
「食べる量は若い頃と変わらないのに、体重が少しずつ増えていく……」
「夕方になると足がパンパンにむくんで、身体が重だるい。お腹周りだけ、どうしても落ちない……」
「病院で更年期の相談をしたけれど、正直、日々の生活でいちばん気になっているのは太ったこと……」
新宿の漢方薬局「太陽堂」で、このご相談が多いのは40〜50代の女性です。最初から「太った」を主訴として来られる方は少なく、更年期障害のご相談の中で「症状のひとつ」として出てくることが多くあります。また、健診で肝臓の数値が引っかかった方や、下痢などの胃腸の相談で来られた方が「それと、痩せないんです」とおっしゃることもあります。
入口の言葉で一番多いのは「食べる量は変わらないのに太る」、次が「むくみ・重だるさ」、その次が「お腹周りだけ落ちない」、そして「運動しても体重が動かない」の順です。
このページでは、食べる量が変わらないのに溜め込んでしまう理由、太陽堂が最初に見る「水はけ」と「冷え」、体重や中性脂肪の数値をどう扱うか、店頭でお伝えしている食事と運動の言い方、3ヶ月の目安、実際の経過をご説明します。
(※代謝低下・メタボリックシンドロームの説明や、糖尿病・甲状腺の病気との違いは、本体ページにまとめています。このページは「40〜50代で、食べる量は変わらないのに太る・むくむ」方に向けた考え方です。)
【この記事の結論:「食べる量は変わらないのに太る・むくむ」に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 食べる量が同じでも、年齢とともに「食べたものを処理して外に出す力」が落ちると、余分なものが身体に残ります。漢方では、①老廃物と水が身体に停滞している(痰湿・水毒) ②身体が冷えて、処理する力そのものが落ちている(脾腎陽虚)の2つを中心に見ます。太陽堂ではまず①を考え、同時に②の関わりを見ることが多いです。
- 漢方の解決策: 体重や中性脂肪などの数値は病院で管理していただき、漢方では「余分な水と老廃物を流す」「身体を温めて処理する力を戻す」方向で、溜め込まない身体を整えます。あわせて、油物・白砂糖・乳製品のとりすぎを控える食事と、体質に合わせた運動(ウォーキングか、簡単な筋トレか)を一緒に決めます。
- 対象となる主なお悩み: 食べる量は変わらないのに体重が増える方、夕方のむくみ・重だるさが続く方、お腹周りだけ落ちない方、運動しても体重が動かない方、更年期の相談の中で「太った」が気になっている方
「食べる量は変わらないのに太る」が起きる理由
40代後半から50代にかけては、女性ホルモンの変化(閉経に向けた変化)と、年齢による代謝の低下が重なる時期です。若い頃と同じ量を食べていても、食べたものをエネルギーにして使い切る力、余分な水や老廃物を汗や尿として外に出す力が少しずつ落ちていきます。その結果、「入ってくる量」は同じなのに「出ていく量」が減り、その差の分が水や老廃物として身体に残っていきます。
漢方では、この「残るもの」と「出す力」を、次の2つの状態で見ます。
- 老廃物と水が停滞している(痰湿・水毒:たんしつ・すいどく): 処理しきれなかった余分な水分や老廃物が、身体の中に溜まって巡りを悪くしている状態です。夕方のむくみ、身体の重だるさ、お腹周りのぽっこり、雨の日の不調、という方に多く見られます。太陽堂で最初に考えるのは、この状態です。
- 冷えて、処理する力が落ちている(脾腎陽虚:ひじんようきょ): 身体が冷えて、食べたものを処理する胃腸の力と、身体を動かす土台の力が落ちている状態です。手足やお腹の冷え、疲れやすい、動くのが億劫、という方に見られます。①と同時に、この「冷え」の関わりを見ることも多いです。
「食べていないのに太る」方ほど、食べる量を減らすより先に、この「出す力」と「冷え」を整えることが大切だと考えています。
病院のお薬・市販薬との付き合い方・先に受診してほしいとき
GLP-1受容体作動薬(食欲を抑える注射や飲み薬)や生活習慣病の治療薬など、医師から処方されているお薬は、自己判断でやめず、主治医と相談しながら、漢方との併用を検討します。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
ドラッグストアなどの市販の漢方薬(防風通聖散・防已黄耆湯など)を飲んでいる方は、体質によって合うお薬が違うため、内容によっては中止も検討するようにお伝えしています。「飲んだらお腹を下す」「何ヶ月飲んでも効いている気がしない」という場合は、体質とお薬が合っていない可能性があります。そのままにせず、店頭でお聞かせください。
※念のため:短期間で急に体重が増えた・強い寒がりや無気力を伴う(甲状腺の病気)/のどの渇きや食後の強い眠気を伴う(糖尿病)/顔や足のむくみが急に強くなった・尿の泡立ちが続く(腎臓)——こうした場合は、漢方の相談より先に、内科で血液検査や尿検査を受けてください。健診で指摘があった方は、その結果をお持ちください。
代謝低下・メタボリックシンドロームの説明や、似た病気との違いは、本体ページをご覧ください。
漢方の考え方|数値は病院で、身体は「水はけ」と「冷え」で見る
