
「目に注射をすると聞いただけで、怖くて足がすくんでしまう……」
「1回数万円もする注射を、この先いつまで続ければいいんだろう。費用のことを考えると気が重い」
「加齢黄斑変性と診断されて注射を勧められたけれど、不安でたまらない」
加齢黄斑変性症や黄斑浮腫などの治療で行われる「抗VEGF薬の眼内注射(アイリーア・ルセンティス・バビースモなど)」。視力を守るための非常に重要な治療法ですが、「目に直接針を刺す恐怖」と「治療を継続していく経済的負担」という大きな不安を抱えて、太陽堂へご相談に来られる方が数多くいらっしゃいます。
大切な目に注射をするのですから、怖いと感じたり費用に戸惑ったりするのは当然のことです。けしてご自身を責める必要はありません。
今回は、西洋医学的な知識(抗VEGF注射の役割や仕組み)を整理しながら、実は注射の治療と非常に相性が良い「漢方による体質ケア」の考え方について、薬剤師の視点から詳しく解説いたします。
【この記事の結論:「抗VEGF注射の不安」に対する漢方の考え方】
- 不調の正体(原因): 西洋医学では過剰なVEGF(血管内皮増殖因子)により網膜下に脆く破れやすい新生血管が発生・出血・浮腫を起こす状態とされますが、漢方では目周辺の過剰な熱(炎症)、血流の滞り(瘀血)、水分代謝の悪化(水毒)が原因と考えます。
- 漢方の解決策: 西洋医学の注射で「今ある新生血管と漏れ」を速やかに抑えつつ、漢方で血管の熱や血流・水分の巡りを整え、「新たな血管が発生しにくい体質」を内側から作ります。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 加齢黄斑変性症、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、特発性網脈絡膜新生血管、抗VEGF注射の回数を減らしたい方
【まず大前提】注射をご自身の判断でやめないでください
抗VEGF注射は、今まさに網膜の下で悪さをしている新生血管の動きを直接抑え、急速な視力低下を防ぐための治療の最前線にある柱です。
どれほど恐怖感が強く、費用の負担がつらいと感じられても、ご自身の判断で治療を中断することは絶対に避けてください。
網膜の中心部である「黄斑(おうはん)」に新生血管からの出血や水分の漏れ(浮腫)が広がると、視細胞がダメージを受けて取り返しのつかない視力障害(視野の中心が見えにくくなる等)を残してしまう可能性があるからです。
注射への不安や怖さがあるときは、まずは眼科の主治医の先生へ素直にお気持ちをお伝えしましょう。また費用面に関しても、医療機関の相談窓口などで「高額療養費制度」などの公的助成制度を利用することで、自己負担額を大幅に軽減できる場合があります。
抗VEGF注射とは?西洋医学的な仕組みと治療の流れ
西洋医学において、加齢黄斑変性症や網膜静脈閉塞症などの病態の核心にあるのが「新生血管(しんせいけっかん)」です。
網膜に酸素や栄養が行き渡らなくなると、体は網膜を守ろうとして「VEGF(血管内皮増殖因子)」というタンパク質を分泌し、新しい血管を作ろうと命令を出します。しかし、この命令によって突貫工事で作られた新生血管は非常に脆く、すぐに破れて出血したり、血液中の水分(血漿)が漏れ出したりして黄斑部を腫れさせてしまいます(黄斑浮腫)。
病院で処方される代表的な抗VEGF薬(西洋薬)
- アイリーア(一般名:アフリベルセプト): VEGFの働きを強力にブロックし、新生血管の発生や漏れを抑制します。高濃度製剤なども登場しています。
- ルセンティス(一般名:ラニビズマブ): 新生血管の成長を抑え、視力維持・改善を目指します。
- バビースモ(一般名:ファリシマブ): VEGFだけでなく、血管の安定化に関わる「Ang-2(アンジオポエチン-2)」という因子も同時にブロックする新しい作用機序のお薬です。
治療の進め方(導入期と維持期)
治療は通常、毎月1回ずつ連続で注射を行う「導入期(3回程度)」から始まり、その後は目の状態をOCT(光干渉断層計)検査などで確認しながら注射の間隔を延ばしていく「Treat and Extend(T&E)投与法」などが一般的です。
経過が良ければ、注射の間隔を2ヶ月、3ヶ月と少しずつ延ばしていくことができます。
