
「健康診断のレントゲンやCTで『肺に影がある』と言われ、精密検査を受けたけれど、痰の培養では菌が出ませんでした」
「お医者さんからは『非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の疑いですね。とりあえず経過観察で様子を見ましょう』と言われたまま、はっきりしない状態がずっと続いている」
「菌が出ないなら安心なの? それともこれから悪くなるの? 病院では『菌が出なくても進行する人もいる』と言われて、不安ばかりが募っている」
健診やCTをきっかけに、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の「疑い(グレーゾーン)」と言われたまま、病名がはっきりと確定せずに宙ぶらりんの不安を抱えていらっしゃる方は、決して少なくありません。
太陽堂ではこれまで、2,000名以上の肺MAC症・抗酸菌症の患者さまからのご相談をお受けしてきました。実は、新しくご相談に来られる方の「3人に1人ほど」は、まさにこの『菌が出ない・菌種がはっきり分からない』疑いの段階の方なのです。
このページでは、「疑い」のまま止まってしまう西洋医学的な理由と、検査との賢い付き合い方、そして「病名が確定しない段階からできる漢方の考え方」を、薬剤師の視点から詳しくお話しします。
【この記事の結論:「肺MAC症の疑い・菌が出ない」に対する漢方の考え方】
- 起こる理由(原因): 西洋医学では画像上は病変があっても痰から菌が証明されない状態とされます。漢方では、菌の有無にかかわらず、肺の免疫バリアの低下と、慢性的な疲労・胃腸の弱りが土台にあり、菌が棲みつきやすい環境になっていると考えます。
- 漢方の解決策: 病院の検査(経過観察)は必ず続けながら、漢方で「肺の免疫力を上げる」「肺に溜まった老廃物(痰)を出しやすくする」ことで、菌が繁殖しにくい身体の土台を内側から作ります。
- 対象となる主な疾患・お悩み: 非結核性抗酸菌症の疑い、肺MAC症の疑い、CTで肺に影があると言われた方、痰の培養検査で菌が陰性だった方、様子見と言われて不安な方
なぜ「疑い」のまま止まってしまうのか——検査の壁
肺MAC症(非結核性抗酸菌症)の正式な確定診断は、CT等の画像検査で病変があることに加えて、「複数回の痰の培養検査で、実際に菌が証明されること(菌が育つこと)」ではじめて下されます。
ところがこの「培養検査」には、大きな壁があります。 非結核性抗酸菌は、結核菌などに比べて発育が非常に遅く、結果が出るまでに最長で6週間(約1ヶ月半)もかかることがあるのです。さらに、菌の量が少ない初期段階などでは、1回の痰の検査で必ず菌が出るとも限りません。
つまり、CTで影があっても「診断がはっきりつかない期間(疑いの期間)」が何ヶ月も生まれてしまうのは、この検査のしくみ上、ある程度仕方のないことなのです。
だからこそ、店頭で私たちは患者さまにこうはっきりとお伝えしています。「培養検査だけで一喜一憂しなくて大丈夫です。『菌が出ない』期間を、そこまで恐れたり悲観したりする必要はありません。大切なのは、検査をきちんと続けながら、いまの身体にできること(体質改善)を並行して積み重ねていくことです」
【薬剤師コラム①】「菌が出ない」時間は、負けではありません
担当薬剤師:林
「肺に影があるのに、菌が出ないから治療が始められない。このまま悪化していくのを見ているだけなんて、怖いし悔しいです」 店頭でこの「何も分からない、何もできない怖い時間」に怯えている方が、本当にたくさんいらっしゃいます。
でも、検査のしくみを知ると、少し景色が変わってきませんか? 培養検査だけがすべてではありませんし、「菌が出ない=悪化している」わけでも決してありません。むしろ、菌が検出できないほど少ない状態だとも言えます。
ご相談の際は、病院の検査結果の紙(採血やレントゲン・CTのレポート)をぜひそのままお持ちください。一緒に読み解きながら、「今のあなたの身体の現在地」を客観的に整理します。 分からないことを分からないままにしておくことが、不安のいちばんの栄養源になってしまいます。「菌が出ない」時間は、決して病気に負けている時間ではなく、「身体の土台を立て直すための猶予が与えられている時間」なのです。
菌にも、いろいろな種類があります(敵を知る)
「非結核性抗酸菌」というのは、実はひとつの菌の名前ではなく、結核菌とらい菌以外の抗酸菌の「総称(グループ名)」です。
代表的なのがMAC(マック:アビウム菌・イントラセルラーレ菌の2つの総称)で、全体の約9割を占めますが、ほかにアブセッサス菌、カンサシ菌など、いくつもの種類が存在します。 そして重要なのは、「菌の種類によって、病気の進み方の速さや、効く抗生剤(治療方針)が全く変わる」ということです。
