
「目薬をさしても、すぐにまた乾いて目が痛くなる」
「目がゴロゴロ・ショボショボして、夕方には目を開けているのもつらい」
「1日に何回も目薬をさすのが当たり前になり、手放せなくなってしまった……」
ドライアイは、涙の量の不足や質の低下によって目の表面が乾き、乾燥感・異物感(ゴロゴロ感)・かすみ・強い目の痛み・疲れやすさなどが現れる状態です。
スマートフォンの普及やパソコンでのデスクワーク、エアコンによる空気の乾燥など、現代の生活環境において年々増え続けている身近で切実なお悩みです。
太陽堂では、「目薬をさしてもすぐ乾く」というご相談に対し、目の表面に一時的に水分を注ぎ足すだけでなく、「潤い(涙)を自ら作り出し、保持できる体そのものを整える」という東洋医学的な考え方でお手伝いをしています。
今回は、ドライアイの西洋医学的なメカニズムやお薬(点眼薬)の役割を解説するとともに、「身体の内側の水分不足」から根本的に整える漢方のアプローチについて、薬剤師の視点から詳しく解説いたします。
【この記事の結論:「ドライアイ」に対する漢方の考え方】
- 不調の正体(原因): 西洋医学では涙の量の不足や質の低下(油層・水層・ムチン層の崩れによる蒸発)とされますが、漢方では身体全体を潤す根本的な水分(陰液)の不足、および目を養う「血(けつ)」の消耗が原因と考えます。
- 漢方の解決策: 西洋医学の点眼薬で目の表面を保護しながら、漢方で「潤いを補う生薬」や「血を巡らせる生薬」を用いて身体の内側から涙の分泌・保持力を底上げし、自然と目薬の回数が減っていく状態を目指します。
- 対象となる主な疾患・お悩み: ドライアイ(乾性角結膜炎・涙液減少症)、目薬をさしてもすぐ乾く方、目の乾きに伴う痛み・かすみ・眼精疲労・自律神経の乱れでお悩みの方
ドライアイとは?涙の精巧な仕組みと西洋医学的な対応
私たちの目を守る「涙」は、単なる水ではありません。目の表面を滑らかに保ち、乾燥や感染から守るために、主に3つの層(油層・水層・ムチン層)が絶妙なバランスで重なり合ってバリアを形成しています。
- 油層(一番外側): まぶたの縁にある「マイボーム腺」から分泌され、涙の蒸発を防ぐアブラの膜。
- 水層(中間): 涙腺から分泌され、水分や栄養分を角膜に届ける層。
- ムチン層(一番内側): 角膜の表面に涙をピッタリと定着させる粘液の層。
ドライアイは、単に涙の「量」が減る場合(涙液減少型)だけでなく、このバランスが崩れて涙がすぐに乾いてしまう場合(蒸発亢進型)でも引き起こされます。
ドライアイを引き起こす主な原因
- パソコンやスマホの長時間使用: 画面に集中すると、まばたきの回数が通常の3分の1以下に減少します。
- エアコン・乾燥した空気: 湿度の低下が涙の蒸発を促進します。
- 加齢変化: 年齢とともに涙腺の分泌機能やマイボーム腺の働きが低下します。
- コンタクトレンズの装用: 涙の層を分断し、乾燥や摩擦を引き起こしやすくなります。
- 更年期やストレス: 自律神経の乱れやホルモンバランスの変化が涙の分泌量を減らします。
病院(眼科)で行われる主な検査と処方薬
眼科では、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)検査のほか、BUT(涙液層破壊時間)検査で涙が乾くまでの時間を測ったり、シュルマーテストで涙の分泌量を調べます。
病院で処方される代表的な治療薬は以下の通りです。
- 人工涙液・ヒアルロン酸点眼薬(ヒアレインなど): 不足した水分を補い、目の表面のキズを修復・保護します。
- 水分・ムチン分泌促進点眼薬(ジクアス/ジクアホソルなど): 目の表面の細胞に作用し、涙の成分(水やムチン)の分泌を直接促します。
- ムチン産生促進点眼薬(ムコスタ/レバミピドなど): 粘膜のムチンを増やし、涙の膜を安定させます。
- 涙点プラグ挿入術: 涙が鼻へ抜け出ていく出口(涙点)にコラーゲンやシリコンの栓をして、涙を目の中に溜める物理的な治療です。
これらのお薬は、目の表面の摩擦を減らしキズを守るための極めて大切な処置です。その上で、「何年も点眼を続けているのにさした瞬間しか潤わない」という場合は、「足す」だけでなく「自ら潤いを生み出してキープする身体の土台」を整えることが必要になります。
