
「外に出た瞬間、クラッとして目の前が暗くなった…」
「立ち上がった時に、頭の血がサッと引くような立ちくらみがする…」
「強い日差しの中を歩いていると、足元がフワフワと宙に浮いているような感覚になる…」
うだるような夏の暑さの中、このような「めまい」や「立ちくらみ」を感じたことはありませんか?
これまでの記事では、夏の体力低下(夏バテ)や寝苦しさ、イライラといったお悩みについて解説してきましたが、夏場に急増する不調の中でも特に注意が必要なのが、この「脳への栄養不足」によるフワフワ感です。
「ただの水分不足かな?」と水ばかり飲んでいても、なかなかコンディションが整わない場合、それは水分だけでなく体の大切な「血(けつ)」まで失われているサインかもしれません。
今回は、大量の汗がめまいを引き起こすメカニズムや、漢方ならではの「汗と血」の深い関係、そして食事や生活習慣で体の内側からしっかりと栄養を満たす養生法を、太陽堂の薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が教える、夏のめまい・立ちくらみの養生まとめ】
まずは、当薬局が考える夏のめまいトラブルへのアプローチを簡潔にまとめました。
- 漢方の見立て(原因):西洋医学では「発汗による水分不足と、血圧の低下(脳への血流不足)」とされる夏の立ちくらみですが、漢方では「汗血同源(汗と血液は同じ源からできている)」という考えに基づき、大量の汗とともに体内の「血(けつ)」まで失われた「血虚(けっきょ)」の状態に注目して原因を探ります。
- アプローチ(対策):黒豆やほうれん草など「血」を補う食材を取り入れた食事ケア(養生)と、お客様の現在の体質に合わせたオーダーメイドの煎じ薬を通じて、頭の先までしっかりと栄養を巡らせる、揺らぎにくい「体の土台づくり」をサポートします。
- 今後のステップ(根本ケア):一時的な水分補給で症状をしのぐだけでなく、根本的な原因(血液の材料不足や胃腸の弱りなど)を見極めるため、まずはじっくりとご相談を重ね、季節の変化にも負けない無理のないペースで体質と向き合っていきます。
【薬剤師 林の視点】夏のめまいのメカニズムと、西洋医学・漢方のアプローチ
こんにちは、薬剤師の林です。
夏場に急に立ち上がったり、外を歩いたりした時に起こるクラッとするめまいは、体の水分バランスと血管の働きが大きく関係しています。
西洋医学の視点:脱水と血管の拡張による「脳への血流不足」
暑い環境にいると、私たちの体は熱を外に逃がそうとして血管を広げます。血管が広がると、ホースが太くなった時のように「血圧」が下がりやすくなります。さらに、大量の汗をかくことで体内の水分(血液の液体成分)が減少し、血液全体のボリュームが低下します。
この状態で急に立ち上がると、重力によって血液が下半身に集まり、一番高いところにある「脳」へ十分な血液(酸素と栄養)を押し上げることができなくなります。これが、西洋医学的に見た起立性低血圧(いわゆる脳貧血)やめまいのメカニズムです。
このような状態を防ぐため、西洋医学ではこまめな水分・塩分補給(経口補水液など)を行い、めまいが強い場合には、市販の鉄剤やビタミン剤、あるいは血圧を調整するお薬を用いて一時的なコンディションをサポートすることが一般的です。
漢方の視点:汗のかきすぎは血を失うのと同じ「汗血同源(かんけつどうげん)」
一方、漢方の視点では、夏のフワフワとしためまいを「血虚(けっきょ)」という状態として捉えます。 漢方には、「汗血同源(かんけつどうげん)」という非常に重要な考え方があります。
これは、「汗と血液は、体の中で同じ源(潤いと栄養)から作られている」という意味です。つまり、滝のように大量の汗をかくことは、単に水分を失っているだけでなく、体の大切な栄養分である「血(けつ)」をドバドバと流出させているのと同じことなのです。
血が不足する「血虚」の状態になると、頭部(脳)に十分な栄養が行き渡らず、クラクラとしためまいや、目の前が真っ暗になる立ちくらみ、さらには顔色の悪さや動悸といったサインが現れます。
漢方では、このような状態に対し、失われた血をたっぷりと補い、全身に巡らせるアプローチ(補血:ほけつの考え方)を用いて、めまいを起こしにくいしっかりとした体の土台づくりを内側からサポートしていきます。
【薬剤師 椙田の視点】夏の「血(けつ)」を補い、頭をスッキリさせる食事と生活養生
薬剤師の椙田です。
