
「健康診断で『肺に影があります』と言われ、頭が真っ白になった」
「精密検査の結果、聞いたこともない病名を告げられた」
「『経過観察でいいでしょう』と言われたけれど、何もしないのがかえって不安」
太陽堂には、呼吸器のご相談が数多く寄せられます。そのお話をうかがっていると、多くの方の不安が「健診やCTで見つかった、肺の影」から始まっています。
今回は、「影」と言われたときの考え方と、診断がついたあと・経過観察の間に漢方でできることについて、薬剤師の視点から解説いたします。
【この記事の結論:「肺の影と言われた不安」に対する漢方の考え方】
- 影・症状の正体: 西洋医学では画像上の影(感染症や炎症の痕など)と捉えますが、漢方では「肺の潤い不足(陰虚)」や「呼吸器の防衛力(気)の低下」による組織のもろさが根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: 影の濃淡そのものに振り回されるのではなく、肺をしっかり潤して抵抗力を高め、咳や痰が出にくい「悪化しにくい体質」へ根本から整えていきます。
- 対象となる主な疾患: 肺MAC症(非結核性抗酸菌症)、気管支拡張症、間質性肺炎、サルコイドーシス(いずれもレントゲンやCTで影が指摘されやすい疾患)
【まず大前提】影の正体を確かめる精密検査は、必ず受けてください
「影」という言葉から、多くの方が一番怖い病気を想像してしまいます。しかし実際には、影の正体はさまざまです。
大前提として、影の正体を確かめる精密検査は、必ず病院で受けてください。
正体を確かめることは病院にしかできませんし、正体が分かってはじめて、どのような予防やケアが有効かが決まります。
精密検査で確認すると、太陽堂にご相談の多い呼吸器疾患では、次のような病名が見つかることが多くあります。
| 病名 | 特徴 |
| 肺MAC症(非結核性抗酸菌症) | 中高年の女性に多く、咳・痰・血痰など。気管支拡張症とほぼ併発していることが多い病気です。太陽堂で最もご相談の多い呼吸器疾患です。 |
| 気管支拡張症 | 気管支が広がったまま戻らなくなり、痰や血痰が出やすくなります。 |
| 間質性肺炎 | 乾いた咳と、体を動かしたときの息切れが特徴です。 |
| サルコイドーシスなど | 「経過観察」となることの多い病気です。そのほか、過去の肺炎の痕が影として残っていることもあります。 |
太陽堂における呼吸器サポートの全体像や基礎知識は、こちらの総合ページで詳しくご紹介しています。
【薬剤師コラム①】「影」そのものを、恐れすぎなくて大丈夫
担当薬剤師:林
「影があると言われた」という段階でご相談に来られる方もいますが、多いのは精密検査で診断がついたあとです。太陽堂で一番多いのは肺MAC症で、気管支拡張症とほぼ併発している方がほとんどですね。
意外に思われるかもしれませんが、私は「影そのものは、そんなに気に病まなくて大丈夫ですよ」とお伝えすることがあります。肺炎や結核がそうであるように、肺の病気には症状が落ち着いたあとも痕(あと)として影が残るものが多くあるからです。
影の濃い・薄いに一喜一憂するよりも、いまある咳や痰を和らげて落ち着かせること、これ以上悪化させないこと。そちらに目を向けた方が、体は確実に良い方向へ向かっていきます。
「経過観察」と言われたら——何もしない時間を、備える時間に
影が見つかっても、症状や進行の度合いによっては病院で「経過観察でいいでしょう」と言われることがあります。
病院としては「定期検査で様子を見る」という意味ですが、ご本人にとっては「何もしないで待つのが、かえって不安」「悪化するのを黙って待っている気分になる」——そう言ってご相談に来られる方が多くいらっしゃいます。
そうした方に、太陽堂はこうお伝えしています。
「早めに、体を整える予防を始めましょう」
次の検査までの数ヶ月は、ただ不安に怯えて待つ時間ではなく、体を内側から鍛えて立て直しておく時間に変えられます。咳や痰などの症状がすでにある方は、なおさらです。
備えのあいだ、ご自宅でできるチェックがあります。痰の色です。黄色っぽい痰は炎症や菌が動き出しているサイン、透明の痰はアレルギー寄りのサインのことが多く、太陽堂でも見立ての一番の手がかりにしています。「痰が黄色くなってきた」「増えてきた」と感じたら、次の検査を待たずに主治医の先生へお伝えください。
【薬剤師コラム②】「治療法がない」と言われた方へ
担当薬剤師:椙田
影の正体が分かったあと、一番多くうかがう不安は「病院でこの病気には確立された治療法がない、と言われました」というものです。頭が真っ白になった、というお話も少なくありません。
でも、どうか絶望しないでください。病院でお薬が出ない=できることが何もない、ではありません。
