
「病院で『痔ろうは手術でしか治らない』と言われてしまい、絶望している……」
「手術をしてトンネルを切り開いたはずなのに、数ヶ月したらまた同じ場所に膿と痛みが出てきてしまった」
「お尻の激しい腫れと膿(肛門周囲膿瘍)を何度も繰り返していて、下着の汚れが気になって仕事に集中できない」
「デリケートな場所だけに誰にも相談できず、一人で検索しては落ち込んでいる」
「痔(じ)」の中でも最も複雑で厄介とされる「痔ろう(あな痔)」と「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」。
太陽堂には、病院で「手術しかない」と宣告されて目の前が真っ暗になった方や、手術を繰り返しても再発してしまった方からのご相談が、実は非常に多く寄せられています(特に男性に多いお悩みです)。
今回は、西洋医学においてなぜ「痔ろうは手術が基本」と言われるのかという事実を隠さずお伝えしたうえで、漢方が目指す「菌に負けず膿を作らない体質」へのアプローチと、実際の改善例について、薬剤師の視点から正直に解説いたします。
【この記事の結論:「痔ろうは手術しかない?」に対する漢方の考え方】
- 痛みの正体(原因): 西洋医学では肛門陰窩からの細菌感染による化膿(肛門周囲膿瘍)と、それが自壊してできた膿のトンネル(瘻管)とされますが、漢方では下半身にこもった「湿熱(過剰な熱と化膿)」と、菌を跳ね返す免疫力(正気)の低下が根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: すでにできた物理的なトンネルを漢方で直接塞ぐことはできませんが、「菌を除去し炎症を抑える漢方」と「免疫を上げて膿の発生を抑える漢方」を組み合わせることで、膿が出なくなり、結果的に瘻管が枯れて落ち着いた状態を目指します。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 痔ろう(痔瘻)、肛門周囲膿瘍、繰り返すお尻の腫れと激痛、手術後の再発、手術を回避・延期したい方
【西洋医学の視点】痔ろうとは? なぜ「手術しかない」と言われるのか
私たちの肛門の少し内側には、「肛門小窩(こうもんしょうか)」という小さな窪みがあります。
下痢などで便が緩いと、この窪みに便が入り込みやすくなります。そこに大腸菌などの細菌が感染して激しい炎症を起こし、肛門の周りの組織に膿(うみ)が溜まって腫れ上がる状態を「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」と呼びます(高熱や、座れないほどの激痛を伴うこともあります)。
この溜まった膿が、皮膚を突き破って外へ流れ出た(自壊した)、あるいは病院で切開して排膿した後に、「腸の内側から皮膚の外側までつながる“膿のトンネル(瘻管:ろうかん)”」が残ってしまった状態が「痔ろう」です。
なぜ病院では「手術」が標準治療なのか?
一度できてしまった「膿のトンネル(瘻管)」は、内側が硬いトンネルの壁(上皮化)になってしまうため、自然に塞がることはほとんどありません。
そのため西洋医学(肛門科)では、以下のような手術で物理的にトンネルを取り除くことが標準治療とされています。
- 切開開放術(レイオープン法): トンネルを皮膚ごと切り開いて溝状にし、下から肉が盛り上がって治るのを待つ方法。
- シートン法: トンネルに医療用のゴムや紐を通し、数ヶ月かけて少しずつゴムを縛り直しながら、トンネルをゆっくり切り開いて治していく方法(肛門括約筋へのダメージが少ない)。
- 括約筋温存術: トンネルをくり抜き、内側の穴(原発口)を縫い合わせる方法。
西洋医学の「痔ろうは手術でしか治らない」という説明は、この「物理的なトンネルを除去する」という構造的な仕組みに基づいた、非常に理にかなった医療的判断です。
手術をしたのに「また再発した」のはなぜ?