【薬剤師コラム①】「すぐ乾く」のは、身体の潤いが不足しているサインです
担当薬剤師:前原
「1日に何回も目薬をさしているのに、さした数分後にはまた乾いてショボショボしてくるんです」——店頭でドライアイのご相談をお受けする際、最もよく伺うのがこのお声です。
太陽堂ではこの状態を、「目だけの問題」として見るのではなく、「身体全体の潤い(陰液:いんえき)が底をついているサイン」として捉えます。
畑に例えるなら、目薬はカラカラに乾いた土の表面に撒く「打ち水」のようなものです。土の深部までカラカラに乾き切っていれば、表面にいくら水を撒いても、一瞬で乾いて蒸発してしまいますよね。
だからこそ私たちは、身体の内側から水分(陰液)を蓄える力を高める漢方薬をご提案しています。目の乾きと同時に、「お肌のかさつき」「喉の渇き」「夜間の手足のほてり」「ドライマウス」などを感じている方は、まさに身体全体の潤い不足(陰虚)が起きているサインです。
体質が整うにつれて、「そういえば、今日は一度も目薬を探さなかった」という変化が自然と現れてきますよ。
【比較表】西洋医学(点眼薬)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
ドライアイへの向き合い方において、眼科での点眼治療と東洋医学(漢方)での体質ケアには、以下のような補完的な役割の違いがあります。
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 目の表面への水分・ムチン補給、涙の蒸発防止、キズの修復 | 潤い(陰液・血)を自ら作り出し、保持できる体質の底上げ |
| 得意なこと | 乾いた瞬間の速効的な潤い補給、摩擦による角膜キズの保護 | 「すぐ乾く」根本体質の改善、肌や喉など全身の乾燥の同時ケア |
| 代表的な手段 | 人工涙液、ヒアルロン酸、ジクアス、ムコスタ、涙点プラグ | 補陰薬(地黄・麦門冬など)、養血薬、自律神経を整える生薬 |
| 両者の関係性 | 目の表面のキズを防ぎ、外部から守る「表面の保護膜」 | 涙を継続的に生み出す身体の土台を育てる「豊かな水源」 |
漢方から見た「乾きやすい体質」3つのタイプ
漢方では、ドライアイを単に「目だけの不調」として処理せず、全身の「気・血・水(陰液)」の循環から紐解いていきます。
主に以下の3つの体質タイプに分けられ、お一人おひとりの身体の状態に合わせて処方を厳選します。
① 身体全体の潤い(陰液)が不足しているタイプ(陰虚:いんきょ)
- 主な症状: 目だけでなく肌や喉も乾燥する、夕方以降に顔がほてりやすい、夜間に口が渇く、加齢とともに乾きが強くなってきた。
- 漢方的見解: 身体を潤す全身の水分(陰液)そのものが消耗・枯渇しており、涙の材料が根本的に足りていない状態です。加齢や過労によって進行します。
- アプローチ: 身体の内側に上質な潤いを補給する生薬(地黄、麦門冬、百合など)を用いて、全身と目の潤い保持力を底上げします。
② 目の栄養と循環(血)が不足・消耗しているタイプ(血虚:けっきょ)
- 主な症状: スマホやPCでの目の酷使が常態化している、夕方になると目がかすむ・ショボショボして開けていられない、爪が割れやすい、不眠傾向。
- 漢方的見解: 東洋医学には「目は血を受けてよく見る」という言葉があります。長時間の目の酷使によって目に必要な栄養(血)が激しく消耗し、涙を分泌する組織の機能が低下している状態です。
- アプローチ: 目に十分な栄養と血流を届ける生薬(当帰、芍薬、枸杞子など)を用いて、目の代謝と回復力をサポートします。
③ ストレスや自律神経の乱れタイプ(気滞・気鬱:きたい)
- 主な症状: 緊張したりストレスを感じると目が急に乾く・痛む、まばたきの回数が減る、イライラしやすい、更年期の不調が重なっている。
- 漢方的見解: 涙の分泌は自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされています。ストレスによって「気」が滞ると自律神経が緊張し、涙腺からの分泌が阻害されます。
