
「最近、少し脂っこいものを食べただけで、翌日まで胃もたれが続く」
「50代に入ってから消化不良が治らない。更年期のせいだろうか?」
「歳だから胃が弱くなったのだと諦め、食事の量を減らしている」
50代〜60代になり、このような「胃腸の衰え」を感じていませんか?多くの方が「加齢による胃の衰え」や「更年期の自律神経の乱れ」だと自己判断しがちですが、実はその長引く不調、胃ではなく「膵臓(すいぞう)の老化」が原因かもしれません。
この記事では、新宿の漢方薬局「太陽堂」が、更年期世代が見落としがちな膵臓の機能低下と、年齢に負けない消化吸収力を育てる漢方アプローチについて解説します。
【この記事の結論:胃薬が効かない50代の胃もたれと漢方ケア】
- 現状の悩み: 50代を過ぎてから胃もたれや消化不良が治らず、更年期や加齢のせいだと諦めている。
- 西洋医学の視点: 胃の衰えだけでなく、加齢によって膵臓から分泌される「消化酵素(リパーゼ等)」が減少し、脂質を処理しきれなくなる「膵外分泌機能不全」の可能性。
- 漢方の視点: 加齢に伴い、生命力の源である「腎(じん)」と消化吸収を司る「脾(ひ)」のエネルギーが同時に低下する「脾腎両虚(ひじんりょうきょ)」などの未病状態。
- 解決へのアプローチ: 市販の胃薬でごまかしたり無理に食事を減らしたりするのではなく、漢方で内臓全体を温めて「こなす力」を底上げし、栄養をしっかり吸収できる体づくりを目指す。
※加齢に伴う消化機能の低下や体重減少に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらの【膵性消化不良(膵外分泌機能不全)の漢方サポートページ】もあわせてご覧ください。
【西洋医学の視点】「胃が弱くなった」は勘違い?50代に訪れる膵臓の曲がり角
50代前後は、女性ホルモンや男性ホルモンのバランスが急激に変化する「更年期」にあたります。この時期は自律神経が乱れやすいため、確かに胃腸の働きが落ちることは珍しくありません。
しかし、長引く胃もたれや食後の重だるさの原因は、胃だけにあるとは限りません。実は、食べ物をドロドロに溶かすための「消化酵素」を出す『膵臓』も、年齢とともに老化(機能低下)するのです。
特に、脂質を分解する酵素である「リパーゼ」の分泌量は、加齢とともに減少しやすいと言われています。そのため、若い頃と同じように食事をしても膵臓が油を処理しきれず、結果として「いつまでも胃に食べ物が残っているような不快感(胃もたれ)」や「便が油っぽくなる(脂肪便)」といった症状を引き起こします。
【要注意】更年期の肩こり・背部痛と間違えていませんか?
更年期の症状としてよくある「背中の張り」や「肩こり」だと思い込み、頻繁にロキソニンなどの鎮痛剤(NSAIDs)を飲んだり湿布を貼ったりしている方はいませんか?
実は、膵臓の疲労は「左側の背中の鈍痛」として現れること(放散痛)があります。これを単なる凝りだと勘違いして痛み止めを飲み続けると、薬の副作用で胃腸が荒れ、さらに消化吸収力が落ちて膵臓への負担が増すという悪循環に陥ってしまいます。薬が効かない長引く不調は、内臓のSOSを疑うことが大切です。
【太陽堂コラム】漢方で紐解く「加齢と消化力」の深い関係
ここで、東洋医学(漢方)の視点から50代以降の消化不良について解説してもらいましょう。薬剤師の林と石川がお答えします。
【薬剤師コラム①】生命力の低下が「脾(胃腸)」を引っ張る
担当薬剤師:林 泰太郎(調剤薬局での勤務経験あり)
「歳だから仕方ない」と食事を減らしてしまうと、筋肉や血液を作る栄養が不足し、ますます老け込んでしまいます。漢方では、加齢や更年期によって生命力の貯蔵庫である『腎(じん)』のエネルギーが衰えると、消化吸収の要である『脾(ひ)』にも影響を与え、内臓全体が冷えて機能が落ちる(脾腎陽虚)と考えます。
胃薬でその場をしのぐのではなく、根本の『腎』と『脾』を同時に温め、エンジンの火を再び灯してあげることが、50代からの養生の基本です。
【薬剤師コラム②】更年期のストレスが追い討ちをかける
担当薬剤師:石川 満理奈(調剤薬局での勤務経験あり)
更年期はホルモンバランスの乱れから、イライラしたり落ち込んだりと、精神的なストレス(気の滞り)を抱えやすい時期です。この『気』の滞りは、ただでさえ加齢で弱っている胃腸や膵臓の働きをさらに締め付けてしまいます。これを漢方では『肝脾不和(かんぴふわ)』と呼びます。
単に消化を助けるだけでなく、更年期特有の『自律神経の緊張』を優しく解きほぐす漢方薬を組み合わせることで、食後の重だるさの感じ方が変わってくることがあります。
「単なる胃弱」と「膵臓の老化」を見分けるチェック表
ご自身の長引く不調が、一般的な胃の不調なのか、それとも膵臓の消化酵素不足が絡んでいるのか、特徴を比較してみましょう。
| チェック項目 | 一般的な「胃」の不調 | 加齢による「膵臓」のお疲れの疑い |
| 痛むタイミング | 空腹時や、食べてすぐ | 食後数時間たってから、または常に重苦しい |
| 主な症状 | 胸やけ、すっぱいゲップが出る | 食べているのに痩せていく、食後の強い眠気 |
| 便の状態 | 便秘と下痢を繰り返す | 便器にこびりつくような油っぽい便(脂肪便)が出る |
| 薬の効き目 | 市販の胃薬(制酸薬など)で一時的に楽になる | 胃薬や消化剤を飲んでも、もたれ感や体重減少が止まらない |
| その他の違和感 | みぞおち周辺の痛み | 左側の背中や肩甲骨の下あたりに重だるさを感じる |
※右側の「膵臓のお疲れの疑い」に複数当てはまる場合は、「歳だから」と放置せず、内臓全体のベースアップを図るケアが必要です。
「50代の胃もたれと膵臓」に関するよくあるご質問(FAQ)
更年期のホルモン治療(HRT)を受けていますが、漢方薬も一緒に飲めますか?
