
「病院で専用のインソール(中敷き)を作ってもらったのに、歩き出すとやっぱり足の指の付け根がピリッと痛い……」
「ロキソニンを毎日飲んでも、踏み込んだ瞬間の刺すような痛みやしびれは変わらない……」
「ブロック注射をすると少し楽になるけれど、しばらくするとまた戻ってしまう。手術の話も出ていて、どうしたらいいのか迷っている……」
新宿の漢方薬局「太陽堂」にモートン病(足の指の付け根の神経痛)でご相談に来られるのは、40代以上の女性が多く、ほとんどの方が立ち仕事を経験されています。ハイヒールを履く方の病気という印象がありますが、店頭では、必ずしもヒールを履いている方ばかりではありません。
ご相談のきっかけで一番多いのは「インソールで変わらない」、次が「ロキソニンが効かない」、その次が「注射で一時的に楽になるが戻る」、そして「手術を勧められて迷っている」の順です。
このページでは、インソールや痛み止めで痛みが引かない理由、漢方の考え方、手術を勧められたときに店頭でお伝えしていること、変化の目安、靴と足の養生、実際の経過をご説明します。
(※モートン病の原因や病院での治療の説明は、モートン病の本体ページにまとめています。このページは「インソール・痛み止め・注射を試しても痛みが残る」方に向けた考え方です。)
【この記事の結論:インソールでも痛み止めでも引かない足裏の痛みに対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): インソールは足にかかる負担を減らす道具、痛み止めは炎症を抑えるお薬です。どちらも大切ですが、①患部まわりの水はけが悪く、腫れが神経を圧迫している ②血の流れが悪く、傷んだ神経の回復が追いつかないという身体の内側の状態が残っていると、痛みが続きやすいと漢方では考えます。
- 漢方の解決策: 病院の治療(インソール・痛み止め・注射)は続けながら、タイプに合わせて「不要な水をさばいて腫れと熱を鎮める」「血の流れを整えて神経に栄養を届ける」漢方薬を組み合わせます。安静にしていても痛む方で、医師から手術を勧められている場合は、手術を優先していただくようお伝えしています。
- 対象となる主なお悩み: インソールを作っても歩くと痛い方、ロキソニンが効かない方、注射で楽になっても戻ってしまう方、手術を勧められて迷っている方、立ち仕事で足の指の付け根が痛む方
インソールでも痛み止めでも痛みが引かない理由
モートン病は、足の指に向かう神経が、指の付け根で圧迫されて痛みやしびれが出る状態です。中指と薬指の間に起こることが多く、歩いているとき・立っているときに、足先に体重が乗った瞬間にピリッと痛みが走ります。
インソールは、崩れた足のアーチを支えて神経への圧迫を減らします。痛み止めは炎症を抑え、注射は痛みの信号を一時的に止めます。どれも理にかなった治療です。それでも痛みが残る方には、漢方では次の2つの状態が続いていると考えます。
- 水はけが悪く、腫れが引かない(水毒:すいどく): 患部のまわりに余分な水分が溜まり、むくみが神経を圧迫している状態です。腫れぼったさ、鈍い痛み、夕方に足がパンパンにむくむ、雨の日に重だるい、という方に多く見られます。
- 血の流れが悪く、神経の回復が追いつかない(瘀血:おけつ): 足先まで血が十分に届かず、傷んだ神経に栄養が回らない状態です。ピリピリと刺すような痛み、足先の冷え、長く続いている痛みの方に多く見られます。
立ち仕事を長く続けてきた方は、足に水も血も溜まりやすく、この2つが重なっていることが少なくありません。外側から負担を減らす治療と、内側から水はけと血流を整える漢方は、役割が違うので一緒に進められます。
病院の治療との付き合い方・先に受診してほしいとき
インソール、ロキソニンなどの痛み止め、注射は、漢方と併用できます。病院の治療を自己判断でやめる必要はありません。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
※念のため:安静にしていても・横になっていても痛む/しびれが足の指だけでなく足全体やふくらはぎまで広がってきた・足に力が入らない・よくつまずく/赤く腫れて強い熱を持っている——こうした場合は、漢方の相談より先に、整形外科を受診してください。まだ診断を受けていない方も、腰など別の場所の病気と見分けるため、一度、整形外科で診てもらってください。
モートン病の原因や病院での治療については、本体ページをご覧ください。
漢方の考え方|水はけと血流を整えて、痛みが出にくい足へ
漢方では、痛みを直接止めるのではなく、痛みが続く背景になっている「水の停滞」と「血の滞り」に働きかけます。腫れと熱が引けば神経への圧迫がゆるみ、血が巡れば傷んだ神経の回復を後押しできる、という考え方です。
【比較表】あなたはどちら? 2つのタイプと漢方アプローチ
