の読み方から一緒に整理いたします。
3. 【薬剤師コラム①】林先生の正直な話:お酒をよく飲む薬剤師の肝臓ケア
担当薬剤師:林 泰太郎(調剤薬局・漢方専門薬局での勤務経験あり)
店頭でよくいただくのが、「先生、お酒を飲む前に何か飲んでおくと肝臓に良いものはありますか?」というご質問です。
ここで正直に白状いたしますと、私自身、実はお酒を結構飲む方なのです。「医者の不養生」と言われてしまいそうですが、だからこそ、自分自身の肝臓のケアはプロとして真剣にやっています。
私の場合は、飲み会の前に「質の良いウコン」と「青汁」を一緒に飲むことが多いです。しかしそれ以上に大切なのは、「飲み会の有無にかかわらず、日常的に肝臓と膵臓のケアを地道に続けていること」です。一晩だけのその場しのぎの対策よりも、日頃の積み重ねの方がずっと肝臓に効くというのが、私自身の実感です。
ここで、皆様に大事な注意を一つお伝えします。
ウコンは太陽堂の漢方薬としても使用しますが、市販のウコンの中には、その方の体質や肝臓の状態(特にすでに炎症が強い場合)によっては、かえって肝臓に負担をかけ、数値を悪化させてしまうものがあるのです。
当店では、状態を見極めた上で質の良いウコンを選び、複数の種類を厳密に使い分けています。市販品を自己判断で大量に飲むことはお勧めしません。すでに肝臓の数値が高い方は、まず今の自分の状態を専門家に確認してもらってから始めるのが一番安全です。
4. しじみ・ウコン・サプリメントへの「正直な見解」
「本格的な漢方薬を飲む前に、まずは手軽なサプリメントで様子を見たい」という方も多いため、太陽堂の店頭でいつもお伝えしている「プロとしての正直な見解」をまとめました。
| よく聞かれるもの | 太陽堂の正直な見解 |
| しじみ(オルニチン) | 食品として日常的に取り入れる分には単純に良いものだと思います。ただ、すでに上がってしまった肝臓の数値を、これだけでしっかりと落とすほどの「医療的な力」までは期待しにくい、というのが正直なところです。 |
| ウコン | 漢方薬(生薬)としても非常に有効に使います。ただし、林先生のコラムの通り「質」と「使い分け」がすべてです。体質に合わないものを飲むとかえって数値が上がる危険があるため、太陽堂では数種類のウコンを状態に合わせて精密に使い分けています。 |
| サプリメント全般 | 「何ヶ月もサプリを飲んでいるのに、健診の数値が全然動かない」とお悩みなら、これ以上のサプリの足し算は無意味です。「体質に合わせたオーダーメイドの組み立て(漢方薬)」への切り替え時だとお考えください。 |
5. 【薬剤師コラム②】石川先生が解説:「病院の薬を飲んでいるのに数値が動かない」方へ
担当薬剤師:石川 満理奈(調剤薬局での勤務経験あり)
肝臓のご相談で、私たちが本当によくお聞きする切実なお悩みがあります。それは、「病院で処方されたウルソやグリチロン(肝臓を保護するお薬)を何年も長く飲んでいるのに、血液検査の数値がなかなか下がってくれない」というお声です。
西洋医学のこれらのお薬は、肝臓の細胞がこれ以上壊れないように守り、胆汁の流れを良くする、とても大切で素晴らしい役割を持っています。
しかし、お薬で細胞を守っていても、「そもそも、なぜあなたの肝臓にそれほどまでの負担がかかり続けているのか?」という『根本の体質の側』までは、お薬は変えてくれません。
- 胃腸が弱って脂の処理が全く追いついていないのか?
- 長年のお酒によって熱(炎症の火種)がこもっているのか?
- 胆汁の通り道が泥で塞がれかけているのか?
