
「テグレトールを飲むと痛みは落ち着くけれど、眠気やふらつきで一日ぼんやりしてしまう」
「痛みを抑えるために、だんだんお薬の量が増えていくのが怖い」
「お薬をしっかり飲んでいるのに、痛みがスッキリと和らぎきらない」
顔に激痛が走る「三叉神経痛」のご相談で、太陽堂はこうしたテグレトール(カルバマゼピン)へのお悩みを数多くうかがっています。実際に来局された方からお聞きした割合として、およそ3人に1人が、眠気や吐き気などの副作用のお話をされます。
今回は、テグレトールがどういうお薬なのかに触れながら、副作用がつらいとき・痛みが和らぎきらないときの考え方と、漢方でできる体質ケアについて、薬剤師の視点から解説いたします。
【この記事の結論:「テグレトールの副作用と三叉神経痛」に対する漢方の考え方】
- 痛みの正体: 西洋医学では神経の異常な興奮(ショート)とされますが、漢方では顔まわりにこもった「過剰な熱(炎症)」や「血の滞り(瘀血)」が根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: お薬で神経を強制的に麻痺させるのではなく、こもった熱を優しく冷まし、血流を巡らせることで「痛みが起きにくい体質」へ整えていきます。
- 対象となる主な疾患: 三叉神経痛、舌咽神経痛、帯状疱疹後神経痛、群発頭痛(いずれも顔や頭に激痛が走る疾患)
【太陽堂における「テグレトールとのつきあい方」への向き合い方】
- 飲む・飲まないの判断に、私たちが立ち入ることはできません: お薬の増減は、主治医の先生とご本人が決めることです。ここだけは大前提としてお伝えしています。
- 実際には: 副作用が出た方は、医師の判断で中止・減量されたあとに漢方相談に来られる方がほとんどです。
- いま副作用が出ている方には: まず処方医の先生へのご相談をおすすめし、それでも続けたい場合は胃腸などを助ける漢方で体の側をお支えします。
- 手術やブロック注射を検討中の方は: 緊急を要さないのであれば、漢方薬を先に始めて様子を見るという考え方もあります(くわしくは記事の中で後述します)。
三叉神経痛そのものの原因や、太陽堂の漢方サポートの全体像については、こちらの疾患ページで詳しくご紹介しています。
テグレトール(カルバマゼピン)はどういうお薬か
テグレトールは、神経の過剰な高ぶりを鎮めて、痛みの発作を抑えるお薬です。もともとはてんかん等のお薬ですが、三叉神経痛の治療でも最初に使われることが多く、よく効く方もたくさんいらっしゃいます。
一方で、脳や神経の興奮を抑えるという性質上、眠気・ふらつき・吐き気・だるさなどが出ることがあります。
痛みを抑えるために量を増やすと、そのぶん副作用も出やすくなる——このバランスに悩まれている方が、太陽堂には多く相談に来られます。
【薬剤師コラム①】テグレトールの相談、店頭での実感
担当薬剤師:前原(調剤薬局・漢方専門薬局での勤務経験あり)
三叉神経痛のご相談では、「お薬は効いているけれど、副作用がつらい」という方が6割、「そもそも痛みが和らぎきらない」という方が4割——それくらいの割合だと感じています。
副作用としてうかがうのは、眠気やふらつき、吐き気など。実際に来局された方からお聞きした割合として、3人に1人はこうしたお話をされます。
ただ、副作用が出た方は、主治医の先生の判断で中止や減量をされたあとに、漢方相談に来られる方がほとんどです。もしいま副作用が出ていてどうしようか迷っているなら、一人で悩まず、まず処方医の先生にお伝えください。そのうえで「お薬を続けたい」というご事情があれば、胃腸を助ける漢方でお支えすることができます。
副作用がつらいとき、太陽堂がお伝えする2つのこと
他のお薬の副作用のご相談と同じく、太陽堂では次の順番でお伝えしています。
- まず、処方医の先生にご相談ください: 量を減らす、別のお薬に変える、いったん中止する——どれを選ぶかは、処方した先生の判断が最優先です。
- それでも続けたいご事情がある場合に限り、胃腸を助ける漢方を組み立てます: 吐き気や食欲の低下は、胃腸の働きを助ける漢方薬で支えられることがあります。
そして「痛みが和らぎきらない」方には、お薬とは別の角度から——神経周りの炎症と、痛みが出やすい体質そのものに対して、漢方でアプローチしていきます。
【薬剤師コラム②】手術やブロック注射を検討中の方へ
担当薬剤師:椙田(漢方専門薬局での勤務経験あり)
「手術(神経血管減圧術)やブロック注射を勧められているのですが、どう思いますか?」というご相談をいただくことがあります。
私たちの経験では、手術やブロック注射の後だと、漢方の届きが鈍くなることもあると感じています。ですので、緊急を要さないのであれば、漢方薬を先に始めて様子を見ていただいてからでも良いのでは、とお話ししています。
