
抜けきらない疲労感と冷え。体力も気力も「空っぽ」になっていませんか?
こんにちは。漢方薬局 太陽堂です。
「手術や長引く病気のあと、体力も気力もごっそり削られてしまったように感じる」
「以前よりもずっと疲れやすいうえに、手足が冷えて顔色が悪いと言われる」
「体力をつけたくて漢方を調べてみたけれど、補中益気湯や人参養栄湯と何が違うのか分からない」
太陽堂には、このような「慢性的な疲労感」や「深い消耗感」に関するご相談が数多く寄せられます。休んでも休んでも疲れが取れない状態は、日々の生活の質を大きく下げてしまいます。
東洋医学(漢方)の視点で見ると、こうしたお悩みの根本には、体を動かすエネルギーである「気」と、体を温めて潤す栄養である「血(けつ)」の両方が、同時に枯渇してしまっている状態が隠れていると考えます。
今回は、このように「気と血の両方が空っぽになった体」を全方位から優しく満たすために選ばれる代表的な漢方薬「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」について、似た漢方薬との使い分けも含めて、薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が解説する「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」の特徴とサポート】
- 漢方薬の主な働き: 十全大補湯は、体に不足してしまった「気(エネルギー)」と「血(栄養)」を同時にたっぷりと補い、体を芯から温めて巡りをスムーズに整える働きが得意な漢方薬です。
- 適した体質・サイン: 病後や手術後などで体力が著しく低下している、手足が冷えやすい、顔色がすぐれない、疲れやすくて気力が湧かないといったサインを感じやすい体質の方に向いています。
- 太陽堂でのサポート: この十全大補湯をベースにしつつ、お一人おひとりの体質や日々の生活習慣、胃腸の強さに合わせて生薬のバランスを細かく調整し、根本的な体質からの見直しをサポートします。
【コラム】薬剤師 林の視点「病院のお薬(鉄剤やビタミン剤など)と漢方のアプローチの違い」
「手術後や長引く病気の回復期、あるいは貧血傾向があるとして内科を受診すると、『鉄剤』や『ビタミン剤』、場合によっては『栄養点滴』などが行われることがあります。これらは、血液検査などで不足が明らかな特定の栄養素をピンポイントでスピーディに補うために非常に優れています。
しかし、『数値は問題ないのに、なんとなくずっとだるい、冷える』という場合、根本の部分に目を向けると、体質的に『自ら栄養を作り出し、全身へ巡らせる力』自体が落ちてしまっていることが多々あります。
病院のお薬でピンポイントな不足をしっかりカバーしつつ、漢方で『内側から気と血を作り出し、自らの力で体をいたわる土台』を育てていく併用スタイルは、深い消耗から根本的に立ち直りたい方に大変おすすめです。」
十全大補湯とは?「気」と「血」の二大処方の見事な合体
十全大補湯の組み立ては、漢方の中でも非常に分かりやすく、そして美しい構造をしています。実は、2つの有名な漢方薬をそのまま「合体」させ、そこに2つの生薬をプラスした形なのです。
① 「四君子湯(しくんしとう)」の部分(気を補う)
構成生薬:人参(ニンジン)、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、甘草(カンゾウ)
胃腸の働きを優しく助け、食べたものからしっかりとエネルギー(気)を作り出す力を底上げします。疲れやすさや気力の低下を支えるベースとなります。
② 「四物湯(しもつとう)」の部分(血を補う)
構成生薬:当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、地黄(ジオウ)
顔色の悪さ、皮膚の乾燥、冷えなど、体の栄養や潤い不足のサインを立て直します。
③ さらにプラスされた2つの生薬
構成生薬:黄耆(オウギ)、桂皮(ケイヒ)
気を補う黄耆と、体を温めて巡らせる桂皮が加わることで、全身の守りの力を高め、補った栄養を体の隅々までしっかりと届けます。
これら合計「10種類」の生薬で、全方位をサポートする(十全)。気と血の両方が空っぽになった体をまんべんなく満たす——名前がそのまま設計図になっている、非常にスケールの大きな漢方薬です。
【比較表】「補う漢方」三兄弟の使い分けサイン
「疲れ」や「体力低下」に用いられる漢方薬として、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や人参養栄湯(にんじんようえいとう)も非常に有名です。ご自身のサインに合わせて、どの漢方薬が適しているかを見極めることが大切です。
