
「転んで骨折して初めて病院で検査を受けたら、骨密度がかなり低いことが分かってショックを受けた」
「病院で骨を強くする注射や飲み薬を勧められたけれど、これを一生続けていくのかと思うと不安になる」
「骨のために毎日頑張って牛乳を飲んでいるのに、検査のたびに数値が下がっていてどうしていいか分からない」
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のご相談で太陽堂に来られる方のきっかけで最も多いのは、「転んで骨折するようになって、初めて計ってみたら骨密度がスカスカだった」というものです。痛みなどの自覚症状が全くないまま静かに進行し、骨折して初めて気づく——だからこそ「沈黙の病気(サイレント・ディジーズ)」と呼ばれ、発覚した時に強い不安を感じてしまうのです。
今回は、病院の治療と併用しながら「骨を丈夫にする漢方薬 + ミネラルを補充する漢方薬」の2本柱で骨を根本から育てる漢方の考え方と、意外と誤解の多いカルシウムの摂り方(牛乳よりも海藻・小魚が良い理由)について、骨密度の数値に変化が見られた実例とともに、薬剤師の視点から詳しく解説いたします。
【この記事の結論:「骨密度が下がってきた」に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 西洋医学では加齢や閉経によるホルモン低下で「骨を壊す細胞」が優位になる状態とされますが、漢方では生命力と骨の土台である「腎(じん)」のエネルギーの衰えと、骨を作る材料(ミネラル)不足が根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: 西洋薬(骨を壊すのを防ぐ薬)と併用しながら、漢方で①骨の土台(腎)を丈夫にする ②骨の材料(ミネラル)を直接補充する——という「作る側のアプローチ」で骨を育てます。良し悪しは自覚症状ではなく、病院の骨密度検査の数値で確かめます。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 骨粗鬆症、骨密度が下がってきた方、圧迫骨折を繰り返す方、同年代(YAM値)と比較して骨がスカスカだと言われた方、病院の注射や薬だけに頼るのが不安な方
「骨折して初めて分かった」——骨粗鬆症のご相談の実像
私たちの骨は、一度作られたらそのままではなく、古い骨を壊す働き(破骨細胞)と、新しい骨を作る働き(骨芽細胞)を毎日休まず繰り返して、常に新しく生まれ変わっています(骨代謝)。
しかし、加齢や閉経による女性ホルモン(エストロゲン)の減少によってこのバランスが崩れ、「壊す方」ばかりが優位になってしまうと、骨の中がスカスカになってしまいます。これが「骨粗鬆症」です。
やっかいなのは、骨密度がじわじわと下がっていく過程では、痛みやだるさといった自覚症状がほとんどないことです。太陽堂の店頭でも、「背中が痛くて受診したら圧迫骨折をしていて、検査で骨密度がかなり低いと言われた」「ちょっと手をついただけで骨折して初めて分かった」という方が非常に多くいらっしゃいます。
そして皆さん、同じ深い不安を口にされます。
「注射や薬をずっと続けるしかないのでしょうか」
「食事や自分の力で、何とか立て直す方法はないのでしょうか」
この記事は、その切実な疑問に真っ直ぐに答えるためのものです。
【薬剤師コラム①】病院の骨の薬と漢方は「併用可能」です
担当薬剤師:石川
「病院で勧められた骨粗鬆症の注射や飲み薬をやめて、自然な漢方薬だけに切り替えたいのですが……」
太陽堂の店頭でこのようなご相談をいただくことがありますが、私たちの答えはとてもシンプルです。「病院のお薬と漢方薬は、併用可能です。どちらか一方だけを選ぶ必要はありませんよ」とお伝えしています。
なぜなら、病院で処方されるお薬(ビスホスホネート製剤やデノスマブなど)の多くは、主に「骨を壊す働きを強力に抑え込んで、これ以上骨密度が減るのを食い止める」方向のアプローチです。
一方の漢方薬は、「骨を作る側の土台のエネルギーを高め、必要な材料を直接送り込んで骨を育てる」というアプローチです。つまり、両者は『守り』と『育てる』で役割が重ならないため、併用が理にかなっているのです。
もし病院の治療をお休みしたい場合でも、自己判断で急にやめるのではなく、必ず骨密度の数値の推移を見ながら主治医の先生と相談して進めてください。飲んでいるお薬・打っている注射の名前は、漢方ご相談の際にすべてお知らせいただければ、安全な飲み合わせを私たちがしっかりと確認いたします。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 骨を壊す働きを薬で強力に抑え、骨密度の低下を食い止める | 骨を作る材料と土台(腎)のエネルギーを補い、骨を育てる |
| 得意なこと | 骨密度測定(DEXA法等)による正確な診断、骨折リスクが高い場合の進行抑制 | 材料(天然ミネラル)の直接補充、体質の側からの根本的な立て直し |