もちろん、最終的に決めるのは主治医の先生とご本人です。痛みの程度や生活への影響もお聞きしながら、ご自身が一番納得できる選択を一緒に考えていければと思います。
太陽堂の漢方アプローチ|どんな働きの漢方を使うのか
太陽堂では、お一人おひとりの状態に合わせて、大きく次のような働きの漢方薬を組み合わせています。
| 働き | ねらい |
| 炎症を抑える漢方薬 | 痛みの元になっている、顔まわりや神経周りの炎症(熱)に対してアプローチします。 |
| 痛みを鎮めていく漢方薬 | ピリッと発作的に走る痛みを、穏やかに和らげていきます。 |
| 胃腸を助ける漢方薬 | テグレトールを続けたい方の、吐き気や食欲低下の支えとして用います。 |
どの組み合わせを使うかは、痛みの部位・程度・体質によって変わります。具体的な内容は、じっくりとご相談いただいたうえで組み立てます。
【改善実例】テグレトールを減らし、漢方のみで痛みが落ち着いたケース
【昭和43年生 男性】まばたきや風でも痛みが走る状態から
1年半前に顔に痛みが走り、病院で三叉神経痛と診断。テグレトールで落ち着いたり再発したりを繰り返し、スッキリしなかったため、ご相談に来られました。
痛みは右の鼻横・眉尻から額にかけて。ひどい時は、まばたきや風にあたるだけでも激痛が走る状態でした。
お渡ししたのは、①炎症を抑える漢方薬 ②痛みを鎮めていく漢方薬 の2種類です。
- 3ヶ月後: 最初の1〜2ヶ月はあまり変わらなかったものの、3ヶ月目から急に痛みが減少。併用しているテグレトールも減らせているとのこと。
- 6ヶ月後: 用法どおりに服用して、痛みは落ち着いている。
- 9ヶ月後: 痛みはほぼなく過ごせているため、漢方の量を減らして様子を見ることに。
- 1年2ヶ月後: 漢方を減らしても痛みはほぼ起きていない。今回からテグレトールを中止して様子を見ることに。
- 1年5ヶ月後: 漢方薬のみの服用で、痛みは穏やかに落ち着いています。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。また、お薬の減量・中止は必ず主治医の先生と相談しながら進めたケースです。
当薬局には、三叉神経痛の症例が数多く蓄積されています。実際の経過や患者様のお声は、ぜひこちらを参考にされてください。
テグレトールと漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
テグレトールを飲みながら、漢方薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
基本的には併用いただけます。
服用時間をずらしていただければ、特に心配はいりません。お薬手帳をお持ちいただければ、専門薬剤師がしっかりと飲み合わせを確認いたします。
漢方でテグレトールを減らしていけますか?
お約束はできませんが、上の実例のように減らしていけた方はいらっしゃいます。
大事なのは順番です。漢方で痛みが落ち着いてきたのを確認しながら、主治医の先生と相談のうえで段階的に減らしていく形になります。ご自身の判断だけで急に減らすことは避けてください。
手術やブロック注射を勧められています。漢方とどちらが先ですか?
緊急を要さないのであれば、漢方を先に試すという考え方もあります。
手術やブロック注射の後だと、漢方の届きが鈍くなることもあるというのが私たちの経験です。痛みの程度や緊急性によって判断は変わりますので、主治医の先生の見立てとあわせてご相談ください。
まとめ|「効いているけどつらい」も「和らぎきらない」も、次の手はある
テグレトールのご相談は、「効いているけれど副作用がつらい」が6割、「痛みが和らぎきらない」が4割——どちらのお悩みにも、漢方でサポートできることがあります。
副作用が出たときは、まず処方医の先生へ。そのうえで、痛みの元と体質に漢方でアプローチしながら、落ち着いて次の一手を決める——そんな進め方があります。お薬の不安も痛みの辛さも、どうか一人で抱え込まないでください。
関連するお悩み・疾患のご案内
テグレトールなどの神経痛のお薬を飲まれている方や、顔・頭の痛みでお悩みの方は、こちらのページもぜひご参照ください。
▼ 帯状疱疹のあと、ピリピリとした痛みが長引いている方
▼ 物を飲み込むときや、あくびをした時に喉の奥が激しく痛む方
▼ 締め付けられるような頭痛や、目の奥がえぐられるような頭痛がある方
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