【注射の実際】 治療の際は、点眼麻酔や消毒を念入りに行った上で目の中に非常に細い針で注射を行います。麻酔が効いているため施術自体は数十秒程度で終わることがほとんどですが、やはり「目の中に針が入る」という恐怖感から、毎回強い緊張を感じる患者さまが多くいらっしゃいます。
【薬剤師コラム①】「怖い」「高い」——その2つの不安、よく分かります
担当薬剤師:前原
店頭で抗VEGF注射のご相談を伺っていて圧倒的に多いお悩みは、まさに「目への注射が怖くてたまらない」ということと、「1回の治療費が高額で続けられるか不安」という2点です。
自分の大切な目の中に直接針を入れるのですから、恐怖を感じるのは人間として当然の感情です。「みんな我慢しているのに、怖いと思う自分が情けない」などとご自分を責める必要は全くありません。
しかし、その怖さや費用の負担を理由に病院での治療から遠のいてしまうことこそが、目にとって最大の危険となります。
だからこそ私たちは、「注射の治療をきちんと受けながら、体質ケアによって『新たな血管が伸びにくい体』を内側から作り、結果として注射の間隔が延びたり回数が少なくて済むような良い経過を目指していきましょう」とお伝えしています。
経過が良くなれば注射の回数が減り、経済的な負担や怖さの回数も減っていきます。費用の不安も含めて、どうぞお気軽にお気持ちをお聞かせくださいね。
【比較表】西洋医学(抗VEGF注射)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
抗VEGF注射と漢方薬は、お互いに反発するものではなく、役割が全く異なるからこそ「相性抜群のパートナー」となります。
| 比較項目 | 西洋医学(抗VEGF注射) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 今ある新生血管の活動を直接抑え、出血や水の漏れを速やかに止める | 新生血管が発生しやすい体質(血管の炎症・血流低下・水毒)を根本から整える |
| 得意なこと | 局所への速効性、黄斑浮腫の急速な消退、急激な視力低下の防止 | 再発しにくい体内環境作り、網膜の栄養状態の改善、全身バランスの底上げ |
| 代表的な手段 | アイリーア、ルセンティス、バビースモ等の眼内注射 | 血管の熱を冷ます生薬、血流を良くする生薬(活血薬)、水はけを促す生薬 |
| お互いの関係性 | 「今」出ている火事を素早く消し止める速効の消火器 | 「これから」火事を起こさない燃えにくい環境を作る土台改善 |
漢方から見た「新生血管が伸びやすい3つの体質タイプ」
漢方では、加齢黄斑変性症や黄斑浮腫などの病態を「目だけの問題」として捉えず、全身の気・血・水(き・けつ・すい)の巡りや熱(炎症)の偏りから紐解いていきます。
主に以下の3つの体質タイプに分けられ、患者さまのお身体に合わせた処方を組み立てます。
① 血管に炎症(熱)がこもっているタイプ(血熱・湿熱)
- 主な症状: 目の奥が熱く痛む感じがする、目が充血しやすい、のぼせやすい、顔が赤くなりやすい、血圧が高め。
- 漢方的見解: 体内や血管内に過剰な「熱(炎症)」がこもり、その熱が血管を刺激して脆く破れやすい状態を作っていると考えます。
- アプローチ: 血管や体内の熱を和らげる生薬(黄連、黄芩、牡丹皮など)を用いて血熱を鎮め、出血や漏れの起きにくい静かな血管環境を作ります。
② 血流が滞り血管が虚弱になっているタイプ(瘀血・気血両虚)
- 主な症状: ひどい肩こりや頭痛がある、手足が冷える、顔色がくすみやすい、高血圧や高脂血症などの生活習慣病がある。
- 漢方的見解: 目周辺の血流が滞る(瘀血:おけつ)ことで網膜への酸素供給が絶たれ、体は不足を補おうとして無理に新生血管を伸ばしてしまうと考えます。
- アプローチ: 血流をスムーズにする生薬(丹参、川芎、紅花など)を用いて網膜への血流循環を改善し、体が新しい血管を作る必要のない健やかな状態を目指します。
③ 水の巡りが滞りむくみやすいタイプ(水毒・黄斑浮腫)
- 主な症状: 全身がむくみやすい、体が重だるい、雨の日や湿気の多い日に体調を崩しやすい。黄斑浮腫と診断されている。
- 漢方的見解: 体全体の水分代謝(水はけ)が悪く、それが目の中にまで影響して網膜下に水が溜まりやすくなっている状態です。