- アプローチ: 滞った気を巡らせ、自律神経の緊張を緩める生薬(柴胡、薄荷など)を組み合わせ、涙が自然に分泌されやすいリラックス状態を作ります。
【比較表】体質タイプ別のサインと漢方アプローチの方向性
| 体質タイプ | よくある体のサイン・特徴 | 組み合わせる漢方薬の働き |
| ① 体の潤い不足(陰虚) | 肌や喉の乾燥、夕方のほてり、加齢による乾き | 身体の内側に上質な水分(陰液)を補い、涙の保持力を高める |
| ② 目の栄養消耗(血虚) | 目の酷使、夕方のかすみ・ショボショボ感、疲れやすさ | 目に必要な「血(栄養)」を補い、涙腺や細胞の代謝を活発にする |
| ③ 自律神経の乱れ(気滞) | 緊張による乾き、ストレス、まばたきの浅さ、更年期 | 自律神経の緊張を解きほぐし、涙腺からの自然な分泌を促す |
【薬剤師コラム②】ドライアイの放置は「重度な目の疲労」への入口になります
担当薬剤師:林
涙は、目の表面を摩擦から守る「クッション」であると同時に、角膜に酸素と栄養を届ける「命の輸送路」でもあります。
ドライアイの痛みを我慢して放置していると、角膜の表面に細かいキズがつきやすくなり、光を眩しく感じたり、目のかすみ、重度な眼精疲労、さらには頭痛や肩こりといった全身の不調へと進行してしまう危険性があります。
また、目が異常に乾いて痛みやゴロゴロ感が激しい場合、自己免疫疾患である「シェーグレン症候群」などの病気が背景に隠れている可能性もあります。乾きが強い方は、まず一度眼科でしっかりと角膜の状態を検査してもらうことが大切です。
その上で、西洋薬の点眼で傷を守りつつ、漢方で内側の水分保持力を育ててあげれば、「1日中目薬の場所を気にしながら生活する」という不自由さから解放され、爽やかな視界を取り戻すことができますよ。
【改善実例】太陽堂での体質改善エピソード
【ドライアイ・頭痛】昭和39年生 女性|1日1回の服用でも、10ヶ月で乾きと頭痛が気にならない状態に
もともと高眼圧のご相談で太陽堂に通われていた方です。突然の頭痛に驚いて病院を受診したところ「ドライアイ」と診断。どうしても頭痛が取れないとのことで、ドライアイに対する漢方薬も併せてお出しすることになりました。
高眼圧の漢方薬の治療があるため、潤いをもたせる作用のある「地黄剤(じおうざい)」を1種類、1日1回のみの服用で追加しました。
- 1ヶ月後: たまに頭痛はあるものの、少しずつ改善している感じがあるとのこと。
- 10ヶ月後: ドライアイが気にならなくなり、頭痛もしなくなったとのことでした。1日1回の服用でも、しっかりと変化が見られた患者さまです。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
今日からできるドライアイの生活養生・食養生
日常のちょっとした習慣を見直すことで、涙の蒸発を防ぎ、身体の潤いを守ることができます。
- 意識的な「ディープまばたき」を取り入れる: パソコンやスマホを見ているときは、まばたきが浅く・回数が少なくなっています。1時間に一度、ギューッと目をつぶって2秒保ち、パッと開く「意識的なまばたき」を行い、涙を目の表面に行き渡らせましょう。
- ホットタオルで「まぶたの温活」: 温かい蒸しタオル(40℃程度)を閉じた目の上に5分ほどのせましょう。マイボーム腺に詰まった固いアブラが溶け出し、涙の表面に正常な油膜が張って蒸発しにくくなります。
- 加湿器の活用とエアコンの風対策: 室内湿度は50%前後を目標に保ちましょう。エアコンの風が直接顔や目に当たらないよう、風向きを調整することも重要です。
- 「身体を潤す白色の食材」を食卓へ: 東洋医学において、白色の食材は身体や粘膜を潤すとされています。山芋、白きくらげ、大根、豆腐、豆乳、ハチミツなどを意識して摂りましょう。逆に、唐辛子などの激辛料理やアルコールの摂り過ぎは、体内の潤いを奪って乾燥を強めるため控えめにしましょう。
- コンタクトレンズの装用時間を見直す: 乾きが強い日はメガネで過ごす日を作るなど、目の表面への物理的な負担を減らしてあげましょう。
よくあるご質問(FAQ)
眼科で処方された目薬(ジクアス、ヒアレイン等)と漢方薬は併用できますか?