しかし現実には、「痛い思いをして手術を受けたのに、数ヶ月〜数年してまた同じような場所に膿が溜まって再発してしまった」という方が後を絶ちません。
なぜなら、手術でトンネルという「結果」を取り除いても、「下痢をしやすい腸の環境」や「細菌に負けて膿を作ってしまう免疫力の低さ」という体質そのものは、メスを入れただけでは変わらないからです。
【東洋医学の視点】「菌」と「膿」への二本柱のアプローチ
漢方では、痔ろうを「単なるトンネルの形の問題」とは見ず、「なぜあなたの身体は、細菌に負けて膿を作り続けてしまうのか?」という根本的な体質の偏り(湿熱や正気の不足)として捉えます。
太陽堂での痔ろう・肛門周囲膿瘍に対する漢方の組み立ては、大きく以下の「二本柱」で行われます。
- 菌を除去し、炎症を鎮める漢方薬(清熱解毒薬): 膿の直接の原因となっている細菌との戦いを助け、患部にこもった過剰な熱(炎症の火種)を鎮めていきます。排膿を促し、腫れと痛みを和らげる役割です。
- 免疫を上げて「膿」を抑え込む漢方薬(補気・托裏薬): 身体の防御力(正気)そのものを底上げし、菌の侵入を押し返して「これ以上新しい膿を作らせない」強い土台を育てます。
この二本柱のケアによって「膿が作られない・出なくなった状態」を長期的に保つことができれば、やがてトンネル(瘻管)の中の炎症が落ち着き、枯れたように落ち着いた状態(不快感なく生活できる状態)を目指すことができるのです。
【比較表】あなたの痔ろうのタイプと太陽堂の漢方アプローチ
太陽堂では、患者さまの現在の症状に合わせて、以下のような生薬の組み合わせでサポートを行います。
| お悩みの状態(症状) | 漢方的な見立て | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| 激しく腫れて痛む・膿が出ている (肛門周囲膿瘍の反復) | 菌と熱の強烈な停滞(熱毒・湿熱) 細菌との戦いで患部に熱がこもり、膿が作られ続けている状態 | 【菌を除去し炎症を静める漢方】 強い抗菌・抗炎症作用を持つ生薬(連翹・金銀花・黄連など)で火種を鎮め、排膿を助ける |
| 疲れると悪化する・手術後に再発した (慢性化・難治化) | 防御力と回復力の低下(正気不足) 免疫力が落ちて菌に負けやすく、傷口を塞ぐエネルギーがない状態 | 【免疫を上げて膿の発生を抑える漢方】 身体の防御力を底上げする生薬(黄耆・人参など)で、膿を作らせない強固な土台を育てる |
| 出血や痛みが強い・座るのがつらい (うっ血の合併) | 血の滞りと傷(瘀血:おけつ) 患部周辺の血流が滞り、組織の修復が遅れて痛みが引かない状態 | 【血流を整え、痛みを和らげる漢方】 滞った血流を巡らせる生薬(牡丹皮・桃仁など)で組織回復を助け、日常のつらさを和らげる |
【薬剤師コラム①】「手術しかない」と絶望しているあなたへ
担当薬剤師:前原 信太郎(調剤薬局での勤務経験あり)
痔ろうのご相談をお受けする際、一番最初に「病院で『手術でしか治らない』と言われて、目の前が真っ暗になりました」という重く切実なお言葉をいただきます。
仕事に穴を開けられないから手術を避けたい方、一度痛い手術をしたのに再発して心が折れかけている方、膿の腫れ(肛門周囲膿瘍)を繰り返している方——本当に様々なパターンの方がいらっしゃいます。
まず大前提として、私たちは病院の「手術が標準治療である」という医学的判断を否定するつもりは全くありません。トンネルの深さや走行(複雑痔瘻など)によっては、手術が必要なケースも確かに存在します。
ただ、「膿を作ってしまう体質」そのものを変えることは手術にはできません。そして、漢方はその「膿を作る体質」に向き合うことを得意としています。
「手術を待っている間の体調管理」として、あるいは「手術後の再発予防」として、病院の通院や経過観察と並行しながら漢方ケアを取り入れることは十分に可能です。「もう手術しかないんだ」と絶望してしまう前に、ぜひ一度、あなたのお身体のお話を聞かせてください。
【薬剤師コラム②】「温めるべき痔」と「温めすぎ注意の痔」の大きな違い
担当薬剤師:石川 満理奈(調剤薬局での勤務経験あり)
痔のセルフケアとして、よくテレビや雑誌で「お尻をしっかり温めて血流を良くしましょう!」と言われますよね。実はこれ、いぼ痔(痔核)には正解なのですが、「痔ろう」や「肛門周囲膿瘍」の場合は『温めすぎに注意!』が必要なのです。
痔ろうや膿瘍は、細菌感染による「激しい炎症(=熱)」のトラブルです。ここに長風呂やカイロで過剰な熱を加えてしまうと、炎症の火種に油を注ぐことになり、腫れや痛みが悪化してしまう危険があります。同じ「痔」という名前がついていても、ケアの方向性が正反対になる——ここが一番間違えやすい要注意ポイントです。
もう一つ、私たちが必ずお伝えしているのが「野菜(水溶性食物繊維)を多く摂って、下痢を防ぐこと」です。下痢便は肛門の小さなくぼみ(陰窩)に入り込みやすく、新たな細菌感染の入り口になります。便通を「バナナ状」に安定させることが、菌に負けない土台づくりの第一歩となります。
【サポート実例】太陽堂での体質ケアのエピソード
①【手術後の再発・膿と痛み】40代 女性|1年で症状がほぼ出なくなり減量へ