はい、基本的には併用可能です。
ホルモン補充療法は西洋医学的なアプローチですが、漢方薬は自律神経の乱れを整え、胃腸や膵臓の「こなす力」を底上げする役割を担うため、目的が異なります。服用中のお薬がある場合は、ご相談時に必ずお知らせください。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせを確認したうえで体質に合った組み合わせをご提案いたします。
胃カメラで「萎縮性胃炎(加齢による胃の老化)」と言われましたが、膵臓も関係ありますか?
関係している可能性は十分にあります。
胃と膵臓は消化のバトンリレーを行っています。胃の働きが落ちて十分に食べ物が溶かされないまま腸へ送られると、膵臓は「もっと消化酵素を出さなきゃ」と無理をしてしまい、結果的に疲労してしまいます。漢方では、胃だけ、膵臓だけを見るのではなく、消化管全体を一つのネットワークとして整えていきます。
背中の痛みがあり、整形外科で「五十肩や加齢のせい」と言われロキソニンをもらいました。
「安静にしていても痛む」「食後に背中が重くなる」なら、膵臓からのサインの可能性があります。
姿勢を変えたり腕を上げたりして痛む場合は筋肉や関節の可能性が高いですが、上のような特徴がある場合は膵臓からの放散痛である可能性があります。鎮痛剤で痛みを抑え込むのではなく、一度消化器内科で膵臓の数値(アミラーゼ等)を血液検査で確認してみることもおすすめします。
まとめ:「歳だから」と諦めず、内臓の活力を取り戻しましょう
「50代を過ぎてから、お肉や揚げ物が全く食べられなくなった」
「胃もたれが続くのは更年期だから仕方ないと、食事の楽しみを諦めている」
このような悩みは、決してあなたが年齢に負けてしまったわけではありません。長年働き続けてくれた膵臓や胃腸が「少し休ませてほしい」「消化のサポートをしてほしい」とサインを出している状態です。
食事の量を極端に減らして栄養不足(気血両虚)になってしまう前に、漢方の力で内臓の冷えを取り、消化吸収のエンジンを再び温めませんか?「胃薬を飲んでも治らない不調を根本から見直したい」「しっかり栄養を吸収して、年齢に負けない元気な体を作りたい」とお悩みの方は、一人で悩まず、ぜひ新宿の漢方薬局「太陽堂」にご相談ください。
同年代の患者様も多くサポートしてきた経験をもとに、あなたの体質や更年期特有の悩みに寄り添った漢方ケアをご提案いたします。加齢に伴う消化吸収力の低下への太陽堂の詳しいアプローチは、こちらの専門ページをご覧ください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
ご自身の状態に近いものを下の表から選んで、詳しいページをご覧ください。
| こんな方は | 病気・記事 | 詳しいページ |
| 脂肪便・体重減少・食後の強い胃もたれが続いている | 膵性消化不良(膵外分泌機能不全) | 👉 膵性消化不良でお悩みの方へ |
| 背中の痛みやみぞおちの違和感が長引いている | 慢性膵炎 | 👉 慢性膵炎でお悩みの方へ |
| 胃の老化(萎縮性胃炎)と言われた50代の胃もたれ | ブログ:胃の老化と粘膜を潤す漢方 | 👉 胃の老化の記事へ |
| 便が浮く・油っぽくて流れない | ブログ:便が浮くのは大丈夫? | 👉 脂肪便の記事へ |
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