はい、基本的には安心して併用いただけます。むしろ非常に理想的な組み合わせです。
西洋医学の目薬は「目の表面の保護と速効性のある水分補給」を行い、漢方薬は「体内で潤いを作り出して維持する土台の改善」を行います。役割が異なるため、併用することでお互いの強みを活かしたケアが可能です。体調が整うにつれて、自然と目薬をさす回数が減っていくのを一つの目安にしてください。
目の乾きだけでなく、肌のカサつきや喉の乾きも気になります。関係ありますか?
大いに関係があります。どちらも「身体全体の潤い不足(陰虚)」の共通のサインです。
漢方では、目・肌・喉・お通じの固さなどを別々の問題として見ず、「全身の水分(陰液)の不足」という一つの体質として捉えます。漢方で潤いを養う体質改善を行うと、目の乾きと同時に、お肌のカサつきや喉の乾きも一緒に和らいでいく方がたくさんいらっしゃいます。
市販の目薬を1日に何十回もさしていますが、問題ないでしょうか?
回数が極端に多い場合は、かえって目を傷めるリスクがあるため注意が必要です。
防腐剤が入っている市販の点眼薬を1日に何度も過剰に使用すると、涙の成分が洗い流されてしまい、かえって目の表面の粘膜(角膜)を傷つけてしまうことがあります。「さしてもさしてもすぐ乾く」状態自体が土台の水分不足のサインですので、一度眼科を受診されるとともに、内側からの体質改善を検討することをおすすめします。
どのくらいの期間、漢方薬を続ければ良いですか?
お身体の状態によりますが、まずは1〜3ヶ月程度が一つの目安となります。
乾きの和らぎや目薬をさす回数の減少は、1〜2ヶ月頃から実感される方が多くいらっしゃいます。体質をしっかりと安定させ、目薬に頼り切らない状態を定着させるためには、実例のように半年〜1年程度じっくりお身体を整えていくケースが多くなります。
まとめ|「注ぎ足す」から「自ら潤いを生み出せる体」へ
「目薬をさしてもさしてもすぐ乾く」というつらさは、目の表面だけの問題ではなく、「身体の内側で水分(陰液)を作り出し、保持する力が低下しているサイン」です。
① 病院の目薬で目の表面のキズと摩擦を直接保護する(自己判断でやめない) ② まばたき・ホットタオル・加湿で涙が蒸発しにくい環境を作る ③ 漢方薬で「潤いを蓄える体質」へと根本から整える この3つのステップを揃えることで、カバンやポケットの中の目薬を常に探し回らなくても、1日を快適に笑顔で過ごせる当たり前の毎日を取り戻すことができます。
「乾き目が痛くて、パソコン作業が本当につらい」
「目薬依存から抜け出して、内側から目を元気にしたい」
そんな方は、どうぞ一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。お使いの目薬の名前が分かるものをご用意いただけると、より詳しくお話しできます。専門の薬剤師があなたの目と体質に優しく寄り添い、潤いのある毎日を全力でサポートいたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
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そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
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「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
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お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。














