
「朝起きて枕元を見ると、抜け毛の多さにギョッとする…」
「シャンプーのたびに排水溝が黒くなり、ため息が出る…」
「髪全体のボリュームが減り、分け目や地肌が目立つようになってきた…」
涼しい風が吹き始め、過ごしやすい秋がやってきたというのに、洗面所や鏡の前で毎朝このようなショックを受けていませんか?
実は、1年の中で最も抜け毛が増えやすいのが「秋」だと言われています。「年齢のせいかしら…」「使っているシャンプーが合わないのかな」と不安になるかもしれませんが、その抜け毛の多くは、過酷な夏を乗り越えたことによる「ダメージの蓄積」が時間差で表面化しているサインなのです。
今回は、秋に抜け毛が急増するメカニズムや、漢方における「髪と血(けつ)」の深い関係、そして体の内側から健やかな髪を育むための養生法を、太陽堂の薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が教える、秋の抜け毛の養生まとめ】
まずは、当薬局が考える秋の抜け毛トラブルへのアプローチを簡潔にまとめました。
- 漢方の見立て(原因):西洋医学では「夏の紫外線ダメージや皮脂の酸化による地肌環境の悪化、ヘアサイクルの乱れ」とされる秋の抜け毛ですが、漢方では、夏場の発汗による栄養不足と秋特有の乾燥(燥邪)が、体内の「気(き)と血(けつ)のバランス」を大きく崩し、髪の毛まで栄養が届かなくなることに注目して原因を探ります。
- アプローチ(対策):秋の乾燥から身を守る潤い食材や、血を補う「黒い食材」を取り入れた食事ケア(養生)と、お客様の体質に合わせたオーダーメイドの煎じ薬を通じて、季節特有の変化に負けない健やかな美髪を育む「体の土台づくり」をサポートします。体が本来持つ力を引き出し、巡りの良い状態を目指します。
- 今後のステップ(根本ケア):一時的な育毛剤や表面的なヘアケアだけでしのぐのではなく、根本的な原因(胃腸での栄養吸収力や全身の巡りの低下など)を見極めるため、まずはじっくりとご相談を重ね、季節の変化にも揺らぎにくい長期的な体質改善と向き合っていきます。
※ 夏のあいだの紫外線・汗のダメージそのものについては、こちらのページで詳しくお話ししています。
【薬剤師 林の視点】秋の抜け毛のメカニズムと、西洋医学・漢方のアプローチ
こんにちは、薬剤師の林です。
動物が冬毛に生え変わるように、人間も秋は自然と髪が抜けやすい季節ではありますが、それが「ごっそり抜ける」となると、夏の間に蓄積したダメージが地肌の限界を超えているサインかもしれません。
西洋医学の視点:紫外線・皮脂の酸化による「ヘアサイクルの乱れ」
夏の地肌は、顔の何倍もの紫外線をダイレクトに浴びています。紫外線は髪のタンパク質を破壊してパサつきを生むだけでなく、地肌の奥にある「毛母細胞(髪を作る細胞)」にもダメージを与えます。さらに、大量にかいた汗や分泌された皮脂が酸化すると、地肌に炎症を引き起こし、毛根の環境を悪化させます。
これらのダメージが2〜3ヶ月かけて蓄積し、秋を迎える頃に「成長期」だった髪が急に「休止期」へと移行してしまう(ヘアサイクルが乱れる)ことが、秋の抜け毛の大きな原因です。
西洋医学的な視点(皮膚科学)では、アミノ酸系などの低刺激なシャンプーで地肌を清潔に保つことや、頭皮マッサージで血行を促すこと、また症状によっては市販の頭皮用ローションやビタミン剤を用いて、健やかな髪が育つ環境をサポートすることが推奨されます。
漢方の視点:夏の消耗と秋の乾燥が引き起こす「血虚(けっきょ)」
一方、漢方の視点では、髪の毛を「血余(けつよ=血の余り)」と表現します。全身の重要な臓器に十分な血(栄養と潤い)が巡り、最後に余った分で髪が作られるという考え方です。
夏場に大量の汗をかくと、体内の水分だけでなく、大切な「血」まで消耗してしまいます。全身の血が不足する(血虚)と、一番後回しにされる髪の毛には栄養が届かなくなります。そこに「秋の乾燥(燥邪:そうじゃ)」が追い打ちをかけます。空気が乾くことで地肌の水分も奪われ、畑で例えるなら「水も肥料も足りないカチカチの土壌」になってしまうのです。これでは、髪という作物はしっかり根を張れず、抜け落ちてしまいます。
漢方では、このような状態に対し、消耗した血をたっぷりと補い(補血)、秋の乾燥から地肌を守る潤いを与える(滋陰)アプローチを用いて、内側から髪を育むための健やかな体の土台づくりをサポートしていきます。
【薬剤師 椙田の視点】髪の土台を育む「黒い食材」と秋の睡眠養生
薬剤師の椙田です。
高級なヘアケアアイテムを使うことも大切ですが、髪の毛は最終的に「私たちが食べたもの」と「日々の習慣」から作られます。内側からの栄養補給が、抜け毛対策の要となります。
