
「ティッシュに取った痰に赤い筋が混じっていて、心臓が止まりそうになった」
「一度落ち着いても、『また出るのでは』と思うと怖くて眠れない」
「病院で気管支拡張症・肺MAC症と言われている。血痰とずっと付き合っていくしかないの?」
血痰・喀血のご相談で店頭に立っていて、一番多くうかがう言葉は「血を見るのが怖い」という切実なお声です。太陽堂には血痰・喀血の改善症例が50本以上蓄積されており、呼吸器のご相談の中でも特に多くいただくお悩みです。
今回は、なぜ血痰が出るのかという仕組みと、「止める」だけで終わらせず「出にくい状態へ体を整えていく」という漢方の考え方について、薬剤師の視点から解説いたします。
【この記事の結論:「血痰・喀血への不安」に対する漢方の考え方】
- 血痰の正体: 西洋医学では傷んだ気管支の血管からの出血と捉えますが、漢方では気管支組織の潤い不足(もろさ)と「血の巡りの悪さ(瘀血)」が根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: 止血薬で一時的に抑え込むだけでなく、破れた血管の修復を助けて組織を補い、血流を促すことで「出血しにくい体質の土台」を整えます。
- 対象となる主な疾患: 肺MAC症(非結核性抗酸菌症)、気管支拡張症、間質性肺炎、慢性気管支炎(いずれも血痰や長引く咳・痰を伴う疾患)
【まず大前提】まとまった量の喀血は、迷わず病院へ
血痰・喀血のケアにおいて、太陽堂が一番最初にお伝えしている大切な大前提があります。
まとまった量の血を吐き出した(喀血した)場合は、ためらわずすぐに医療機関(呼吸器内科・救急)を受診してください。
血が気道に詰まると命に関わることがあるためです。止血の処置や西洋医学的な検査・緊急対応は非常に重要です。
そのうえで、「痰に少量の血が混じる状態を繰り返している」「検査で異常はないが血痰が続いて不安」という場合に、体の内側から整える漢方ケアが大きな力を発揮します。
太陽堂における呼吸器サポートの全体像や基礎知識は、こちらの総合ページで詳しくご紹介しています。
なぜ血痰が出るのか|傷んだ気管支と、破れやすくなった血管
血痰は、気道のどこかで血管が傷ついて破れ、血が痰に混ざって出てくる状態です。太陽堂にご相談の多い病気では、次の2つが代表的です。
| 病名 | 血痰が出やすい理由 |
| 気管支拡張症 | 気管支が広がったまま戻らなくなり、壁が傷んで血管が破れやすくなっている状態。 |
| 肺MAC症(非結核性抗酸菌症) | 菌による慢性的な炎症が続くことで気管支が傷む状態。気管支拡張症とほぼ併発している方が多くいらっしゃいます。 |
そしてもうひとつ、東洋医学的に見逃せないのが「血の巡りの悪さ(瘀血:おけつ)」です。
血流が滞って血管の内圧が高くなったり、組織へ十分な栄養が届かず血管自体が脆くなっている方ほど、血痰が出やすくなります。多くの症例を重ねてきた太陽堂の確かな実感です。
【薬剤師コラム①】「血を見るのが怖い」——その不安に寄り添う
担当薬剤師:林
血痰のご相談は、気管支拡張症の方も肺MAC症の方も、どちらも非常に多くいらっしゃいます。そして皆さん口を揃えておっしゃるのが、「血を見るのがとにかく怖い」ということです。
最初にお伝えしたいのは、安心のための受診目安です。痰に少量の赤い筋が混じる程度なら落ち着いて観察して大丈夫ですが、まとまった量の血が出たときは迷わず病院へ行ってください。
そのうえで——少量の血痰を何度も繰り返して「いつ出るか」と怯えている方には、「怖さと付き合い続ける」のではない道を、漢方からご提案できます。次の章でお話ししますね。
太陽堂の考え方|「止める」より、「破れにくく整える」
血痰が出たとき、病院では止血のお薬(トランサミン等)が処方されることが一般的です。出ている血を一時的に止めることは、もちろん非常に重要な処置です。
ただ、それだけでは「破れやすくなった血管や気管支の組織」そのものは変わっていないため、しばらくするとまた同じところから出血してしまう——この繰り返しに悩まれている方が、太陽堂には多く来られます。
そこで太陽堂が大切にしているのが、こちらの考え方です。
「破れた血管の修復をサポートし、血の巡りを整える。出にくい状態を、体の内側からつくっていく」
血流が悪いままだと、組織に栄養が行き渡らず、血管はもろく破れやすいままです。血管と粘膜を強く補い、巡りを立て直す——ここにアプローチできるのが、漢方による体質ケアの持ち味だと考えています。
【薬剤師コラム②】「また出るのでは」の毎日から抜け出すために
担当薬剤師:椙田