体重、中性脂肪、コレステロールなどの数値は、病院で管理していただきます。太陽堂ではその数値を、「痩せる・痩せない」ではなく、東洋医学の身体の状態に置き換えて見ます。
- 中性脂肪が高い状態 → 血の滞り(瘀血)と、老廃物の停滞(痰湿)として見ます
- 水太り(むくみ)による体重増加 → 水の停滞(水滞)として見ます
こう置き換えると、「何をすれば身体が変わるか」が見えてきます。数値を追いかけて一喜一憂するのではなく、身体の中で何が停滞しているかを見て、それを流す・温めるという順番で整えていきます。
【比較表】あなたはどちら? 2つのタイプと漢方アプローチ
| タイプ | 身体の様子・体質 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| ①水はけが悪いタイプ (痰湿・水毒) ※最初に見るのはここ | 夕方に足がむくむ、身体が重だるい、お腹周りがぽっこりしている、雨の日に不調、中性脂肪が高め。 | 【余分な水と老廃物を流す漢方薬】 胃腸の働きを助けて水はけを良くし、溜まった老廃物を尿や便として外に出しやすくします。 |
| ②冷えて処理する力が落ちたタイプ (脾腎陽虚) ※①と一緒に見ます | 手足やお腹(内臓)が冷える、疲れやすい、動くのが億劫、食べていないのに体重が増える。 | 【身体を温め、処理する力を戻す漢方薬】 胃腸と身体の土台を温めて、食べたものを使い切る力、水を処理する力を戻します。 |
(※①と②が重なっている方が多くいらっしゃいます。ご自身でどちらか分からなくても大丈夫です。「いつ頃から」「むくみと冷えの様子」「健診の数値」「食事の内容」を伺いながら、こちらで整理します。)
「お腹を触ると冷たい」という方は、内臓型の冷えについてまとめた記事もご参照ください。
【薬剤師コラム①】「痩せる薬」ではなく、「溜め込まない身体」を
担当薬剤師:前原
「漢方を飲めば痩せますか?」と聞かれることがあります。正直にお伝えすると、漢方薬を飲めば必ず痩せる、ということはありません。また、病院のホルモン補充療法(HRT)やお薬より漢方のほうが安全だ、ということもありません。どちらも得意分野と役割が違います。
太陽堂の漢方がお手伝いするのは、「食べたものを処理して外に出す力」を戻すことです。水はけが良くなり、身体が温まって処理する力が戻ってくると、同じ量を食べていても、身体に残るものが減っていきます。体重の数値は病院で見ていただきながら、身体の側を一緒に整えていきましょう。
まず3ヶ月|「身体が軽い」→「むくみ」→「数値」の順で見る
太陽堂では、他のご相談と同じように「まず3ヶ月」を一つの単位としています。変化は、次の順番で出てくることが多いです。
- 身体が軽い: 朝起きたときの重だるさ、日中の疲れやすさが変わってきたかを見ます。ここが一番早く出るところで、早い方では数週間で変化を感じます。
- むくみ: 夕方の足のむくみ、靴のきつさ、身体の冷えの様子を見ます。「夕方になっても靴がすっと履ける」ようになれば、水はけが良くなってきたサインです。
- 数値: 病院の血液検査(中性脂肪など)や体重は、一番あとから動いてきます。数ヶ月〜半年単位で、病院の検査と合わせて焦らず確認します。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。体重や数値の変化を保証するものではありません。
養生|食事は「熱の元」を控える、運動は体質で選ぶ
- 油物・白砂糖・乳製品のとりすぎを控える: 太陽堂が食事で必ずお伝えすることです。この3つは、身体に「熱」と「老廃物」の元をつくりやすい食べ物です。ゼロにする必要はありませんが、「無意識にとりすぎていないか」を振り返ってください。
- 食事のバランスを整える: 夕飯の量が多い方は、夕飯を軽くして朝・昼に寄せます。1日の合計が同じでも、あまり動かない夜に偏ると身体に残りやすくなります。
- 血の滞りが強い方は、ウォーキングを週2〜3回以上: 中性脂肪が高め、肩こりや冷えのぼせがある方は、まず歩くことから。ふくらはぎを動かして、血の巡りを動かします。
- 疲れやすい方は、簡単な筋トレを: 気力・体力が落ちている方は、いきなり長く歩くとかえって疲れてしまいます。歩く距離を増やすより、家でできるスクワットなど、大きな筋肉を動かす簡単な筋トレを少しずつ入れて、処理する力の土台(筋肉)を戻すことをおすすめしています。
【薬剤師コラム②】「痩せない」の相談は、更年期・肝臓・胃腸の相談の中から出てきます
担当薬剤師:石川
店頭で「太った・痩せない」が主訴になることは、実はそれほど多くありません。多いのは、ほてりやイライラなど更年期障害のご相談の中で「症状のひとつ」として出てくる場合と、健診で肝臓の数値が引っかかった方や、下痢などの胃腸のご相談で来られた方が「それと、痩せないんです」とおっしゃる場合です。
ですから私は、体重そのものより、まず老廃物と水の停滞を考え、同時に冷えとの関わりを見ます。中性脂肪が高ければ血の滞りと老廃物の停滞として、むくみで体重が増えているなら水の停滞として、身体の側から整理します。
数値の管理は病院にお願いし、太陽堂では「何が身体に残っているか」「なぜ出せなくなっているか」を一緒に見ていきます。「ただ太っただけ」と片付けず、全身の不調をお話しください。
