
3月5日頃は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」です。
「啓」はひらく、「蟄」は土の中で冬ごもりをしている虫を意味し、暖かさに誘われて虫たちが這い出てくる時期を表しています。
自然界が活気づくのは嬉しいことですが、私たちの体にも同じように「外へ出ようとする力」が働きます。
この時期、こんなお悩みはありませんか?
「急にニキビや吹き出物が増えた」
「花粉のせいか、肌がムズムズしてかゆい」
「化粧水がヒリヒリ染みる、ゆらぎ肌になった」
それは、体が冬の間に溜め込んだ老廃物を一生懸命外へ出そうとしている「デトックス(解毒)反応」かもしれません。
今回は、太陽堂の薬剤師2名が、春特有の肌トラブルの原因と、体の中からキレイにする漢方のデトックス法を解説します。
なぜ春先に「肌トラブル」が急増するの?
春の肌荒れは、単に乾燥や花粉だけが原因ではありません。
調剤薬局での経験が長く、西洋医学と漢方の両方の視点を持つ薬剤師・前原が解説します。
薬剤師:前原 信太郎(調剤薬局勤務 6年の経験)
「春先は、皮膚科でアレルギーや肌荒れのお薬(抗ヒスタミン薬やステロイドなど)をもらう方が非常に増えます。西洋医学ではアレルゲン(花粉など)やバリア機能の低下に着目しますが、漢方では内臓、特に『肝(かん)』の働きに注目します。
春は『肝』が活発になる季節です。
肝には解毒作用があり、冬の間に溜め込んだ老廃物や不要な熱を、毛穴を開いて外へ出そうとします。
しかし、解毒が追いつかなかったり、気が高ぶって熱が頭や顔に昇りすぎたりすると、それが『吹き出物』や『かゆみ』として皮膚の表面に現れてしまうのです。」

あなたの「解毒力」は大丈夫?春のデトックス不足チェック
肌の不調は、体の中の「ゴミ箱」がいっぱいになっているサインかもしれません。
以下の表で、あなたの今の状態をチェックしてみましょう。
| チェック | 症状(サイン) | 漢方的な状態 |
| □ | 顔や背中に赤い吹き出物ができる | 体内に余分な「熱」がこもり、外に吹き出している状態。 |
| □ | 肌がムズムズかゆい、赤みがある | 気の巡りが上へ向かいすぎ(気逆)、皮膚のバリアが乱れている。 |
| □ | 目が充血する、目やにが出る | 「肝」の不調は「目」に出やすい。解毒機能が疲弊しているサイン。 |
| □ | 便秘がち、スッキリ出ない | 老廃物を腸から排泄できず、皮膚から出そうとしている。 |
| □ | イライラしやすく、ストレスを感じる | 「肝」がオーバーヒートを起こし、自律神経が乱れている。 |
| □ | 春になると花粉症の症状が重い | 体のデトックス(解毒)機能が正常に働いていない。 |
チェックが多い方は、塗り薬での表面的なケアだけでなく、体の中からの「デトックス」が必要です。
胃腸の専門家が語る!肌をキレイにする「春の苦味」
では、どうすればスムーズに老廃物を排出できるのでしょうか?
自身の胃腸トラブルを漢方で克服し、体質改善を得意とする薬剤師・石川先生が、春の食養生についてアドバイスします。
薬剤師:石川 満理奈(担当:胃腸・体質改善)
「肌をキレイにするために一番大切なのは、実は『胃腸(脾)』を元気に保ち、腸からしっかりと老廃物を出すことです。便秘をしていると、行き場を失った老廃物が肌から吹き出してしまいます。
この時期にぜひ食べていただきたいのが『春の苦味(さんさい)』です。
昔から『春の皿には苦味を盛れ』と言いますが、ふきのとうや菜の花などの山菜の苦味には、体の余分な熱を冷まし、老廃物を排出する解毒作用があります。冬眠から覚めたクマも、まずは苦い山菜を食べて胃腸を目覚めさせるんですよ。」

啓蟄の養生:スムーズにデトックスする3つの習慣
お二人のアドバイスをもとに、春のゆらぎ肌を整える具体的な養生法をご紹介します。
1. 「春の苦味」を食卓に取り入れる
解毒作用のある旬の食材を意識して食べましょう。
- 菜の花、ふきのとう、たけのこ、ウド: デトックス効果が高く、高ぶった気を鎮めます。
- セロリ、三つ葉、春菊: 香りの良い野菜は、滞った「気」を巡らせてくれます。
2. うっすら汗をかいて毛穴の準備体操
冬の間閉じていた毛穴を、スムーズに開閉できるようにすることが大切です。
激しい運動ではなく、ウォーキングや少し熱めのお湯で絞った蒸しタオルで顔を温めるなど、「うっすら汗ばむ」習慣をつけましょう。
3. こすらない・洗いすぎない
肌が敏感になっている時期です。クレンジングや洗顔でゴシゴシこすったり、強いピーリングを行ったりすると、さらにバリア機能が低下します。優しく洗い、しっかりと保湿(潤いを補う)ことを心がけてください。
啓蟄の養生・よくある質問(FAQ)
吹き出物がひどい時、お肉は食べない方がいいですか?
完全に抜く必要はありませんが、脂っこいお肉(カルビや豚バラなど)や、唐揚げなどの揚げ物は、体の中に「熱」と「湿」を生み出しやすいため、吹き出物を悪化させる原因になります。
この時期は、蒸し鶏や白身魚など、あっさりとしたタンパク質を選ぶのがおすすめです。
花粉で肌が荒れる時、漢方薬で治りますか?
はい、漢方薬は非常に有効です。
余分な熱を冷ます漢方薬(清熱剤)や、胃腸を整えてバリア機能を高める漢方薬・アレルギーに対しての漢方薬を使って、体質から改善していきます。
まとめ:肌荒れは「体の大掃除」のサイン
啓蟄の時期の肌トラブルは、体が冬の間に溜めたものを外に出そうと頑張っている「大掃除」のサインでもあります。
「化粧品が合わなくなったのかな?」と焦る前に、まずは体の中のデトックス機能(肝と胃腸)を整えてあげましょう。
春の食材を楽しみながら、少しずつ体を動かして、スムーズに老廃物を出せる体づくりを意識してみてください。
「毎年春になると肌荒れを繰り返してしまう」
「赤みやかゆみがひどくて辛い」
そんな時は、外側からのスキンケアだけでなく、内側からの漢方ケアが解決の糸口になるかもしれません。
一人ひとりの体質に合わせた漢方薬をお選びしますので、ぜひ太陽堂までご相談ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。