| その方の状態・サイン | 選ばれることが多い漢方薬 |
| 疲れはあるが、まだ体力が残っている。 微熱っぽさ・ほてりを伴うこともある | 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) ※「柴胡(サイコ)」という熱をさばく生薬が入っており、胃腸をピンと引き上げます |
| 気も血も消耗し、冷えと顔色の悪さが目立つ。 芯から空っぽになっている感覚 | 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) ※全方位から温めて栄養を満たします |
| 気も血も消耗し、咳・呼吸器の弱りを伴う。 眠りが浅いなどのサインもある | 人参養栄湯(にんじんようえいとう) ※呼吸を助け、心を落ち着かせる生薬が入っているのが特徴です |
表や本文に出てきた漢方薬のうち、くわしい解説があるものはこちらです。
【コラム】薬剤師 前原の視点「店頭での三兄弟の選び分け方」
「店頭でこの3つの漢方薬を選び分けるとき、私たちが最初に見るサインは『熱』と『咳』の有無です。 補中益気湯は、少し熱がこもっていて、まだ戦う体力が残っている方に向いています。一方、人参養栄湯は咳や呼吸の浅さが目立つ方に考えます。 そのどちらでもなく、とにかく『手足が冷えて、顔色が白い・青い』という、芯から空っぽになってしまったタイプに選ぶのが十全大補湯です。同じ『疲れ』というご相談でも、入り口のサインが違えば、選ぶべき処方はガラリと変わります。」
体力を取り戻すための養生と、胃腸の重要性
【コラム】薬剤師 前原の視点「補う漢方は“土台の胃腸”が主役」
「どれだけリッチで良い『補う漢方』を飲んでも、それを受け取る側の胃腸が弱っていては、栄養を吸収することができません。
十全大補湯には『地黄(ジオウ)』という、少し重ためで胃に負担がかかりやすい生薬が入っています。そのため、胃腸がとても弱い方には、太陽堂では量を細かく加減したり、胃を助ける生薬を足したりして、無理なく吸収できる形に調整しています。
ご自宅でも、食事は温かく消化の良いものを少しずつ摂るようにしてください。冷たい飲み物や生野菜サラダ中心の食事は、胃腸を冷やし、せっかくの『補う力』を打ち消してしまいます。漢方と温かい食事は、セットで考えてくださいね。」
十全大補湯についてのよくあるご質問(FAQ)
手術後や長引く治療後の体力低下にも使えますか?
はい。病後・手術後の著しい体力低下は、十全大補湯が昔から使われてきた代表的な場面の一つです。ただし、現在病院で治療中の方は主治医の治療方針が最優先となります。安全のため、お薬手帳をお持ちのうえ、現在の治療内容と併せてご相談ください。
胃腸が弱いのですが、飲んでも大丈夫ですか?
前原のコラムにもあったように、十全大補湯には「地黄」など胃に少し重たい生薬が入っているため、もともと胃腸がとても弱い方は胃もたれや食欲低下を感じることがあります。太陽堂では、事前にお客様の胃腸の強さをしっかりとうかがい、量や中身を細かく調整して無理なく続けられる形でお作りします。
どのくらいの期間、飲むものですか?
すっかり空っぽになってしまった「気」と「血」を満たしていく漢方薬なので、数日でパッと元気になるというよりは、数ヶ月単位でじっくりと体に栄養を満たしていくことが基本となります。(※感じ方や必要な期間には個人差があります)。定期的に体調の変化を確認しながら、その時々に一番合う中身へと調整していきます。
まとめ:「冷えて空っぽ」のタイプに、全方位の補いを
「体力低下や冷えをサポートする十全大補湯」について解説しました。
ポイントは以下の3つです。
- 抜けきらない疲労感や冷えは、「気」と「血」の両方が枯渇しているサインかも
- 十全大補湯は、10種類の生薬で全方位から栄養を満たし、体を温めるのが得意
- 同じ疲れでも、熱っぽければ補中益気湯、咳があれば人参養栄湯と使い分ける
「ずっと体がだるくて、気力が湧かない」「以前のように動けなくて落ち込む」というお悩みを一人で抱え込まずに、ぜひお気軽に太陽堂へご相談ください。
あなたのお身体の消耗状態を丁寧に読み解き、一番適したオーダーメイドの漢方で、少しずつ活力を取り戻し、前向きな日々を過ごせる身体づくりのサポートをさせていただきます。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
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記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。















