
「一晩ぐっすり寝たつもりでも、目の奥の重さと痛みが全く取れない」
「夕方になると画面のピントが合わなくなり、首肩の強いこりと頭痛までセットでやってくる」
「ドラッグストアで一番高い目薬をさしても、その場しのぎにしかならない」
スマートフォンや長時間のパソコン作業が当たり前となった現代、目の疲れはほとんどの人が抱える「国民的な不調」です。
しかし、一晩休んでも回復しない深刻な目の疲れは、単なる「疲れ目」ではなく「眼精疲労(がんせいひろう)」と呼ばれます。これを放置すると、目の奥の痛みやかすみだけでなく、頭痛、肩こり、めまい、吐き気、不眠など、全身の自律神経の不調にまでドミノ倒しのように繋がっていきます。
今回は、太陽堂の店頭でも実際にお伝えしている「目の温め」と「ツボ押し」、ビタミンB1を意識した食養生というセルフケアの柱に加え、目の回復力を底上げする漢方のアプローチについて、薬剤師の視点から詳しく解説いたします。
【この記事の結論:「眼精疲労」に対する漢方の考え方】
- 不調の正体(原因): 西洋医学ではピント調節筋(毛様体筋)の過労やドライアイ・自律神経の緊張とされますが、漢方では目を養う栄養の不足(血虚)と、首から上の血流の強烈な滞り(瘀血)、潤い不足(陰虚)が重なった状態と考えます。
- 漢方の解決策: 目の温めやツボ・食養生で日々の緊張を解きつつ、漢方で目にたっぷりの栄養(血)を補給し、首肩〜頭部への血流を巡らせることで「一晩寝れば回復する健やかな目」を取り戻します。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 眼精疲労(VDT症候群)、慢性的な疲れ目、目の奥の重痛さ、目の疲れからくる頭痛・肩こり・吐き気、ドライアイ気味の方
眼精疲労とは?「疲れ目」との違いと西洋医学的なメカニズム
私たちの目は、近くのもの(スマホやPC画面など)を見るときに、目の中にある「毛様体筋(もうようたいきん)」という小さな筋肉をギュッと収縮させ、水晶体(レンズ)を分厚くしてピントを合わせています。
長時間のデスクワークやスマホ操作は、この毛様体筋に「ずっと重いダンベルを持たせ続けている」のと同じ状態です。
「疲れ目」と「眼精疲労」の違い
- 疲れ目: 目を使いすぎた直後にショボショボするが、睡眠や休息をとれば回復する一時的な状態。
- 眼精疲労: 休息や睡眠をとっても目の痛みや重さが回復せず、さらに頭痛、肩・首のこり、吐き気などの全身症状まで引き起こしてしまう慢性的な状態(VDT症候群とも呼ばれます)。
毛様体筋は自律神経(交感神経・副交感神経)の支配を受けているため、毛様体筋が疲労困憊すると自律神経のバランスまで崩れ、全身に不調が波及してしまうのです。
眼科で行われる検査と処方薬
眼科では、視力検査のほか、ドライアイの有無、白内障や緑内障などの病気が隠れていないかを調べます。
- ピント調節改善点眼薬(サンコバ/シアノコバラミン等): ビタミンB12の働きで、疲労したピント調節筋の働きを助けます。
- 角膜保護・保湿の点眼薬(ヒアレイン、ジクアス等): ドライアイが併発している場合に使用されます。
- メガネ・コンタクトの度数調整: 度数が合っていないことが眼精疲労の大きな原因になるため、適切な矯正を行います。
【店頭でもお勧めしている2本柱】目の温め&ツボ押し
病院の目薬で外側からサポートしつつ、日常のケアで毛様体筋の緊張を解くことが大切です。太陽堂が特にお勧めしているのが以下の2つのケアです。
柱①:ホットタオルで「目を温める」
濡らしたフェイスタオルを電子レンジで40秒〜1分ほど温め(※火傷に注意)、軽く絞ってから閉じたまぶたの上に3〜5分のせます。
目の周りの血流が良くなることで、緊張し続けた毛様体筋が物理的に緩み、同時にマイボーム腺からの油の分泌が促されてドライアイ予防にもなります。1日の終わりの夜の入浴時や、寝る前が特におすすめです。
柱②:目の疲れを取る「ツボ押し」