【ご相談時の状態】 1年前に痔ろう(肛門周囲膿瘍)と診断されて切開手術を受けました。しばらくは落ち着いていたものの、再び症状が出てきてしまったとのこと。膿などの分泌物・痛み・出血が気になり、日によって痛みが強くなり出血も多くなるとのことでご相談に来られました。
【太陽堂の提案】 免疫力の低下(正気不足)による細菌の再繁殖と見立て、①免疫を上げて身体のバリアを高める漢方薬 ②菌を除去して炎症を鎮める漢方薬 ③出血や痛みを抑える(血流を整える)漢方薬 の3種類をお渡ししました。
- 3ヶ月後: 徐々に痛みや出血が治まってきたとのこと。
- 6ヶ月後: 膿の発生がなくなっているとのことでした。
- 1年後: すべての症状がほぼ出なくなり、漢方を減量して様子を見ることに。
- 1年2ヶ月後: 減量したままでも、痛みなく過ごせているとのことでした。
②【経過観察中の違和感・腫れ】70代 男性|1年7ヶ月かけて減量し安定
【ご相談時の状態】 3ヶ月前からお尻の症状が気になり、病院で「痔ろう(肛門周囲膿瘍)」と診断され、経過観察で様子を見ていた方です。多少の分泌物(膿)と痛みがあり、触ると腫れている感じがあるとのことでご相談に来られました。
【太陽堂の提案】 患部の熱毒(炎症)と血流障害と見立て、①免疫を上げる漢方薬 ②菌を除去する漢方薬 ③患部の血流を整える漢方薬 の3種類をお渡ししました。
- 2ヶ月後: 違和感がなくなってきたとのこと。
- 6ヶ月後: 痛みがかなりなくなっているとのことでした。
- 8ヶ月後: 痛みのほぼない日が増えて、調子が良いとのこと。
- 1年5ヶ月後: 調子が悪くならずに過ごせているため、漢方薬を減量して様子を見ることに。
- 1年7ヶ月後: 減量したまま、痛みなく過ごせているとのことでした。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。他の症例は症例紹介(胃腸病)にも掲載しています。
「痔ろうと漢方」に関するよくあるご質問(FAQ)
病院で手術を勧められていますが、本当に漢方薬だけで治癒(トンネルが消えること)するのですか?
正直にお伝えすると、西洋医学においてすでにできてしまった「瘻管(トンネル)」を取り除く標準治療は手術のみです。
漢方が目指すのはトンネルを消すことではなく、「膿が出なくなった状態」を保ち、結果としてトンネルが枯れて落ち着いていくことです。実際に漢方ケアで膿や痛みが落ち着いた方もいらっしゃいますが、痔ろうの深さ(走行)や複雑さによっては病院での外科的処置が必要なケースもあります。通院や経過観察と並行して、身体の側からのアプローチとして取り組むことをお勧めしています。
痔ろうの時は、お風呂でしっかり温めた方が良いのでしょうか?
いいえ、痔ろう・肛門周囲膿瘍の場合は「温めすぎ」に注意してください。
コラムでも解説した通り、痔ろうは細菌による「化膿・炎症(熱のトラブル)」です。長時間の入浴やカイロなどで患部を温めすぎると、かえって炎症が悪化し、膿が増えて痛みが強くなる危険があります。「いぼ痔は温める、痔ろうは温めすぎない」という違いを覚えておいてください。
病院でもらった抗生物質や痛み止めと一緒に漢方薬を飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。
病院の抗生物質で急な細菌の増殖を抑えながら、漢方で「免疫の底上げと炎症の火種のケア」を並行するのは理にかなったアプローチです。お薬手帳をお持ちいただければ、飲み合わせをしっかり確認いたします。
どのくらいの期間、漢方薬を続ければ変化を感じられますか?
お身体の状態によりますが、まずは「3ヶ月」を一区切りの目安としてお願いしております。
3ヶ月ほどで「膿の量が減ってきた」「痛みの頻度が変わってきた」といった変化を感じられる可能性が出てきます。膿の出ない状態を安定させるには、事例のように半年〜1年単位でじっくりとお身体を育てていくケースが多くなります。
まとめ:絶望する前に、「膿を作らない体」という選択肢を
病院の診察室で「痔ろうですね、手術でしか治りません」と言われた時のショックは、計り知れないほど重く響くものです。
しかし、手術でトンネルを切るかどうかという悩みとは別に、「あなたの身体が、菌に負けて膿を作ってしまう体質になっている」という事実にも目を向けてあげてください。
- 下痢を防ぐために野菜(食物繊維)を摂り、患部を「温めすぎない」
- 病院の経過観察や抗生物質で急性期の急場をしのぐ
- 漢方薬で「菌への抵抗力」と「免疫力」を底上げし、膿を作らない土台を育てる
この3つを組み合わせることで、「また腫れたらどうしよう」という不安に怯えない、穏やかなお尻の環境を取り戻していくことができます。
「手術をなんとか避けたい、あるいは延期したい」
「手術をしたのに再発してしまい、もうどうしていいか分からない」
デリケートな場所のお悩みだからこそ、どうぞ一人で抱え込まずにお気軽に太陽堂へご相談ください。専門の薬剤師があなたのお体とお気持ちに優しく寄り添い、菌に負けない体づくりを全力でサポートいたします。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