【改善実例】溜め込む身体が整っていったエピソード
このページの中心は40〜50代の女性ですが、店頭の記録として整理できている「体重増加と中性脂肪」の経過は、現時点では次の男性の方の1件です。女性の方の記録は、整理でき次第このページに追記します。
【体重増加と疲労感、中性脂肪180前後】50代 男性|6ヶ月で中性脂肪が150前後に、1年4ヶ月で基準値内に
【ご相談時の状態】 半年前から体調の優れない日が続き、病院の検査で「脂質異常症」と診断された方です。病院のお薬を飲まずに身体を変えていきたいと、ご相談に来られました。気になっていたのは疲労倦怠感と体重増加、脂肪肝で、中性脂肪の数値は180前後(基準値は150未満)でした。
【太陽堂の提案】 ①老廃物を排出しやすくする漢方薬 ②肝臓を保護して血流を整える漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 3ヶ月後: 少しずつ疲労倦怠感が和らいできました。
- 6ヶ月後: 血液検査で中性脂肪が150前後まで下がっていました。
- 10ヶ月後: 体重にも減少の傾向が見られ、倦怠感はほぼなくなっていました。
- 1年4ヶ月後: 中性脂肪が基準値内に収まっていました。ご本人が食事や運動にも気を配っておられたことが、大きかったと考えています。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。体重や数値の改善を保証するものではありません。病院のお薬の中止・変更は、主治医の判断のもとで行ってください。
よくあるご質問(FAQ)
漢方薬を飲めば痩せますか?
漢方薬を飲めば必ず痩せる、ということはありません。太陽堂がお手伝いするのは、「食べたものを処理して外に出す力」を戻し、溜め込まない身体を整えることです。
体重や数値は病院で管理していただき、身体の側(水はけ・冷え)を一緒に整えていきます。
GLP-1のお薬や、市販の防風通聖散と一緒に飲めますか?
医師から処方されているお薬(GLP-1など)は、自己判断でやめず、主治医と相談しながら併用を検討します。市販の漢方薬は、体質によって合うお薬が違うため、内容によっては中止も検討するようにお伝えしています。
お薬手帳と、飲んでいる市販薬(防風通聖散やナイシトールなど)の箱や名前をお持ちいただければ、確認します。
更年期障害の相談と一緒に相談できますか?
はい。実際、このお悩みは更年期障害のご相談の中で「症状のひとつ」として出てくることが多いです。
ホットフラッシュ(ほてり)やイライラなどの気分の波と一緒に伺い、身体全体でひとつのつながりとして組み立てます。更年期の症状が中心の方は、本体ページもご覧ください。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
まず「3ヶ月」を一つの単位としています。「身体が軽い」→「むくみ」→「数値」の順で変化が出てくることが多いです(※個人差があります)。
数値は一番あとから動いてくるので、病院の検査と合わせて数ヶ月単位で確認します。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
タイプによって組み合わせる漢方薬の内容が変わりますので、お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|減らすより先に、「出す力」と「冷え」を整える
「食べる量は変わらないのに太る。むくむ。運動しても動かない。どうすればいいのか」
- 40〜50代の「食べていないのに太る」は、入ってくる量より「処理して出す力」の低下が背景にあります。太陽堂ではまず老廃物と水の停滞(痰湿・水毒)を考え、同時に冷え(脾腎陽虚)の関わりを見ます。
- 体重や中性脂肪の数値は病院で管理し、漢方では「中性脂肪が高い=血の滞りと老廃物」「水太り=水の停滞」と身体の側に置き換えて、流す・温めるの順で整えます。漢方を飲めば必ず痩せる、ということはありません。
- 油物・白砂糖・乳製品のとりすぎを控え、夕飯が多ければ減らす。運動は、血の滞りが強い方はウォーキング週2〜3回以上、疲れやすい方は簡単な筋トレから。まず3ヶ月、「身体が軽い」→「むくみ」→「数値」の順で見ていきます。
「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめて、重だるい身体のまま過ごし続けないでください。
いつ頃から増えてきたか、むくみと冷えの様子、健診の数値、食事の内容を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたのタイプに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
代謝の低下は、更年期の不調や肝臓の数値、脂質異常症と重なっていることが多いお悩みです。ご自身の状態に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