辛い症状を軽くしていくこと、悪化のペースを穏やかにすること、風邪をひきにくい強い体をつくること——漢方には、その一つひとつにお役に立てることがあります。
太陽堂には呼吸器のご相談が数多く寄せられ、確かな症例が積み重なっています。「もう打つ手がない」と感じている方こそ、一度お話を聞かせてください。
太陽堂の漢方アプローチ|診断のあと、何をするのか
病名や体質によって組み合わせは変わりますが、呼吸器の病気に対する太陽堂の基本アプローチは次の4つです。
| 働き | ねらい |
| 菌を除去する漢方薬 | 咳や痰など、症状の元に対してアプローチします(菌が関わる病気の場合)。 |
| 免疫と体力を養う漢方薬 | 風邪をひきにくい、体調を崩しにくい強い体づくりを目指します。 |
| 血の巡りを整える漢方薬 | 血痰・喀血が出やすい方に。破れた血管や粘膜の修復を助け、出血しにくい状態を目指します。 |
| 肺を潤し、体を助ける煎じ薬 | 消耗した体の土台を立て直し、乾燥や季節の変わり目に負けない環境を整えます。 |
どの組み合わせを使うかは、診断名・症状の強さ・体質によって変わります。具体的な内容は、丁寧なカウンセリングのうえで組み立てます。
【改善実例】「健診で影」から始まった方たちのその後
①【昭和6年生 女性】高齢のため、病院のお薬が出なかったケース
2年ほど前に定期検診のレントゲンで肺に影を確認。CTで詳しく調べたところ、肺MAC症と診断されました。ご高齢のため病院のお薬は処方されず、症状(痰と、夜にコンコンと出る咳)が出てきたためご相談に来られました。
お渡ししたのは、①菌を除去する漢方薬 ②免疫を上げる漢方薬 の2種類です。
- 2ヶ月後: 咳は1日1〜2回程度まで減り、以前のような苦しい咳は出なくなりました。
- 1年3ヶ月後: 咳も痰もなく、元気に過ごせています。
- 2年6ヶ月後: 寒い時期も体調を崩すことなく過ごせているとのことで、無事に漢方薬の服用終了となりました。
②【昭和58年生 男性】病院のお薬で白血球が下がり、休薬になったケース
健康診断で肺に影が見つかり、検査の結果、肺MAC症と診断。影の広がりが見えたため西洋薬での治療を始めたものの、白血球が下がってしまい休薬となり、ご相談に来られました。
同じく、①菌を除去する漢方薬 ②免疫を上げる漢方薬 の2種類をお出ししました。
- 1ヶ月後: 白血球の数値が上がり、咳も落ち着きました。
- 1年2ヶ月後: 病院の喀痰検査で、菌が検出されなくなっていたとのこと。
- 2年後: 白血球数も基準値内に戻り、風邪もひかず元気に過ごせているため、漢方ケアを無事卒業されました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
太陽堂には、「健診の影」から始まった方の改善症例が数多く蓄積されています。実際の経過は、ぜひこちらを参考にされてください。
「肺の影」についてのよくあるご質問(FAQ)
「経過観察」と言われただけですが、相談してもいいのでしょうか?
はい、むしろその段階でのご相談を歓迎しています。
「何もしないで待つのが不安」という方は多く、次の検査までの期間を「早めの体質改善」に使うことができます。症状が重くなってからよりも、打てる手にゆとりがあります。
漢方で影は消えますか?
影は「痕(あと)」として残ることもある一方、病院の検査で「影が和らいでいる・薄くなっている」と言われる方も実際にいらっしゃいます。
ただ、私たちが一番大切にしているのは影の濃さそのものよりも、咳や痰などの辛い症状が落ち着くこと、これ以上悪化していかないことです。そこが整えば、体は確実に良い方向へ向かっています。
精密検査を受けるかどうか、迷っています。
必ず受けてください。
影の正体によって、取るべき対策や注意点が全く変わります。影の正体を確かめることは病院にしかできません。漢方のご相談は、精密検査を受けてからでも十分間に合います。
まとめ|影の濃さより、「これからの体」に目を向けよう
「肺に影がある」と言われたら——まず病院の精密検査で正体を確かめる。
診断がついても、たとえ「特効薬がない」と言われても、できることが何もないわけではありません。
影の濃さに一喜一憂するより、いまある症状を落ち着かせ、これからの強い体づくりへ。次の検査までの時間を、備える時間に変えていきましょう。不安な気持ちを一人で抱え込まないでください。
肺MAC症で「3剤のお薬を飲むかどうか」迷っている方には、こちらの記事もどうぞ。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