仕事の合間に、「痛気持ちいい」程度の強さで5秒×5回ほど、ゆっくり深呼吸しながら押してみてください。
- 睛明(せいめい): 目頭と鼻の付け根の間のくぼみ。目の疲れ・かすみの代表的なツボ。
- 攅竹(さんちく): 眉頭の最も内側のくぼみ。目の奥の重さ・頭痛に。
- 太陽(たいよう): 眉尻と目尻の中間から少し後ろの「こめかみ」のくぼみ。眼科医いらずと言われる特効ツボ。
- 風池(ふうち): 首の後ろ、髪の生え際の太い筋肉の外側のくぼみ。首から上の血流を促し、首こりと目のかすみに。
※注意: 眼球そのものは絶対に押さないでください。目の周りの「骨のふち(眼窩)」を押し上げるようにするのがコツです。
【薬剤師コラム①】食養生は「ビタミンB1」を意識してみてください
担当薬剤師:前原
店頭で眼精疲労のご相談をお受けする際、目の温めやツボ押しに加えて、私たちがよくお勧めしているのが「ビタミンB1を多く含む食材を意識して摂ること」です。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変え、視神経や筋肉の働きを正常に保つために欠かせない大切な栄養素です。目のピント調節も「筋肉と神経による精密な仕事」ですから、ビタミンB1が不足すると目の疲れがどんどん溜まりやすくなってしまいます。
身近な食材では、豚肉・大豆製品(豆腐や味噌)・玄米・うなぎ・大葉(しそ)などに多く含まれています。例えば、「豚の生姜焼きに大葉を添えて、お豆腐のお味噌汁と一緒にいただく」——そんな定食スタイルの食事が、実は目と神経にとても優しい最強の献立になります。
毎日の食卓でできる小さな積み重ねですが、「目薬や鎮痛剤だけに頼らない体づくり」の確かな一歩になりますよ。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院の対応) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | ピント調節筋の局所的な補助(目薬)、メガネ度数の物理的調整 | 目を養う栄養(血)の補給、首から上の血流改善、自律神経の緩和 |
| 得意なこと | 目の表面や筋肉への直接的アプローチ、他の隠れた病気の除外 | 「寝れば回復する目」への体質改善、頭痛・肩こり等の同時ケア |
| 代表的な手段 | ピント調節改善点眼薬(サンコバ等)、人工涙液、メガネの調整 | 補血薬(目に栄養を補う生薬)、活血薬(血流を流す生薬)の処方 |
| お互いの関係性 | 目の外側から今の負担を軽くする「局所のサポート」 | 疲れがたまらない身体・回復力を内側から育てる「土台作り」 |
漢方から見た「目が疲れやすい体質」3つのタイプ
東洋医学では「目は五臓の精の集まるところ」と言われ、全身の栄養や血流のバロメーターとされています。漢方では、眼精疲労の背景を以下の3つのタイプに分類してケアします。
① 目の栄養(血)が不足・消耗しているタイプ(血虚:けっきょ)
- 主な症状: 夕方になるとピントが合わない・かすむ、目がショボショボする、顔色が青白い、眠りが浅い、爪が割れやすい。
- 漢方的見解: 東洋医学には「目は血(けつ)を受けてよく視る」という言葉があります。長時間の目の酷使によって、目に必要な栄養(血)を激しく消耗し、補給が追いついていない「ガス欠」の状態です。
- アプローチ: 目に栄養と潤いをたっぷり補う生薬(当帰、芍薬、枸杞子など)を用いて、ピント調節筋の回復力を根本から底上げします。
② 首から上の血流が滞っているタイプ(瘀血:おけつ)
- 主な症状: ガチガチに固まった首こり・肩こり、目の奥がズーンと重く痛む、締め付けられるような頭痛が出やすい。
- 漢方的見解: 目と首・肩は「経絡(気血の通り道)」で深くつながっています。長時間の不良姿勢などで首から上の血流が滞り、目への栄養供給路が渋滞している状態です。
