
「雨の日はなんだか肩や首がガチガチに凝る」
「オフィスや電車で冷房が入り始めると、体が冷えて頭痛がする…」
6月の梅雨入り前後は、このような「冷え」と「痛み」のお悩みが増える時期です。
気温が高くジメジメしているのに、体の中は冷え切っている「隠れ冷え」。今回は、梅雨特有の気候と冷房が引き起こす肩こりや頭痛について、西洋医学の鎮痛剤との付き合い方や、漢方の視点から体を温めて巡らせる養生法を薬剤師が解説します。
【薬剤師 石川先生の視点】鎮痛剤の役割と、漢方が得意な「温め・巡り」のケア
こんにちは、薬剤師の石川です。
梅雨の時期に肩こりや頭痛がひどくなると、整形外科や内科を受診してロキソプロフェン(ロキソニン)やボルタレンなどの鎮痛消炎剤、あるいは筋弛緩薬や湿布を処方される方が多くいらっしゃいます。
西洋医学の視点:鎮痛剤や湿布による「対症療法」
西洋医学のお薬は、今ある「痛み」や「炎症」をピンポイントで抑え込むことに非常に優れています。仕事や家事が手につかないほど痛みが辛い時、即効性のある鎮痛剤は心強い味方です。しかし、これらはあくまで一時的に痛みをブロックする「対症療法」であり、根本的な「冷え」や「血行不良」そのものを解決するものではありません。
漢方の視点:冷えと湿気が引き起こす「瘀血(おけつ)」と「水毒」
一方、東洋医学では、梅雨の時期の痛みを「気候」と「体質」の掛け合わせで考えます。
雨の日の冷え(梅雨寒)や冷房によって体が冷やされると、血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」という状態になります。さらに、空気中の高い湿度が体内に溜まると「湿邪(しつじゃ)」となり、これが冷えと結びつくことで筋肉や関節が固まり、重だるい痛みを引き起こすのです。
漢方では、痛み止めでその場をしのぐだけでなく、体を内側から温めて血の巡りを良くし、余分な水分を排出することで、「痛みが起きにくい体質づくり」をサポートします。
梅雨寒と冷房から体を守る!冷え・肩こりを防ぐ「3つの習慣」
本格的な夏が来る前のこの時期は、少しの工夫で「隠れ冷え」を防ぐことができます。
① 「3つの首」を冷気からガードする
首、手首、足首の「3つの首」の周りには、太い血管が皮膚の近くを通っています。ここが冷房の風や雨にさらされると、冷たい血液が全身を巡り、肩こりや頭痛の原因に。
【対策】
外出時やオフィスでは、薄手のストールやカーディガン、アームカバーなどを活用し、直接冷風が当たらないようにガードしましょう。

② シャワーで済ませず、湯船でリセット
「ジメジメして暑いから」と、毎日シャワーだけで済ませていませんか?表面は暑く感じても、冷房や冷たい飲み物で体の芯(内臓)は冷え切っていることが多いです。
【対策】
38〜40度くらいのぬるめのお湯に、じんわり汗をかくまで(10〜15分程度)浸かることで、1日の冷えをリセットし、血の巡りを促すことができます。
③ 除湿(ドライ)機能を賢く使う
湿度が高いと、体からの汗が蒸発しにくくなり、体に余分な水分と熱がこもってだるさを引き起こします。
【対策】
エアコンの温度をやみくもに下げるのではなく、「除湿(ドライ)」機能を活用して湿度を50〜60%に保つことで、冷やしすぎを防ぎながら快適に過ごすことができます。
梅雨時期の「冷え・痛み」対策 OK・NGまとめ
| カテゴリ | 〇 おすすめ(体を温め、巡りを良くする) | × 要注意(体を冷やし、血流を滞らせる) |
| 服装・空調 | ストールやひざ掛けで「3つの首」を守る (冷風を直接当てず、血流の低下を防ぐ) | 素足や薄着で強い冷房に当たる (筋肉が緊張し、肩こり・頭痛が悪化する) |
| 入浴・運動 | ぬるめの湯船に浸かる、軽いストレッチ (じんわり温めて「瘀血」を流すサポート) | 長期間のシャワーのみ、動かない (体の芯の冷えが蓄積し、痛みが慢性化する) |
| 食事・飲み物 | 温かいお茶、ネギや生姜などの薬味 (胃腸から体を温め、発汗を促す) | 氷入りの飲み物、冷たい麺類ばかり食べる (胃腸が冷えて「水毒」が溜まりやすくなる) |
【薬剤師 林先生の視点】「除湿」と「温め」の食事ケア
代表薬剤師の林です。
梅雨の時期、体が重だるくて肩こりや頭痛を感じやすい方は、「胃腸の冷え」と「水はけの悪さ」が原因かもしれません。
この時期におすすめの食材は、体を温めながら余分な水分を外に出してくれるものです。
例えば、生姜、ネギ、シソ、ミョウガなどの薬味は、血の巡りを良くして体をポカポカさせてくれます。また、ハトムギや黒豆、とうもろこし(ひげ茶もおすすめ)などは、体内に溜まった湿気(水毒)を排出するサポートをしてくれます。
ジメジメするとつい冷たいそうめんやアイスコーヒーを選びがちですが、冷たいものは胃腸の働きを低下させ、さらに水を溜め込みやすい体を作ってしまいます。温かいお味噌汁にネギや生姜をたっぷり入れるなど、毎日の食事から「温めて巡らせる」ことを意識してみてくださいね。
梅雨の冷え・痛みに関するよくある質問(FAQ)
病院の痛み止め(ロキソニンなど)と漢方薬は一緒に飲めますか?
基本的には併用可能です。
痛みが強くて我慢できない時は西洋薬(鎮痛剤)で辛い症状を抑え、同時に漢方薬で「冷えやすい・巡りが悪い」という体質の根幹をケアしていく、という使い分けをされる方は多くいらっしゃいます。
飲み合わせについてご不安な場合は、お気軽に薬剤師にご相談ください。
冷房による冷えや肩こりには、どのような漢方がありますか?
体質や痛みの種類によって異なりますが、「葛根湯(かっこんとう)」などが知られています。
ただその方の状態や体質などによっても漢方薬は変わってきますので、ぜひ相談後ご服用ください。
雨の日に頭痛がするのは気象病ですか?
はい、気圧の変化による気象病(天気痛)の可能性もあります。
気圧の低下によって自律神経が乱れ、体内の水分バランスが崩れることで頭痛やめまいが起こります。冷房の冷えによる頭痛と、気圧による頭痛ではアプローチが異なる場合があるため、まずはご自身の症状の変化を記録(頭痛ダイアリーなど)してみるのもおすすめです。
まとめ:痛み止めに頼り切る前に、体質からの温めケアを
梅雨寒や冷房による肩こり・頭痛は、「体が冷えて巡りが悪くなっているよ」というSOSのサインです。
- 「3つの首」を冷気から守る
- 湯船に浸かって芯から温まる
- 薬味などの食材で内側から温める
辛い時は無理せず鎮痛剤を活用することも大切ですが、まずはこのような日常の養生から、冷えにくい体づくりを始めてみませんか?
「毎年この時期は痛みが辛い」「マッサージや湿布でもすぐに元に戻ってしまう」という場合は、漢方で体質からのアプローチを行うことも可能です。ぜひお気軽に太陽堂へご相談ください。
次に読んで欲しい記事(梅雨の養生法)
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎


実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈


得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。

