- アプローチ: 不要な水分の排出を促す生薬(猪苓、沢瀉、茯苓など)を用いて水分の循環を整え、網膜のむくみ(浮腫)を鎮めやすい体質を作ります。
【薬剤師コラム②】目のケアは「これ以上悪化させないこと」が何より大切です
担当薬剤師:林
目の疾患全般を通じて私たちが最も強調してお伝えしているのは、「目は『元の見え方に治す』こと以上に、『これ以上悪化させない』ことが何より大切である」ということです。
網膜の中心にある「黄斑部」の視細胞は非常に繊細で、一度出血や浮腫によって大きく破壊されてしまうと、現代医療をもってしても完全に元の状態へ復元することは容易ではありません。
だからこそ、変化の「早期発見」と「進行予防」が命になります。
ご自宅では、カレンダーの升目や障子の桟、アムスラーチャートなどの「まっすぐな線」を片目ずつ見るセルフチェック習慣をつけてみてください。
「線が曲がって見える(変形視)」「見ようとする中心が暗く欠ける(中心暗点)」といった変化に少しでも早く気づき、速やかに眼科を受診して適切な治療を受けること。そして漢方で再発しにくい体質を整えていくこと。この両輪で大切な見え方を守っていきましょう。
【改善実例】太陽堂での体質改善エピソード
①【加齢黄斑変性症】昭和42年生 男性|視力が回復し、1年1ヶ月で安定
病院で加齢黄斑変性症と診断され、視力の低下が進んできたことに強い不安を感じて太陽堂へご相談に来られました。
病院での治療を継続していただくことを前提に、太陽堂からは①血管の炎症を改善する漢方薬 ②新生血管の進行を防ぐ漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 3ヶ月後: 視力が改善してきているとのことでした。
- 7ヶ月後: 視力の左右差がないくらいまで改善しているとのこと。
- 1年1ヶ月後: 視力は元に戻り、見え方も良くなっているとのこと。安定した状態を保たれています。
②【黄斑浮腫】眼科治療と併用|中心のぼやけが和らぎ、1年3ヶ月で半量へ減量
黄斑浮腫と診断され、眼科での治療を受けながらも「視野の中心のぼやけがなかなかスッキリしない」とお悩みでご来店されました。
病院での治療はそのまま継続していただきながら、太陽堂からは①血管の巡りと滞りを整える漢方薬 ②目の周りの栄養状態を支える漢方薬 の2種類をお渡ししました。
- 3ヶ月後: 「中心部のぼやけた感じが以前より気にならなくなってきた」とお話しいただきました。
- 10ヶ月後: ぼやけを感じる時間が大幅に減り、日常生活での目の不快感が軽くなって前向きな気持ちになられたご様子。
- 1年3ヶ月後: 体調も良く経過が安定していたため、ご相談の上で漢方薬を半量へ減量し、経過を穏やかに見守られています。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
今日からできるセルフケア・目の食養生
毎日の生活習慣を見直すことで、網膜への酸化ストレスを減らし、血管の健康を守ることができます。
- 「禁煙」を徹底する: タバコに含まれるニコチンや有害物質は血管を収縮させ、強力な酸化ストレスを与えて新生血管の発生リスクを数倍に高めます。目を守る上で禁煙は最も効果的なセルフケアです。
- 「ルテイン」や抗酸化物質を意識した食事: 網膜の黄斑部には「ルテイン」という黄色い色素が存在し、光の刺激から目を守っています。ほうれん草、ケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、青魚(DHA・EPA)、ブルーベリーやアスタキサンチンなどの抗酸化成分を意識して食事に取り入れましょう。
- サングラスで「紫外線・青色光」をカットする: 太陽光に含まれる強い紫外線やブルーライトは黄斑部に直接ダメージを与えます。外出時はUVカット効果のあるサングラスや帽子を常用しましょう。
- 「片目ずつのセルフチェック」を習慣化する: 日常の中で、片目を手で覆い、カレンダーの数字や部屋の枠線が「ゆがんでいないか」「中心が消えて見えないか」を交互にチェックしましょう。変化を感じたらすぐに眼科を受診することが大切です。
よくあるご質問(FAQ)
抗VEGF注射と漢方薬は併用しても大丈夫ですか?