- アプローチ: 首から上の血流を力強く流し、筋肉の緊張をほぐす生薬(葛根、桂皮、川芎など)を用いて、目・首・肩・頭痛をまとめてケアします。
③ 潤い不足・自律神経の過剰な緊張タイプ(陰虚・肝気鬱結)
- 主な症状: 目の激しい乾き(ドライアイ)を伴う、イライラや不安感がある、吐き気やめまいがする、更年期の不調が重なる。
- 漢方的見解: 目の潤い不足と、ストレスによる自律神経の過剰な緊張が重なり、目の不調が全身の自律神経症状(吐き気など)に波及してしまっている状態です。
- アプローチ: 潤いを補いながら、張り詰めた神経をリラックスさせる生薬(柴胡、菊花など)を組み合わせ、目と心身を同時に休ませます。
【薬剤師コラム②】「たかが目の疲れ」と我慢しないでください
担当薬剤師:林
眼精疲労は、市販の目薬を何回もさしたり、頭痛がするたびに痛み止め(鎮痛剤)を飲んだりして、その場をしのぎながら無理をしてしまいがちな不調です。
しかし、休息しても取れない目の疲れを放置していると、首肩こり・頭痛・吐き気・めまい・不眠と、不調の輪がどんどん全身の自律神経へと広がっていってしまいます。また、「最近目が疲れやすくなったな」と感じる裏には、ドライアイの悪化や、白内障、緑内障、老眼の進行など、別の目の病気が隠れていることもあります。長引く場合は一度眼科を受診しておくと安心です。
そのうえで、目の温め・ツボ押し・食養生という毎日のセルフケアの積み重ねと、漢方による「血と巡りの体質ケア」を組み合わせれば、「朝起きたら目の奥の重さがスッキリ取れている」「夕方までピントがしっかりもつ」という当たり前の健やかさを取り戻すことができます。
目は一生使い続ける大切なパートナーです。「たかが目の疲れ」と放置せず、身体からのSOSとして早めに手を打ってあげてください。
【改善実例】太陽堂での体質改善エピソード(服用終了まで)
①【目の奥の重痛さ・頭痛】30代 男性(ITエンジニア)|鎮痛剤が不要になり、半年で服用終了
毎日10時間以上パソコン画面に向かうお仕事で、夕方になるとピントが全く合わず、目の奥がえぐられるように痛み、こめかみの頭痛で週に何度も鎮痛剤(ロキソニン等)を飲んでいる状態でした。眼科の目薬も効きにくくなり、根本的に体を変えたいとご来局されました。
極度の目の酷使による「血虚(栄養不足)」と、首・肩の強い血行不良「瘀血」と見立て、①目に栄養(血)を補う漢方薬 ②首から上の血流を流す漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 1ヶ月後: ガチガチだった首や肩の張りが少しずつ和らぎ、「頭がスッキリして軽い日」が増えてきました。
- 3ヶ月後: 夕方になってもピントが合いやすくなり、目の奥の「ズーンとした重痛さ」が激減しました。
- 半年後: 鎮痛剤に頼ることが全くなくなり、「目薬を頻繁にささなくても仕事に集中できます」と笑顔でお話しいただき、無事に漢方ケアの服用終了(ご卒業)となりました。
②【眼精疲労・吐き気・更年期】50代 女性|眉間の痛みと吐き気が消失し、半年で安定
数年前から目の乾きがひどく、スマホを少し見るだけで目がショボショボし、眉間のあたりが痛くなって吐き気がするようになってしまいました。めまいやイライラ感もあり、自律神経の乱れも重なってご相談に来られました。
加齢と疲労による潤い不足(肝腎陰虚)と自律神経の緊張(肝気鬱結)と見立て、潤いを補いながら神経をリラックスさせる漢方処方をご提案しました。
- 1ヶ月後: 漢方を飲むと身体がホッとする感覚があり、目の乾きが和らいで目薬の回数が減りました。
- 3ヶ月後: 目を使っても、眉間の痛みや吐き気につながることがなくなりました。イライラも減り、気分が落ち着いてきました。
- 半年後: 視界が明るくクリアになり、ショボショボ感が消失。自律神経のバランスも整い、不快な吐き気も起きなくなったため、現在も健康維持のペースで継続されています。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