止血のお薬でいったん落ち着いても、「また出るのではないか」という不安は残ったまま——そんなお話をよくうかがいます。旅行や趣味の外出をためらうようになった、という方もいらっしゃいます。
私たちが目指すのは、血痰が出ない穏やかな日々を一日一日積み重ねていくことです。実際に、頻繁に血痰が出ていた方が、漢方を始めてから何年も血痰なく穏やかに過ごされている症例がいくつもあります。
病院のお薬との併用も可能です。お薬手帳をお持ちいただければ確認いたしますので、主治医の先生の治療と両輪で、一緒に体を立て直していきましょう。
太陽堂の漢方アプローチ|どんな働きの漢方を使うのか
血痰・喀血の不安をお持ちの方には、お一人おひとりの体質や病状に合わせて、次のような働きの漢方薬を組み合わせています。
| 働き | ねらい |
| 血流の流れを整える漢方薬 | 破れた血管の修復を助け、もろくなった血管や粘膜を強くして、出血しにくい状態を目指します。 |
| 菌を除去する漢方薬 | 肺MAC症など、菌による慢性的な炎症が血痰の元になっている場合に用います。 |
| 免疫と体力を養う漢方薬 | 風邪や感染症で症状を悪化させない、環境変化に崩れにくい強い体づくりを目指します。 |
どの組み合わせを使うかは、病名・症状の強さ・体質によって変わります。具体的にはじっくりとお話をうかがったうえで組み立てます。
【改善実例】血痰を繰り返していた方たちのその後
①【昭和38年生 男性】頻繁な喀血が、服用を始めてから出なくなったケース
10年ほど前に気管支拡張症と肺MAC症と診断。以前は半年に一回程度だった血痰・喀血が、最近は頻繁に出るようになってきたとのことでご相談に来られました。
お渡ししたのは、①菌を除去する漢方薬 ②免疫を上げる漢方薬 ③血流の流れを整える漢方薬 の3種類です。
- 3ヶ月後: 漢方を飲んでから、血痰・喀血ともに出ていないとのこと。
- 1年6ヶ月後: 調子が非常に良いため、漢方を半分の量に減量。量を減らしても血痰なく過ごせています。
- 2年6ヶ月後: 血痰もなく体調良く過ごせているとのことで、無事に漢方薬の服用終了となりました。
②【昭和43年生 女性】血痰と胸の違和感から、画像所見の落ち着きまで
1年ほど前に肺MAC症と診断。血痰・胸の違和感・息苦しさが気になるとのことでご相談に来られました。お渡ししたのは、①免疫を上げる漢方薬 ②菌を除去する漢方薬 の2種類です。
- 11ヶ月後: 血痰は出ることなく、痰の量も少なくなっています。
- 1年7ヶ月後: CT検査で影の和らぎが見られたとのこと。
- 3年後: 咳や血痰もなく体調が良い状態が定着し、漢方ケアを卒業されました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
太陽堂には、血痰・喀血を伴う呼吸器疾患の改善症例が50本以上蓄積されています。実際の経過は、ぜひこちらを参考にされてください。
血痰と漢方についてのよくあるご質問(FAQ)
血痰が出ました。まず何をすればいいですか?
まとまった量の血が出た(喀血した)場合は、迷わずすぐに病院へ行ってください。
血が気道に詰まると命に関わることがあります。痰に少量の血が混じる程度を繰り返している場合は、「出にくい体づくり」の漢方相談が可能ですので、現在の詳しい状態をお聞かせください。
病院の止血のお薬(トランサミン等)と、漢方薬は併用できますか?
基本的には併用いただけます。
病院の治療や主治医の先生の指示を優先・尊重したうえで、漢方は「血管の修復」や「血流の改善」という別の側面から体を支えます。お薬手帳をお持ちいただければ飲み合わせを確認いたします。
血痰は出なくなりますか?
お約束はできませんが、上の実例のように「出ない状態」を長く維持されている方は多くいらっしゃいます。
大切なのは、出たときの止血処置だけでなく、組織を補って血管を強くし「出にくい状態」をつくることです。時間はかかりますが、体の側から確実に整えていける部分です。
まとめ|「怖さと付き合う」から、「出にくい体を整える」へ
まとまった量の喀血は、迷わず病院へ。そのうえで、少量の血痰を繰り返しているなら——「また出るのでは」と怯えながら待つのではなく、破れにくい血管と巡りの良い体を整えていく、という道があります。
血を見る怖さは、経験した方にしか分かりません。その不安な気持ちごと、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。
「健診で肺に影と言われた」段階の方には、こちらの記事もどうぞ。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