だからこそ、病院は急いで適当な薬を出すのではなく、時間のかかる培養検査を繰り返して「どの菌なのか」を正確に確かめようとしているのです。 逆に言えば、まだ菌種が分からない「疑い」の段階で、ネットで見た一番悪い情報(進行が速いなど)を想定して怖がりすぎる必要は全くありません。それを確かめるための検査が、これからきちんと続いていくからです。
検査との付き合い方——数字や画像に振り回されないために
疑いの段階の検査との正しい付き合い方について、太陽堂の店頭では以下のように整理してお伝えしています。
- 痰の培養検査: 数ヶ月に1回のペースで定期的に続けながら、「出るか・出ないか(どの菌か)」をじっくりと確かめていきます。
- 胸部CT検査: CTには放射線の被曝リスクがありますので、頻繁に撮ることはおすすめしません。半年〜1年に1回程度で十分なことが多いです。間隔は主治医の先生とよくご相談ください。
- ふだんの体調と血液検査: 咳・痰・疲れやすさなどの『自覚症状』と、採血での炎症反応(白血球・CRPなど)で日々の状態を見ていきます。
実は、CTに写る「影の大きさ」と、実際の「症状の重さ」は、必ずしも連動しません。影が大きくても全く無症状の人もいれば、影が小さくても咳で苦しむ人もいます。 検査の数字や画像に一喜一憂するより、ご自身の「今日の咳は10段階でどのくらいか」といった体調の変化を記録しておくほうが、よほど確かな手がかりになります。
【比較表】西洋医学(病院)と漢方薬(太陽堂)のアプローチの違い
| 比較項目 | 西洋医学(病院のアプローチ) | 漢方薬(太陽堂の体質ケア) |
| 主な目的 | 培養検査で菌種を特定し、抗生剤等で菌を直接叩く治療を行う | 菌が棲みつきにくい(炎症を起こしにくい)身体の免疫と環境を育てる |
| 得意なこと | CT等の画像診断、菌の正確な特定、活動期・悪化時の強力な薬物治療 | 「疑い・様子見」の段階からの体質改善、自覚症状(咳・痰)の緩和 |
| 代表的な手段 | 定期的な経過観察(CT・培養)、抗生剤の多剤併用療法(クラリス等) | 肺の免疫を上げる漢方薬、菌や痰を除去する(排膿)漢方薬の組み合わせ |
| 気になる点 | 菌が特定されないと積極的な治療が始められず、様子見が長引く | 体質からの変化のため、効果の実感までに月単位の期間が必要なこと |
| 両者の関係性 | 病態の正確な把握と、いざという時の「絶対的な治療の軸」 | 診断を待つ間も、診断後も、身体の土台を支え続ける「並走のサポーター」 |
疑いの段階から、漢方でできること(2本柱)
この病気の原因となる非結核性抗酸菌は「常在菌」といって、土や水、ほこり(浴室など)など、私たちの生活環境のどこにでもいる菌です。 誰でも吸い込んでいるのに、病気になる人とならない人がいる——その差は、「肺の免疫力が落ちて、菌を追い出せなくなっているかどうか」が圧倒的に大きいと私たちは考えています。実際、この病気は9割ほどが中高年の女性(ホルモンバランスや免疫の揺らぐ世代)に集中しています。
そこで太陽堂の漢方アプローチの基本は、「菌を除去する(排膿する)漢方薬」と「肺の免疫力を上げる漢方薬」の2本柱です。
「診断がつくまで何もできない」と諦めるのではなく、この疑いの段階を「免疫の土台を先回りして作る時間」に変えていく——これが、私たちからのご提案です。変化の目安は3ヶ月単位で、自覚症状の記録と照らし合わせながらじっくりと見ていきます。
【薬剤師コラム②】検査は続けながら、土台づくりを
担当薬剤師:椙田
「疑いだからまだ薬も出ないし、どうせ何もできない」と思われるかもしれませんが、疑いの段階でできることは、意外とたくさんあります。
睡眠と食事で免疫の土台を整えること、日々の咳や疲れの変化をノートに記録しておくこと、そして何より、病院での培養検査を定期的にサボらずに続けること。 この3つをしっかりと積み重ねておいた方は、いざ菌種がはっきりと分かった時の病院での対応も、漢方薬での次のステップへの移行も、非常にスムーズに進みます。
焦らず、でも決して何もしない(放置する)のではなく——そのあなたに並走するサポーターを、私たちがいたします。
【改善実例】「培養で菌が見つからない」がゴールになることも
こちらはすでに診断がついていた方の実例ですが、漢方治療の結果として「培養検査で菌が出なくなる(陰性化する)」という状態が治療の素晴らしいゴールにもなる、という希望の参考としてご紹介します。
【60代 女性|1年5ヶ月で「菌が見つからない」状態に、2年で服用終了】