| 代表的な手段 | ビスホスホネート製剤、骨粗鬆症治療注射、活性型ビタミンD3製剤など | 骨を丈夫にする漢方薬 + ミネラルを補充する漢方薬の組み合わせ |
| 気になる点 | 薬を長く続けることへの漠然とした不安を感じる方もいる | 変化の確認は「次の骨密度検査」のタイミングまで待つ必要がある |
| 両者の関係性 | 低下を食い止める「守りの軸」 | 作る側を支える「育てる軸」——併用可能です |
漢方から見た骨粗鬆症——「土台」と「材料」の2本柱の組み立て
太陽堂では、骨粗鬆症に対して「ただカルシウムを摂ればいい」とは考えず、以下の2本柱を組み合わせて漢方薬をオーダーメイドで調合します。
軸① 骨を丈夫にする漢方薬(補腎:ほじん)
- 狙い: 東洋医学では、「骨は『腎(じん)』が司る」と考えます。加齢とともに衰えやすい生命力と骨の土台である「腎」のエネルギーを補い、骨そのものを丈夫にする方向の漢方薬を軸に据えます。これが骨を作るための「工場(土台)」を立て直す役割です。
軸② ミネラルを補充する漢方薬(補陰・補血)
- 狙い: 立派な工場があっても、材料がなければ骨は作れません。新しい骨を作るには良質な材料が必要です。漢方薬の中で天然のミネラルを豊富に含む生薬(牡蠣殻=ボレイ由来の製剤など)を組み合わせることで、「作る側」に必要な材料を身体の中から切らさないようにします。実例でも、この2本柱が組み立ての中心となっています。
効果の確かめ方も、とてもはっきりしています。
「痛みがなくなったから治った」という自覚症状ではなく、「病院で骨密度を計った結果(DEXA法などの数値)」で客観的に見る——これが太陽堂の考え方です。次の検査のタイミングを一つの区切りとして、数値の変化を一緒に確認していきます。
【薬剤師コラム②】カルシウム=牛乳、は誤解が多いところです
担当薬剤師:林
骨粗鬆症の生活養生の基本は2つあります。「運動はした方が良い」。そして「カルシウムを多く摂る」。ここまでは皆さんもテレビ等でよくご存知の通りです。
ただ、太陽堂の店頭で患者さまのお話を伺っていると、一つ大きな「誤解」をされている方が非常に多いことに気づきます。それは、カルシウム源を「牛乳(乳製品)」だけに頼っていることです。
「骨を強くするために、毎日頑張って牛乳をガブガブ飲んでいます」とおっしゃる方は本当に多いのですが、実は私たちが店頭で一番おすすめしているカルシウム食材は、牛乳ではありません。
骨のために一番良いのは、「海藻類」と「頭から尻尾まで丸ごと食べられる小魚」です。
わかめ、ひじき、昆布などの海藻類や、しらす、いわしの丸干し、小エビなどの小魚は、カルシウム単体だけでなく、骨を作るために必要なマグネシウムなどのさまざまな「天然のミネラル」を丸ごと摂れる、昔ながらの『骨の食材』なのです。
牛乳でお腹がゴロゴロする方は無理に飲む必要はありません。毎日の食卓に一品、海藻か小魚のおかずを足すことから、ぜひ始めてみてください。
【改善実例】骨密度の数値に変化が見られたエピソード
①【圧迫骨折の後、骨密度がかなり低いと判明】70代 女性|6ヶ月で骨密度が上がり、痛みもなくなった
【ご相談時の状態】 圧迫骨折の後に腰の痛みが出てきたため病院でレントゲンを撮ったところ、脊椎すべり症と診断。検査で骨密度がかなり低いことが分かり、注射を勧められたとのことでご相談に来られました。起き上がる時に痛みが出て、寝ている時は痛みを感じないとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①骨を丈夫にする漢方薬 ②ミネラルを補充する漢方薬 の2種類を組み合わせてお出ししました。
- 6ヶ月後: 骨密度も上がり、痛みもなくなったとのこと。調子の良い日が増えているとのことでした。
- 1年後: 動き過ぎた日は夕方に痛むこともあるものの、基本は痛みなく調子良く過ごせているとのことでした。
②【腰痛で受診して骨粗鬆症と診断】70代 女性|6ヶ月後の検査で骨密度の数値が正常まで戻った
【ご相談時の状態】 腰の痛みが気になり病院に行ったところ、骨粗鬆症と診断された方です。腰の痛みと骨粗鬆症、どちらも改善が見られればとご相談に来られました。動いている時に痛みが強いとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①骨を丈夫にする粉薬 ②ミネラルを多くする粉薬(牡蠣殻製剤) の2種類を組み合わせてお出ししました。
- 1〜3ヶ月後: 痛みが軽減し、寒くなっても痛みは出ていないとのこと。
- 6ヶ月後: 病院の検査で骨密度の数値は正常まで戻っていたとのこと。腰痛も今は大丈夫とのことで、ご本人の希望により治療終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状や数値の改善を保証するものではありません。