| タイプ | 痛みの出方・体質 | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| ①水はけが悪いタイプ (水毒) | 腫れぼったい、鈍い痛み、夕方に足がむくむ、雨の日に重だるい、患部に熱っぽさがある。 | 【不要な水をさばき、腫れと熱を鎮める漢方薬】 患部まわりの水はけを良くして腫れを軽くし、こもった熱を冷まして痛みを和らげます。 |
| ②血の流れが悪いタイプ (瘀血) | ピリピリ・刺すような痛み、足先が冷える、痛みが長く続いている。 | 【血の流れを整え、神経に栄養を届ける漢方薬】 滞った血を流して足先まで栄養を届け、傷んだ神経の回復を後押しします。 |
(※①と②が重なっている方も多くいらっしゃいます。ご自身でどちらか分からなくても大丈夫です。「いつから」「どんなときに痛むか」「お仕事や靴のこと」を伺いながら、こちらで整理します。)
神経の痛み全般の漢方の考え方は、痛む場所ごとに整理した記事でまとめています。
【薬剤師コラム①】「手術した方がいいですか?」と聞かれたら
担当薬剤師:椙田
店頭で「手術した方がいいですか?」と聞かれたときは、まず、医師からどのように言われているかを伺います。お答えは、それによって変わります。
モートン病の痛みは、通常は歩いているときや立っているときに出ます。安静にしているときや横になっているとき、つまり患部に負荷がかかっていないときにも痛みがあって、医師から手術を勧められている場合は、手術を優先した方が良いとお伝えしています。
歩くとき・立っているときだけ痛む方で、「できれば足にメスは入れたくない、手術の前にできることを試したい」という場合は、主治医と相談のうえで、漢方で水はけと血流を整えることをご提案しています。
変化の目安|1〜3ヶ月・3〜6ヶ月・6〜12ヶ月
モートン病は、毎日歩くことで患部に負担がかかり続けるため、じっくり時間をかけて見ていきます。太陽堂では、次のような目安で一緒に確認しています。
- 1〜3ヶ月: 痛みの軽減。踏み込んだ瞬間の痛みが和らいできたかを見ます。
- 3〜6ヶ月: さらに痛みが鎮まり、買い物の行き帰りなど「痛みのない時間」が延びてくるかを見ます。
- 6〜12ヶ月: 痛みがごくわずかになる、あるいは感じなくなることを目指します。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
養生|「歩かない」ではなく「負担を減らす」
- 合わない靴を履かない: つま先が細い靴(パンプスなど)、足幅がきつい靴、底が薄く硬い靴は、指の付け根に負担が集まります。ヒールでなくても、足に合っていない靴は同じです。
- 患部のまわりに負担をかけすぎない: 1日まったく歩かないのは難しいと思います。長く立ち続ける・つま先立ちの姿勢が続く・硬い床を長く歩く、といった場面を、できる範囲で減らしてください。
- 熱感を覚えたら、できる限り冷やす: 歩いたあとに患部が熱っぽいときは、炎症が強まっているサインです。そのときは温めずに、保冷剤などで少し冷やしてください(冷やしすぎには注意してください)。
- インソールは続ける: 病院で作ったインソールは、漢方を始めてからも使い続けてください。外からの負担を減らすことと、内側を整えることは、両方あって進みやすくなります。
【薬剤師コラム②】まったく歩かない日は作れないからこそ
担当薬剤師:前原
モートン病の難しいところは、痛む場所を休ませたくても、1日まったく歩かないというのが難しいことです。お仕事も家事も買い物もありますから、「安静にしてください」だけでは続きません。
ですから店頭では、合わない靴を履かない、患部のまわりに負担をかけすぎない、熱感を覚えたときはできる限り冷やす——この3つを必ずお伝えしています。特別なことではありませんが、毎日の積み重ねで、患部にかかる負担は変わってきます。
【改善実例】モートン病の痛みが和らいでいったエピソード
【鎮痛剤で変わらなかった左足裏の痛み】60代 男性|2ヶ月で痛みが半分以下に
【ご相談時の状態】 2ヶ月前から症状が出始め、病院で「モートン病」と診断された方です。病院の鎮痛剤では改善が見られず、ご相談に来られました。症状は左足裏の痛みで、歩いているときに痛みがひどくなるとのことでした。
【太陽堂の提案】 ①神経の痛みを鎮める漢方薬 ②血の流れを整える漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 2ヶ月後: 痛みが半分以下になっているとのことでした。この調子でさらに痛みが鎮まっていくことを目指して、続けていただいています。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。病院の薬の中止・変更、手術の判断は、主治医のもとで行ってください。
よくあるご質問(FAQ)
インソールやロキソニン、注射と一緒に漢方を飲んでも大丈夫ですか?
