
6月6日頃は、二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」です。
稲や麦など、穂の出る穀物の種をまく目安とされる時期であり、次第に空はどんよりと曇り、本格的な「梅雨」の気配が近づいてきます。
湿度が高く、気圧の変動が大きくなるこの時期、こんな不調を感じていませんか?
「雨が降る前になると、頭が重くズキズキする」
「濡れた服を着ているように、体が重だるい」
「胃のあたりがチャポチャポして、食欲がわかない」
これらの不調は、気候の変化に体がうまく適応できていないサインかもしれません。
今回は、漢方薬局 太陽堂の薬剤師2名が、梅雨時期特有の不調のメカニズムと、湿気に負けないための体づくりについて解説します。
梅雨の「頭痛・だるさ」はなぜ起こる?西洋と漢方の視点
雨の日や曇りの日に体調を崩しやすい理由について、調剤薬局で西洋薬を扱ってきた経験を持つ薬剤師・前原が解説します。
薬剤師:前原 信太郎(調剤薬局勤務 6年の経験)
梅雨の時期は、低気圧が頻繁に通過します。私たちの耳の奥には気圧の変化を感じ取るセンサー(内耳)があり、気圧が下がるとこのセンサーが過剰に反応し、体温や血流をコントロールする『自律神経』のバランスが乱れやすくなります。これが、血管の拡張による頭痛や、全身のだるさを引き起こす大きな要因です。
こうした急な痛みや辛さに対しては、ロキソニンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬(西洋薬)が非常に有用です。痛みの原因物質の発生をすばやくブロックしてくれるため、日常生活を快適に送るための頓服として心強い存在です。
一方、漢方の視点では、梅雨の不調の根本に『水毒(すいどく)』や『湿邪(しつじゃ)』があると考えます。体の中に余分な水分が滞っていると、外気の湿気や気圧低下の影響をダイレクトに受けてしまいます。鎮痛剤でその場の痛みを上手にコントロールしつつ、漢方の知恵で『水はけの良い体質』を整えていくことが、天候に振り回されない体づくりの鍵となります。
あなたの「水はけ度」は?梅雨の不調サインチェック
本格的な雨の季節を迎える前に、ご自身の体に余分な水分(湿気)が溜まっていないか、以下の表でチェックしてみましょう。
| チェック | 症状(自覚サイン) | 漢方的な体の状態 |
| □ | 天気が崩れる前日に、頭が重く痛む | 体内の水分が気圧の変化で膨張し、巡りが滞っているサイン。 |
| □ | 体が鉛のように重く、朝起き上がれない | 湿気(湿邪)が体にまとわりつき、エネルギーを奪っている。 |
| □ | 舌の縁に、波打つような「歯型」がついている | 舌がむくんで膨張し、歯に押し付けられている状態(水毒)。 |
| □ | 足がパンパンになり、夕方には靴がきつい | 重力で水分が下に溜まり、うまく排出できていない。 |
| □ | お腹がゆるくなりやすい、または軟便気味 | 胃腸(脾)が湿気で弱り、水分代謝が落ちている。 |
胃腸の専門家が伝授!「湿気」を追い出す食養生
チェックリストで当てはまる項目が多かった方は、毎日の食事で「除湿」を意識することが大切です。自身の胃腸虚弱を改善した経験を持つ薬剤師・石川が、芒種の食養生をアドバイスします。
薬剤師:石川 満理奈(担当:胃腸・体質改善)
漢方では、胃腸(脾)は乾燥を好み、湿気を嫌うとされています。梅雨のジメジメとした湿気は、胃腸の働きをダイレクトに弱らせてしまうのです。胃腸が弱ると、さらに水分を排出する力が落ちるという悪循環に陥ります。
蒸し暑くなってくると冷たいお水や麦茶をガブガブ飲みたくなりますが、これは胃腸を冷やし、体内の『水溜まり』を増やす原因になります。
この時期は、体内の余分な水を出すサポートをしてくれるとうもろこし(ヒゲも一緒に)、ハトムギ、黒豆などを積極的に取り入れてみてください。飲み物は温かいものや常温を選び、胃腸をいたわることが一番の梅雨対策になります。

芒種の養生:ジメジメ期を乗り切る3つのルーティン
湿気に負けない体を作るため、日常に取り入れたい3つの習慣をご紹介します。
- 「うっすら汗」で毛穴の働きをキープするエアコンの効いた部屋にずっといると、汗をかく機能が鈍り、体内に水分がこもります。38〜40度ほどのぬるめの湯船にゆっくり浸かるなどして、じんわりと汗をかく習慣をつけましょう。
- 部屋の「除湿」は我慢しない外気の湿度は皮膚を通じて体にも影響を与えます。雨の日はエアコンの除湿機能や除湿機を上手に活用し、室内をカラッと快適な状態に保つことで、体への負担を減らすことができます。
- ふくらはぎを優しく動かす「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を動かすことで、全身の血流や水分の巡りが促されます。座りっぱなしの時は、かかとの上げ下げや足首回しなどをこまめに行いましょう。
芒種の養生・よくある質問(FAQ)
頭痛が辛い時、西洋薬(ロキソニンなど)と漢方は一緒に飲んでも良いですか?
基本的には併用していただくことが可能です。
辛い痛みは我慢せずに西洋薬でブロックし、平時からは漢方の知恵を取り入れて「天候の影響を受けにくい体質(水はけの良さ)」を目指していく、という両立のアプローチはとても合理的です。
飲み合わせについては、お気軽にご相談ください。
むくみが気になる時は、お水を控えたほうがいいですか?
極端に水分を控える必要はありませんが「飲み方」が重要です。
喉が渇いていないのに「健康のために」と無理に大量の水を飲んだり、氷入りの冷たいものを一気に飲んだりするのは避けましょう。
温かいお茶などを、一口ずつゆっくり飲むのがおすすめです。
まとめ:自分の「自覚症状」から体質を知ろう
芒種から梅雨にかけての時期は、自然界も私たちの体も、たっぷりの水分を含んで重たくなりがちです。
「雨の日はだるくて何もできない」とご自身を責めないでください。それは、体が湿気と一生懸命戦っている証拠です。
鎮痛剤などを上手に活用しながら、日々の食養生や生活習慣を見直し、ご自身の「体を整える力」を育てていきましょう。
「毎回、天気が崩れるたびに頭が痛い」
「むくみがひどくて、体がすっきりしない」
そんな慢性的なお悩みがある方は、太陽堂へご相談ください。
私たちは、患者様一人ひとりの「自覚症状」を詳しくお伺いし、西洋と東洋の両面から、あなたに最適な体質改善をサポートいたします。
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▼ 気圧の変化による「寒暖差疲労」や「梅雨入り前のだるさ」については、こちらの記事もご参考になさってください。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎


実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純


担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。














