
市販で「足りる場合」と「足りない場合」を知っておきましょう
こんにちは。漢方薬局 太陽堂です。
「ドラッグストアの棚で排膿散及湯を見かけたけれど、自分の状態に合うのか選び方が分からない」
「市販のものを買ってしばらく飲んでいるけれど、いまひとつスッキリと変化しない」
「市販品の漢方と、専門の漢方薬局でお出しするものは、そもそも何が違うの?」
「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」は、化膿を伴う肌のゆらぎや鼻の奥の不快感などに用いられ、ドラッグストアなどでも市販薬として比較的手にしやすい身近な漢方薬です。
実際、太陽堂の店頭にも「まずは市販のものを試してから」ご相談に来られる方が少なくありません。身近なお薬から試してみるというのは、まったく正しいステップです。
ただ、「市販品で十分な場合」と「市販品では少し力が足りない場合」がある——ここを知っておくと、回復への遠回りをせずに済みます。
今回は、排膿散及湯における「市販品と漢方薬局の3つの違い」と、専門家のサポートが必要になるサインについて、薬剤師が正直に詳しく解説いたします。
【太陽堂が解説する「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 排膿散及湯は、体にこもってドロドロになった余分な「熱」と「滞り(膿のようなもの)」に出口を作り、外へスムーズに押し出して発散させる働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 赤く腫れぼったい肌のゆらぎ、化膿しやすい体質、喉の奥や鼻の奥にドロッとしたものを持ちやすいといったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂でのサポート: この排膿散及湯をベースにしつつ、お一人おひとりの体質やゆらぎの場所(肌・鼻など)に合わせて別の漢方と生薬のバランスを細かく調整し、根本的な体質からの見直しをサポートします。
【コラム】薬剤師 林の視点「皮膚科・耳鼻科のお薬(抗生物質など)と市販漢方の違い」
「赤く腫れ上がったおできや、ドロッとした鼻水が続く蓄膿症などで病院を受診すると、『セフェム系』や『マクロライド系』といった抗生物質(抗菌薬)が処方されます。これらのお薬は、原因菌を直接叩き、今起きている激しい炎症をスピーディに鎮めるために非常に優れており、不可欠なものです。
一方、ドラッグストアで買える漢方薬は、菌を直接殺すのではなく『自らの体の働き(押し出す力)』を助けるものです。そのため、高熱を伴うような激しい感染症には向いていませんが、『抗生剤を飲むほどではないけれど、なんとなく不快感が続く』といった軽い単発のゆらぎには、非常に手軽で良い選択肢になります。」
市販品と漢方薬局の「3つの違い」
排膿散及湯という「処方名」は同じでも、市販で買えるパッケージ品と、私たちのような漢方専門薬局でお出しするお薬とでは、大きく「3つの違い」があります。
違い1:生薬の「質」
漢方薬の材料となる生薬は、野菜などの農作物と同じで、産地や収穫年、加工・保管状態によって質に大きな幅があります。同じ「排膿散及湯」という名前の箱でも、中に使われている生薬の質や有効成分の濃さまでは外からは分かりません。太陽堂では、確かな効果をお届けできるよう、生薬の質を自分たちの目で一つずつ確かめて厳選して仕入れています。
違い2:お薬の形と作り方(顆粒か、煎じか)
ドラッグストアで販売されている市販品の多くは、工場で大量生産され、持ち運びやすく飲みやすい「顆粒(エキス剤・粉薬)」です。
一方、漢方薬局では、生薬そのものをじっくり煮出して飲む「煎じ薬(せんじぐすり)」という選択肢をご提案しています。昔ながらの煎じ薬は、成分をしっかりと余すことなく引き出せるうえ、その日の体調に合わせて中身の量を細かく微調整できるのが最大の強みです。
違い3:「組み合わせの有無」(※ここが一番大きいです)
実はこの排膿散及湯、太陽堂では「単独(1種類だけ)でお出しすることはかなり少ない」という事実があります。
排膿散及湯は「不要なものを外に押し出す」という一点に特化した、いわば専門職人のような漢方薬です。そのため、肌のご相談なら「肌の熱を冷ます漢方」と、鼻のご相談なら「鼻の通りを開く漢方」と、二人一組のペア(組み合わせ)で働かせるのが基本となります。
市販で1種類の箱だけを買って飲む形では、この一番大切な「組み合わせ」の視点が抜け落ちてしまいます。ここが、市販品で足りるかどうかの最大の分かれ目になるのです。
【コラム】薬剤師 前原の視点「“市販で効かなかった=合わない”ではありません」