はい、基本的には安心して併用いただけます。むしろ非常に相性の良い組み合わせです。
抗VEGF注射は「今まさに出来ている新生血管からの漏れを速やかに止める」働きをし、漢方薬は「これから新しい血管が伸びてこないような体質(血管の炎症や血流障害の改善)を作る」働きをします。それぞれの役割が異なるため、併用することでお互いの強みを活かした効率的なケアが可能です。お使いのお薬手帳をぜひご提示ください。
漢方薬だけで加齢黄斑変性症や黄斑浮腫を治すことはできませんか?
すでに新生血管が発生して出血や浮腫が起きている状態では、漢方薬単独のケアはお勧めできません。
現在進行形で出血や水分の漏れが起きている場合、漢方薬だけでそれを素早く止めるには時間がかかってしまい、その間に網膜細胞が取り返しのつかないダメージを受けてしまう危険性があります。「今ある血管には注射で迅速に対処し、漢方は新たな血管を作らせない土台作りを行う」という役割分担が、大切な視力を守る上で最も安全で現実的な選択です。
注射の費用が高額で続けられるか心配です。どうすればいいですか?
まずは医療機関の窓口で「高額療養費制度」などの利用についてご相談ください。
抗VEGF薬は非常に高価なお薬ですが、公的な「高額療養費制度」を利用することで、年齢や所得に応じた一ヶ月の自己負担上限額が設定され、超過分が払い戻される仕組みがあります。費用を理由に治療を自己中断してしまうことが目にとって一番の危険ですので、決して一人で抱え込まず病院の窓口へご相談ください。
どのくらいの期間、漢方薬を継続すれば良いですか?
体質や目の状態によりますが、まずは2〜3ヶ月程度が一つの目安となります。
見え方のぼやけや体調の変化は1〜3ヶ月頃から実感される方が多くいらっしゃいます。眼科での定期検査(OCT検査等)で経過を確認しながら、実例のように1年〜1年半程度じっくり体質を整えていくことで、安定した状態を保ちやすくなります。
まとめ|注射で「今」を抑え、漢方で「これから」を防ぐ
目の中に直接注射をする怖さや、高額な治療費への不安を感じるのは当然のことです。
しかし、「怖いから」「費用が高いから」といって病院での治療をあきらめてしまう必要はありません。
① 病院の抗VEGF注射で「今ある新生血管と出血」を迅速に抑える ② 漢方薬で「新たな血管が伸びてこない健やかな体質」を内側から整える ③ 自宅でのセルフチェックと緑黄色野菜・禁煙で目を保護する この3つのステップを組み合わせることで、「注射の回数や恐怖に振り回されない未来」を目指していくことができます。
「注射を続けるのがつらくなってきた」
「これ以上視力を落とさないために、できる限りのケアをしたい」
そんな方は、どうぞ一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。眼科の検査結果やお薬手帳をご用意いただけると、より詳しくお話しできます。専門の薬剤師があなたの目と体質に優しく寄り添い、大切な見え方を守るケアを全力でサポートいたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
