【ご相談時の状態】 15年前に肺MAC症と診断され、4年前から咳・痰・疲れ・微熱が悪化。「1時間に1回、黄色〜緑の濃い痰が出る」という非常に辛い状態でした。
【太陽堂の提案】 ①免疫を上げる漢方薬 ②菌を除去する(排膿する)漢方薬 ③肺を潤す煎じ薬 の3種類でスタートしました。
- 3ヶ月後: 咳がほとんど出なくなり、1時間に1回出ていた痰は「1日1〜2回」にまで減りました。
- 1年5ヶ月後: 病院での定期的な痰の培養検査で、「菌も見つからなかった(陰性化)」とのご報告でした。
- 2年後: 症状もなく、検査でも問題ない状態が維持できたため、漢方の服用終了となりました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。症状の改善を保証するものではありません。
▼肺MAC症・非結核性抗酸菌症の改善実例をもっと見る
よくあるご質問(FAQ)
菌が出ていなくて病名が確定していませんが、漢方を始めてもいいですか?
はい、ご相談いただけます。
新しくご相談に来られる方の3人に1人ほどは、「菌が出ない・疑い」の段階の方です。診断をただ待つのではなく、免疫の土台づくりから先回りして始める方が多くいらっしゃいます。病院の培養検査や定期健診は、並行して必ず続けてください。
進行が速い種類の菌だったらどうしよう、と毎日不安です。
菌が出ていない段階で、ネットの情報を探して最悪を想定しすぎなくて大丈夫です。
菌の種類によって性質は違いますが、それを正確に確かめるために定期的な培養検査があるのです。検査を続けながら、いまできる体づくりに目を向けていきましょう。「不安」という強いストレスそのものが、体力を削る大きな要因になります。ひとりで抱え込まず、検査結果の紙を持って私たちにそのままお聞かせください。
CTは頻繁に撮って進行を確認したほうがいいですか?
半年〜1年に1回程度で十分なことが多いです。
CT検査には放射線の被曝リスクがありますので、頻繁に撮ることはおすすめしていません。撮る間隔は主治医の先生の指示に従ってください。ふだんの病状の変化は、ご自身の自覚症状(咳や痰の量)の記録と、血液検査(炎症反応)で追うことができます。
漢方薬を始めたら、病院の経過観察(定期受診)はやめてもいいですか?
いいえ、必ず続けてください。
漢方薬は病院の検査に代わるものではありません。培養検査で「菌が出るか・出ないか」を専門医のもとで確かめ続けることが、いざ菌種が分かったときの適切な西洋医学の治療につながります。私たちも、病院の検査結果を一緒に見ながら漢方を調整して進めていきます。
まとめ|「菌が出ない」は、何もできない時間ではありません
「疑い」のまま、様子見と言われて過ごす時間は、たしかに宙ぶらりんで落ち着かないものです。でもその時間は、「検査と正しく付き合いながら、免疫の土台を根本から整えていく時間」に確実に変えられます。
- 培養検査は結果が出るまでに時間がかかる。1回で出なくても焦らない。
- 漢方薬は「免疫を上げる」ことと「菌や痰を除去する」ことの2本柱で、様子見の期間の土台づくりを担う。
- 菌が出るか出ないかは病院の検査に任せて、いまの身体にできること(体質改善)から始める。
「経過観察と言われても不安で仕方ない」という方は、どうぞ一人で抱え込まずに太陽堂へご相談ください。
病院の検査結果の紙をお持ちいただき、ご自身の体調を丁寧にお伺いし、全国対応のオンライン相談・店頭相談にて、あなたの身体を土台から支える漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
肺MAC症(非結核性抗酸菌症)に対する具体的な漢方アプローチについては、こちらのページにて詳しく解説しております。全国対応のオンライン相談も承っておりますので、まずはお気軽にお声がけください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
肺MAC症・肺の検査に関するお悩みについて、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼健診で「肺に影がある」と言われた方へ
▼「肺MAC症は経過観察で」と言われたら
▼「肺MAC症の3剤」のお薬について知りたい方はこちら
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
太陽堂がはじめての方へ
ご相談を考え始めた方は、まずこちらをどうぞ。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