「店頭には、市販のものをしばらく試してからご相談に来られる方が実際にたくさんいらっしゃいます。そして『効かなかったので、私には漢方が合わないみたいで…』と肩を落とされるのですが、詳しくおうかがいすると、『お薬の方向が間違っていたわけではなく、単独で飲んでいたことが理由』というケースが非常によくあります。
排膿散及湯に『押し出す力』はあっても、そもそもドロッとしたものが生まれてしまう土台(熱のこもりやすい肌質や鼻の環境)を整えるのは、このお薬の担当外なのです。そこを受け持つ“相棒”と組ませて、初めて全体の巡りがスムーズに動き出します。
市販品で変化を感じられなかった方は、あきらめる前に『専門家による組み合わせ』という選択肢を思い出してくださいね。」
ドラッグストアで買うときの注意点と見直しの目安
たまにできる軽いおできや、単発の赤いポツポツ(ニキビ)など、「軽い・単発のトラブル」に市販品を使うこと自体は、手軽で非常に良い選択肢です。そのうえで、ドラッグストアで購入する際は次の点だけ心に留めておいてください。
- 用法・用量をしっかり守る: 「早くスッキリさせたいから」と、自己判断でパッケージの規定量より多く飲むのは禁物です。
- 「長引く・繰り返す」なら切り替える: 数日〜1週間ほど飲んでも変化がない場合は、単独で粘らずに専門家(薬剤師)へご相談ください。「単発」ではなく「繰り返す体質」の問題になっているサインです。
- ⚠️危険なサインを見逃さない: 高熱を伴う、腫れがどんどん広範囲に広がる、痛みが強くなる一方である——という場合は、市販薬で様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。
【コラム】薬剤師 林の視点「市販薬から専門相談への“良い橋渡し”」
「太陽堂へご相談の際は、飲んでいた市販品の空き箱やお薬手帳をそのままお持ちいただくことをおすすめしています。何を、どのくらいの期間試して、体がどう反応したかが分かると、私たちがご提案する次の一手の精度がぐっと上がるからです。
『市販薬を試した』というご経験は、決して無駄ではありません。『それで動かなかった』という事実そのものが、お客様の体質を読み解くためのものすごく大事なヒントになるからです。遠慮なさらずに、これまでの経過ごと全て持ち込んでくださいね。」
市販の排膿散及湯についてのよくあるご質問(FAQ)
いま市販のものを飲んでいますが、そのまま相談できますか?
もちろんです。むしろ林のコラムにあったように「市販品で試した経過」ごと全てお持ちいただくのが私たちにとっても一番助かります。製品の箱やお薬手帳を持って、どのくらいの期間飲んだか・どう変化したかを教えてください。そのまま今のものを続けるか、切り替えるか、別の漢方を組み合わせるかの判断を一緒にいたします。
市販品で効かなかったのは、自分の体質に合っていないからですか?
そうとは限りません。この漢方薬は単独では動きにくく、相棒となる別の漢方薬と「組み合わせてこそ力を出すタイプ」だからです。合う・合わない以前に、「一人ぼっちで働かせていたからパワー不足だった」ことが原因のケースがとてもよくあります。体質の深い見極めも含めて、一度ご相談ください。
どんなときなら市販品だけで大丈夫(十分)ですか?
たまにポツッとできる軽いおできや、単発の軽い肌のゆらぎなどであれば、市販品で様子を見るのも手軽で良い選択肢です。ただし、「何度も同じ場所に繰り返す」「数日〜1週間飲んでも変化がない」「腫れの範囲が広がる」という場合は、市販品のパワーを超えているため切り替えどきです。
まとめ:違いは「質・煎じ・組み合わせ」。特に“組み合わせ”が肝心
「排膿散及湯の市販品と漢方薬局の違い」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 違いは「生薬の質」「煎じ薬かどうか」「相棒との組み合わせ」の3点
- 排膿散及湯は単独で使う場面が少なく、他の漢方との組み合わせが最大の要
- 軽い単発なら市販品で十分。繰り返す・長引くなら組み合わせの相談を
「市販品を試したけれど、いまひとつスッキリしなかった」「何年も同じトラブルを繰り返していてつらい」という経験をお持ちの方は、一人で抱え込まずに、その経過ごとぜひお気軽に太陽堂へお持ちください。 (※感じ方や必要な期間には個人差があります)
「そもそもどんな漢方薬?」「排膿散との違いは?」という基本は、こちらの解説をご覧ください。
「効果が出るまでの期間」の目安は、こちらの記事で解説しています。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。