はい、多くの場合、併用していただけます。インソールで外からの負担を減らしながら、漢方で水はけと血流を整えていきます。
病院の治療を自己判断でやめる必要はありません。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認します。
手術を勧められています。その前に漢方を試してもよいですか?
医師からどのように言われているかによります。安静にしているとき・横になっているときにも痛みがあって手術を勧められている場合は、手術を優先した方が良いとお伝えしています。
歩くとき・立っているときだけ痛む方で、手術の前にできることを試したい場合は、主治医に相談のうえで、漢方のご提案をしています。手術をするかどうかの判断は、主治医と決めてください。
ロキソニンで胃が荒れてしまいます。それでも続けるしかありませんか?
胃が荒れる方は、我慢して飲み続けず、そのことを主治医に伝えてください。漢方は胃の状態も伺いながら、胃腸を守る方向で組み立てます。
痛み止めで胃が荒れる理由と対策は、別の記事でまとめています。
どのくらいの期間で変化を感じられますか?
目安として、1〜3ヶ月で痛みの軽減、3〜6ヶ月でさらに痛みが鎮まり痛みのない時間が延びる、6〜12ヶ月で痛みがごくわずかになる・感じなくなる、という流れを考えています(※個人差があります)。
毎日歩くことで負担がかかり続ける場所なので、靴と足の養生を一緒に進めることが大切です。
費用はどのくらいかかりますか?
漢方薬の費用は、週5,000円前後〜(月2万円前後〜)が目安です。相談料は無料です。
タイプによって組み合わせる漢方薬の内容が変わりますので、お作りする前に必ず金額をお伝えします。ご予算のご希望も含めて率直にお伝えください。
まとめ|外から負担を減らし、内側から水はけと血流を整える
「インソールも痛み止めも注射も試したのに、歩くたびに痛い。もう手術しかないのだろうか」
- インソールや痛み止めで痛みが残るとき、漢方では「水はけの悪さ」と「血の流れの悪さ」が続いていると考えます。病院の治療は続けながら、内側から整えていきます。
- 安静にしていても痛む方で、医師から手術を勧められている場合は、手術を優先してください。歩くとき・立っているときだけ痛む方は、主治医と相談のうえで漢方を並行できます。
- 合わない靴を履かない、患部に負担をかけすぎない、熱感があれば冷やす。変化は1〜3ヶ月、3〜6ヶ月、6〜12ヶ月の単位で見ていきます。
「歩くのが仕事だから仕方ない」と、一歩ごとの痛みを我慢し続けないでください。
いつから続いているか、どんなときに痛むか、お仕事や靴のこと、病院で言われていることを丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、新宿の漢方薬局「太陽堂」があなたのタイプに合った漢方ケアをご提案いたします。
関連するお悩み
足裏や足の指の痛みは、近い場所の別のお悩みと重なっていることもあります。ご自身の症状に近いページもぜひご参照ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。