「黒い食材」と「ナッツ類」で、血と潤いをチャージする
漢方において、生命力やエイジングケアを司る「腎」の働きを助け、髪の毛の材料となる「血」を補うためにぜひ取り入れていただきたいのが「黒い食材」です。
- おすすめの黒い食材: 黒ごま、黒豆、ひじき、わかめ、きくらげ など。さらに、秋の乾燥から地肌を守る「潤い」を補給するために、「良質な油分を含むナッツ類」(くるみ、松の実、アーモンドなど)を適量取り入れるのも大変おすすめです。毎日のサラダに黒ごまや砕いたくるみをトッピングするだけでも、立派な美髪養生になります。
髪は「夜、眠っている間」に作られる
漢方では、「血は夜、眠っている間に作られ、蓄えられる」と考えます。どれだけ髪に良い食材を食べても、夜更かしをしていては血が作られず、地肌の修復も行われません。
特に、スマホやパソコンの強い光は「目」を酷使しますが、目は血を激しく消耗する器官です。秋の夜長はスマホを早めに置き、リラックスして質の高い睡眠をとることが、最も強力な抜け毛対策(土台づくり)に繋がります。
【比較表】秋の抜け毛を防ぐ!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(血を補い、地肌を整える) | × 要注意(血を消耗し、地肌を傷める) |
| 食事 | 黒豆、黒ごま、くるみなどのナッツ類 (「血」の材料となり、髪に潤いとしなやかさを与える) | 冷たい飲み物や、極端な食事制限(ダイエット) (胃腸が冷えて血が作られず、髪まで栄養が全く届かない) |
| ヘアケア | ぬるま湯(38度前後)で優しく洗う (必要な皮脂を残しつつ、乾燥しやすい秋の地肌を守る) | 熱いお湯で洗う、爪を立ててゴシゴシ洗う (乾燥を加速させ、炎症や抜け毛の直接的な原因になる) |
| 習慣 | 夜は早めにスマホを置き、十分な睡眠をとる (血を蓄え、毛母細胞の修復をスムーズに促す) | 夜更かしをして目を酷使し続ける (髪の材料である血を激しく消耗し、抜け毛がさらに増える) |
秋の抜け毛に関するよくある質問(FAQ)
夏用のサッパリしたシャンプーをまだ使っていますが、変えたほうが良いですか?
はい、秋からは「保湿力」の高いものへの切り替えをおすすめします。
夏用のシャンプーは皮脂を落とす力が強いものが多いため、乾燥しやすい秋に使い続けると、必要なバリア(皮脂膜)まで奪ってしまい、乾燥やフケ、抜け毛の原因になります。アミノ酸系などのマイルドで保湿力のあるシャンプーに切り替えて、いたわってあげましょう。
抜け毛が気になって、髪を洗うのが怖いです。
洗わずに不潔にする方が悪影響です。優しく洗いましょう。
シャンプーの時に抜ける髪のほとんどは、すでに「休止期」に入り、抜ける準備が終わっていた髪の毛です。洗うのを我慢して古い皮脂や汚れが溜まると、かえって環境が悪化します。指の腹を使って優しくマッサージするように洗い、清潔な状態を保つことが大切です。
食事や生活を変えれば、すぐに抜け毛は減りますか?
髪の毛の変化には時間がかかります。まずは「土台」を整えましょう。
ヘアサイクル(髪の生え変わりの周期)があるため、今日ケアをしたからといって明日すぐに抜け毛がゼロになるわけではありません。しかし、内側から「血」を補い、環境を整え続けることで、これから生えてくる髪の毛は変わっていきます。焦らず、ご自身の体質とじっくり向き合っていくことが重要です。
まとめ:夏の疲れを癒やし、内側から潤う健やかな美髪へ
「毎朝、枕元を見るのが憂鬱…」
秋に急増する抜け毛は、夏の過酷なダメージと、秋の乾燥によって体内の「血」と「潤い」が不足していることを教えてくれているサインです。
外側からの優しいヘアケアに加えて、漢方の視点を取り入れて内側からしっかりと「血」を補い、質の高い睡眠で体を休めることで、季節の変化に揺らがない健やかな髪の土台を作ることができます。
「色々試しても抜け毛が減らず不安」「体質からしっかりとバランスを整えたい」という方は、ぜひ太陽堂までお気軽にご相談ください。お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない養生法をご提案いたします。
関連ページ
太陽堂では、髪のお悩みだけでなく、女性特有のゆらぎや全身のコンディションに対する漢方サポートを行っております。気になる症状がございましたら、以下のページもぜひご覧ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