汗とともに失われた「血」は、水だけを飲んでいても補うことはできません。日々の食事でしっかりと「血の材料」を取り入れ、体を休めることが、めまいのない健やかな毎日への第一歩です。
「赤と黒の食材」で、失われた血をチャージする
漢方において、血を補う(補血する)ためにぜひ取り入れていただきたいのが、「赤い食材」と「黒い食材」です。
- 赤い食材: クコの実、なつめ、にんじん、トマト、赤身の肉や魚(カツオなど)
- 黒い食材: 黒豆、黒ごま、ひじき、きくらげ、プルーンこれらは、汗で空っぽになってしまった体に栄養を満たし、フワフワとした感覚を落ち着かせるサポートをしてくれます。特に夏場は食欲が落ちやすいですが、そうめんだけで済ませるのではなく、黒ごまをたっぷりかけたり、ほうれん草の胡麻和えを一品添えたりするだけでも、立派な養生になります。

「睡眠」こそが最高の補血タイム
食事と同じくらい大切なのが「睡眠」です。漢方では、「血は夜、眠っている間に作られ、蓄えられる」と考えます。
日中にたくさん汗をかいて血を消耗したにもかかわらず、夜更かしをしてスマホの強い光を浴び続けていると、目は血を激しく消耗する器官であるため、さらに血虚が進行してしまいます。めまいや立ちくらみを感じやすい時期は、いつもより30分でも早くベッドに入り、目を閉じて脳を休める時間を長く確保してください。
【比較表】夏のフワフワめまいを防ぐ!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(血を補い、巡りを支える) | × 要注意(血を消耗し、頭への血流を下げる) |
| 食事 | 黒豆、黒ごま、ほうれん草、赤身の肉 (「血」の材料となり、体内にしっかりと栄養を満たす) | そうめんや冷たいゼリーなど、偏った食事 (栄養が不足し、血が作られずフワフワ感が悪化する) |
| 習慣 | 立ち上がる時は、ゆっくりと動作を行う (急な血圧の変化を防ぎ、脳への血流を安定させる) | 寝不足のまま、炎天下で無理に活動する (血が作られないまま激しく消耗し、めまいのリスクが跳ね上がる) |
| 水分 | 麦茶や経口補水液を「こまめに」飲む (血液のドロドロを防ぎ、巡りの良い状態を保つ) | 喉が渇いてから「冷たい水」をがぶ飲みする (胃腸が冷えて栄養の吸収力が落ち、かえってバテやすくなる) |
夏のめまい・立ちくらみに関するよくある質問(FAQ)
水分はしっかり摂っているのに、めまいが治まりません。
水分だけでなく「栄養(血)」が足りていない可能性があります。
記事でもお伝えした通り、大量の汗をかくと「血」も一緒に消耗します。水だけでは血液の「ボリューム」は増えても「中身の栄養」がスカスカの状態です。
食事でしっかりと栄養を摂るか、ミネラルを含む麦茶や経口補水液などを取り入れてみてください。
市販の鉄剤と漢方薬は違いますか?
アプローチの仕方が異なります。(併用は可能です)
市販の鉄剤は、直接的に鉄分を補給し、血液の材料を足すサポートをします。
一方、漢方薬は「胃腸の働きを整えて、食べたものから自力で血を作り出せる体質」へと土台を整えたり、全身への血の巡りを良くしたりする役割を持ちます。
根本的なコンディションを整える意味で、漢方薬は非常に有用です。
めまいがする時は、運動は控えた方が良いですか?
はい、無理な運動は控え、休息を優先してください。
フワフワとしためまいがある時は、体が「これ以上、汗(血)を流さないで!」とサインを出している状態です。涼しい部屋で横になり、足を少し高くして休むことで、脳へ血液が戻りやすくなります。
体調が整ってから、涼しい時間帯に軽いウォーキングなどから再開しましょう。
まとめ:失われた「血」をたっぷり補い、地に足のついた健やかな夏へ
「夏になると、どうも頭がフワフワして頼りない…」
その立ちくらみやめまいは、決して気のせいではなく、汗とともに体の大切な「血」が流れ出てしまっているサインです。
こまめな水分補給という外側からのケアに加えて、漢方の「汗血同源」の視点を取り入れ、内側からしっかりと「血」を補うことで、クラクラしない、地に足のついた健やかな毎日を過ごすことができます。
「色々試してもめまいや立ちくらみが長引く」「自分に合った血の補い方を知りたい」という方は、ぜひ太陽堂までお気軽にご相談ください。お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない養生法をご提案いたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。