▼骨粗鬆症の改善実例をもっと見る
ご自宅でできる、骨を育てる暮らしの基本(セルフケア)
- 運動の習慣を続ける(骨に負荷をかける): 骨は、歩く・階段を昇るなどの「物理的な適度な負荷(衝撃)」がかかることで、初めて作る働きが刺激され強くなります。転倒には十分に気をつけながら、散歩など無理のない範囲で身体を動かす習慣を続けましょう。
- 海藻類・小魚を毎日の食卓に: コラムでお伝えした通り、カルシウム源は牛乳だけに頼らず、わかめ・ひじきなどの海藻類と、頭ごと食べられる小魚から摂るのが東洋医学の理想です。毎日のおかずに一品足すことから始めてください。日光(ビタミンD)を浴びることもお忘れなく。
- 骨密度の検査結果を必ず保管する: 数値の推移こそが、この漢方アプローチの最大の通信簿です。検査のたびに結果の紙を大切に取っておき、ご相談時にお持ちください。上がっているのを確認できると、大きな励みになります。
よくあるご質問(FAQ)
病院の注射や飲み薬と、漢方薬は併用できますか?
はい、併用可能です。
病院のお薬は「骨を壊す働きを抑える」方向、漢方薬は「骨を作る材料と土台を補う」方向で、役割が重なりません。ご相談の際に、現在使用中のお薬や注射の名前をお知らせください。
カルシウムは牛乳では駄目なのですか?
店頭で一番おすすめしているのは、牛乳ではなく「海藻類」と「頭ごと食べられる小魚」です。
「カルシウム=牛乳」と思い込んで牛乳だけに頼っている方が多いのですが、ここは誤解の多いところです。わかめ・ひじき・昆布、しらすやいわしの丸干しなどを毎日の食卓に取り入れてみてください。
効果はどうやって確かめるのですか?
骨密度を計った「検査結果の数値」で確かめます。
骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状で良し悪しを判断できないため、病院での骨密度検査の数値を区切りとして見ていきます。実例では6ヶ月後の検査で変化が確認できた方もいらっしゃいますが、個人差があります。
すでに骨折した後からでも、間に合いますか?
骨折をきっかけにご相談に来られる方が実際に多く、そこから取り組みを始めています。
実例①の方も、圧迫骨折の後に骨密度の低さが分かってからのスタートでした。「もう遅い」と諦める前に、まずはご相談ください。
運動は何をすればいいですか? 激しい運動はできません。
激しい運動は必要ありません。まずは「怪我せず続けられる運動」で大丈夫です。
骨は負荷がかかることで作る働きが刺激されるため、「運動はした方が良い」というのが店頭からの答えです。ウォーキングなど、ご自身の膝や腰に無理のないものから、習慣として続けることを優先してください。
病院の薬をやめたいのですが、相談できますか?
お気持ちのご相談は承ります。ただし、やめる・減らすの判断は骨密度の数値を見ながら、必ず主治医の先生と相談して進めてください。
自己判断での中断はおすすめしません。漢方薬は病院の治療と併用できますので、「薬をやめるため」ではなく「病院の薬と併せて骨を育てるため」に始めるのが安全な形です。
まとめ:自覚ではなく「数値」で確かめながら、骨を育てる
「骨密度がどんどん下がっていくのを、ただ見ているだけで不安だ」
「注射を一生続けると言われて、本当にこのままでいいのか悩んでいる」
骨粗鬆症は、「骨折して初めて分かる」ことが多いからこそ怖い病気です。でも、数値を指摘されてからでも、骨折した後からでも、身体の土台を立て直すためにできることはあります。
- 漢方薬は「骨を丈夫にする(腎)+ミネラルを補充する」の2本柱で骨を育てる
- 病院の「骨を壊すのを防ぐ治療」とは役割が違うため、安全に併用可能
- 養生は適度な運動(負荷)と、牛乳よりも「海藻・小魚」でミネラルを摂る
この取り組みの成果は、自覚症状ではなく「骨密度の検査結果」という客観的な数字がはっきりと教えてくれます。
そんなお悩みを抱えている方は、どうぞ一人で抱え込まずに太陽堂へご相談ください。直近の骨密度の数値・お薬の内容・食生活を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの体質にピタリと合わせた漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
骨粗鬆症に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
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▼脊柱管狭窄症をおすすめされた方へ
▼坐骨神経痛は漢方で良くなる?
▼からだの痛みのご相談一覧
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。