今日からできる眼精疲労の生活養生まとめ
- ホットタオルで目を温める: 1日1回、夜寝る前などに3〜5分。目の周囲の血流を促し、ピント調節筋を物理的にゆるめます。
- ツボ押しを仕事の合間に: 睛明・攅竹・太陽・風池などのツボを痛気持ちいい強さでプッシュ。眼球は絶対に押さないこと。
- ビタミンB1の食材を意識して摂る: 豚肉・大葉・豆腐・味噌など。神経と筋肉の働きを支え、目の疲労物質を溜めにくくします。
- 「1時間に1回、遠くを見る」ルール: 画面から目を離し、窓の外など「6メートル以上遠く」を20秒ぼんやり眺めるだけで、毛様体筋の緊張がリセットされます(20-20-20ルール)。
- 寝る前のスマホを控える: ブルーライトは脳を覚醒させます。寝る前のスマホをやめることは、目と自律神経を同時に休ませる一番効果の大きい最強の習慣です。
よくあるご質問(FAQ)
眼科の目薬(サンコバや保湿剤など)と漢方薬は併用できますか?
はい、もちろん安心して併用可能です。
病院の目薬で外側からピント調節や保湿の物理的サポートを行いながら、漢方薬で「内側から目に栄養(血)を届け、首から上の血流を改善する体質づくり」を行うのは、非常に理想的で理にかなったアプローチです。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせをしっかり確認いたします。
目の疲れと一緒に、ひどい肩こりや頭痛にも漢方薬は効きますか?
はい、「まとめてのケア」こそが漢方薬の最も得意とする分野です。
東洋医学では、目と首・肩は「経絡(けいらく)」というルートで深くつながっていると考えます。首から上の血流を流し、筋肉の過剰な緊張を内側からほぐすことで、眼精疲労の改善と同時に、しつこい肩こりや頭痛がスッと和らいでいく方は非常に多くいらっしゃいます。
仕事でパソコンを1日中使わざるを得ません。それでも良くなりますか?
目の使い方は変えられなくても、「疲労を回復する力」は高められます。
実例でご紹介したITエンジニアの方も、仕事量やパソコンの時間は変えずに、「目に栄養を補い、血流を整える」漢方アプローチによって鎮痛剤が不要になりました。「使った分だけ、寝ればしっかり回復できる体内環境を作ること」が、現実的で持続可能なゴールとなります。
どのくらいの期間、漢方薬を続ければ良いですか?
お身体の状態によりますが、まずは1〜3ヶ月程度が一つの目安となります。
首肩の張りや目の乾きといった変化は1ヶ月頃から感じられ、目の奥の痛みや「夕方になってもピントが合いやすい」といった実感は、実例のように3ヶ月〜半年ほどかけてしっかりと定着していくケースが多くなります。
まとめ|温め・ツボ・食養生+漢方で、「寝れば回復する目」を取り戻そう
スマホとパソコンが欠かせない現代社会において、目への負担を完全にゼロにすることは不可能です。だからこそ、「使った分だけ、一晩休めばしっかり回復できる目」の土台を作っておくことが大切です。
① ホットタオルの温めとツボ押しで、毎日の筋肉の緊張をリセットする ② ビタミンB1(豚肉・大葉・味噌など)で神経と筋肉の働きを内側から支える ③ 漢方で目に栄養(血)を補給し、首から上の血流をスムーズに整える
この3つのステップを揃えて、「朝起きたら目の奥がスッキリ軽く、1日中視界がクリアだ」と思える快適な毎日を取り戻しましょう。
「寝ても取れない目の奥の重痛さをなんとかしたい」
「頭痛薬や目薬に頼る生活から抜け出したい」
そんな方は、どうぞ一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。専門の薬剤師があなたの目と体質に優しく寄り添い、目の疲れに負けない体づくりを全力でサポートいたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。