この「負担の原因」の側に手を打たなければ、お薬を飲んでいても数値は動きにくいのです。
太陽堂では、病院のお薬は「絶対にそのまま続けていただきながら」、体質の根本を漢方で整える「並行アプローチ」の形をとっています。お薬手帳と血液検査の結果をお持ちいただければ、飲み合わせの安全確認も含めて、あなたに最適な組み合わせをご提案いたします。
6. 【改善実例】太陽堂での体質改善エピソード
【慢性肝炎・飲酒あり】昭和51年生 男性|4ヶ月でγ-GTPが364から177へ半減
【ご相談時の状態】 15年ほど前から健康診断で肝機能の数値の悪化を指摘され続けてきた方です。ここ1〜2年で体重も10kgほど増えてしまい、直近の血液検査ではAST45・ALT84・γ-GTP364と高い状態でした。自覚症状は特にないとのことでご相談に来られました。
【太陽堂の提案】 長年の飲酒と体重増加による、肝臓内の強いくすぶり(湿熱)と代謝・解毒機能の低下と見立て、①肝臓の炎症の火種を鎮める漢方薬 ②体内の余分な脂と水分を排出して代謝を上げる漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 2ヶ月後: お酒を飲んだ翌日に感じていた体調不良の頻度が減ってきたとのこと。
- 4ヶ月後: 血液検査の結果、AST27・ALT63・γ-GTP177と数値が改善。γ-GTPは当初の半分以下になり、体調が良いと感じる日も増えてきたとのことでした。引き続き継続中です。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。他の症例は症例紹介(肝臓・胆のう疾患)にも掲載しています。
7. よくあるご質問(FAQ)
結局のところ、肝臓に一番良い漢方薬はどれですか?
繰り返しになりますが、正直にお答えすると「誰にでも効く万能の1本」はありません。
脂肪肝なのか、原因不明で数値だけ高いのか、肝硬変の腹水なのか、胆石があるのか——今の「肝臓の状態」によって、炎症を冷ますべきか、栄養を補うべきか、必要な漢方の組み立てが180度違うからです。「今、肝臓で何が起きているか」を検査結果から正確に整理することが、遠回りに見えて一番の近道です。
しじみやウコンのサプリメントだけで、数値は正常に下がりますか?
薬剤師として正直に申し上げると、サプリメントの力だけで異常な数値をしっかりと落とすのは難しいと考えています。
しじみは食品として優れていますが、数値を動かすほどの強い力は期待しにくいです。ウコンは品質と体質への「使い分け」がすべてであり、状態に合わないものを飲むとかえって肝臓を傷め、数値を上げる危険すらあります。すでに数値が基準値を超えている方は、自己判断での大量摂取は避け、体質に合わせた漢方薬をご相談ください。
病院の肝臓のお薬(ウルソなど)を飲んでいます。漢方薬も一緒に使えますか?
はい、基本的には安心して併用していただけます。病院のお薬は自己判断でやめず、必ず続けてください。
病院のお薬で肝臓の細胞をしっかりと保護しながら、「なぜ肝臓に負担がかかっているのか」という体質の根本を漢方で整えるのが太陽堂の最も得意とする形です。お薬手帳をご提示いただければ、飲み合わせをきちんと確認いたします。
どのくらいの期間で数値の変化を感じられますか?
お身体の状態によりますが、まずは「3ヶ月」を一区切りの目安としてお願いしております。
肝臓の最大の特徴は、血液検査で非常に客観的に状態を確認できることです。3ヶ月後の血液検査で数値が下がっている方向を一緒に確認し、そこから体質に合わせて漢方の組み立てを微調整していくのが、太陽堂の確実な進め方です。
8. まとめ:「良い漢方薬探し」より、「今の状態の整理」から始めよう
ネットで「肝臓に良い漢方薬」や「一番効くサプリメント」を探して情報の海をさまようよりも、はるかに大切なことがあります。
それは、「今、自分の肝臓で一体何が起きているのか(炎症なのか、脂の蓄積なのか、硬くなっているのか)」を、血液検査の結果から正しく整理することです。それこそが、数値を確実に動かすための唯一の出発点となります。
「サプリを飲んでも数値が下がらない」
「自分に本当に合っている漢方薬を知りたい」
そんなお悩みを抱えている方は、どうぞ一人で抱え込まずにお気軽に太陽堂へご相談ください。
直近の健康診断の結果用紙や腹部エコーの紙、お薬手帳をお持ちいただければ、専門の薬剤師が数値の読み方から一緒に整理し、あなたの体質にピタリと合う「最も正直なアプローチ」をご提案いたします。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
ご自身の状態に近いものを下の表から選んで、詳しいページをご覧ください。
| こんな方は | 病気・記事 | 詳しいページ |
| 肝臓・胆のうの疾患全般を知りたい | 肝臓・胆のう疾患(本体ページ) | 👉 肝臓・胆のう疾患のページへ |
| 脂肪肝と言われた | 脂肪肝 | 👉 脂肪肝でお悩みの方へ |
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| 胆石・胆砂・胆泥を指摘された | 胆石・胆砂・胆泥・胆のう炎 | 👉 胆石でお悩みの方へ |
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。











