
「昼間は動けるのに、夜布団に入ってリラックスしようとすると、肩や足腰がズキズキ・ジンジン痛み出して眠れない…」
「痛くて眠れないからロキソニンを飲んでいるけれど、夜中にまた痛くて目が覚めてしまう…」
「睡眠薬や鎮痛剤を毎日飲み続けるのが不安…」
「痛みのせいで常に睡眠不足。日中も頭が働かず、心身ともに限界…」
日中は仕事や家事で気が張っているためか、痛みを何とかやり過ごせているのに、いざ夜になって「さあ寝よう」と布団に入った途端に強くなる不快な痛み。これを「夜間痛(やかんつう)」と呼びます。
痛みのために十分な睡眠がとれないことは、想像を絶するストレスとなり、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。
今回は、なぜ夜になると痛みが強くなるのかというメカニズムと、「お薬で痛みを無理やり抑え込むのではなく、漢方で寝ている間の巡りを整え、自然で穏やかな眠りをサポートする方法」について詳しく解説いたします。
【西洋医学の視点】なぜ「夜」になると痛みが強くなるの?
病院の整形外科などで処方される「ロキソニン」や「イブプロフェン」などの消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、体内で作られる「プロスタグランジン」という発痛・炎症物質をブロックすることで痛みを和らげます。
しかし、「日中はロキソニンが効くのに、夜になると効きにくい」と感じる方が多くいらっしゃいます。これには、私たちの体に備わっている「自律神経」の働きと「血流」が深く関係しています。
| 昼間(活動時)の状態 | 夜間・睡眠時(リラックス時)の状態 | |
| 自律神経 | 交感神経が優位。 気が張っているため、脳が痛みを感じにくい。 | 副交感神経が優位。 リラックスすることで、脳が痛みに敏感になる。 |
| 筋肉と血流 | 筋肉がポンプのように動き、血液が勢いよく全身を巡っている。 | 体を動かさないため筋肉のポンプが止まり、血圧も下がるため血流が低下する。 |
| 痛みの物質 | 血流に乗って、疲労物質や発痛物質が流されていく。 | 血流が滞るため、関節や筋肉に発痛物質が停滞しやすくなる。 |
このように、夜間は血流が低下し、発痛物質が患部に留まりやすくなります。鎮痛剤は「新しく作られる痛みの物質」を抑えることは得意ですが、「すでに停滞してしまった物質を洗い流す(血流を良くする)」ことはできません。
そのため、血行不良が大きな原因となっている夜間痛に対しては、鎮痛剤だけではスッキリと和らがないことが多いのです。
【東洋医学の視点】夜の痛みは「血の滞り(瘀血)」と「冷え(寒邪)」のサイン
東洋医学(漢方)では、1日の中で昼を「陽(活動・温かさ)」、夜を「陰(静けさ・冷え)」の時間帯と考えます。
昼間は「陽」のエネルギーによって血流が保たれ、痛みがごまかせていた状態でも、夜になって「陰」の時間帯に入ると、体温が下がり、体の中に潜んでいた「冷え(寒邪:かんじゃ)」や「血の滞り(瘀血:おけつ)」が一気に表面化します。
漢方には「不通則痛(ふつうそくつう:通らざれば則ち痛む)」という言葉があり、血やエネルギーの巡りが滞ると痛みが発生すると考えます。布団に入ってじっとしている時に痛むのは、まさにこの「滞り」が起きている決定的なサインなのです。
【薬剤師 椙田の視点】
「痛み止め」と「睡眠薬」のループから抜け出すために
「痛くて眠れないから鎮痛剤を飲み、それでも眠れないから睡眠薬を飲んでいる」というご相談をよくお受けします。病院のお薬は今の辛さを和らげるためにとても有効ですが、長く飲み続けると胃腸に負担がかかったり、効き目が悪くなったりすることへの不安を抱える方も少なくありません。
漢方薬は、胃腸(脾)の働きを優しく助けながら、全身の血流を良くしていくアプローチが得意です。お薬の量が増えていくことに不安を感じたら、体の内側から「巡る力」を育てる漢方を併用してみる良いタイミングかもしれません。
太陽堂の漢方アプローチ|寝ている間の「巡り」を整え、穏やかな眠りへ
太陽堂では、夜間痛を「その場しのぎ」でごまかすのではなく、「寝ている間も血が滞らず、心身がリラックスできる体質」へと内側から整えるサポートを行います。
| お悩みの原因 | 漢方的な見立て | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| 布団に入るとジンジン痛む 明け方に痛みが強くなる | 血の滞り(瘀血:おけつ) 体を横にして動かないことで、血流が極端に悪化し、痛みの物質が停滞している状態。 | 【血流を促し、巡りを整える漢方】 滞った「血」をスムーズに流すことで、組織に酸素と栄養を届け、寝ている間の痛みを穏やかに和らげます。 |
| 体が冷えると痛む 冬場や冷房の部屋で悪化する | 冷えの侵入(寒邪:かんじゃ) 冷えによって血管がギュッと縮こまり、筋肉や関節が硬くこわばっている状態。 | 【体を芯から温め、こわばりをほぐす漢方】 体の内側にストーブを焚くように芯から温め、24時間お風呂上がりのような「巡る体」を育てます。 |
| 痛みが気になって眠れない ストレスで常に気が張っている | 気と心の高ぶり(気滞・心神不寧) 「また痛くなるかも」という恐怖心やストレスで自律神経が乱れ、脳が興奮している状態。 | 【気を巡らせ、自律神経をリラックスさせる漢方】 張り詰めた神経の緊張をフワッと緩め、自然で穏やかな眠りにつけるようサポートします。 |
【薬剤師 前原の視点】
「痛いから眠れない」と「眠れないから痛い」の悪循環
夜間痛で一番厄介なのは、「負のスパイラル」に陥ってしまうことです。痛くて眠れないと、脳や体が休まらず、自律神経のバランスが大きく崩れます。自律神経が乱れると、血流がさらに悪化し、脳の「痛みを感じるセンサー」が過敏になってしまうため、翌日は「もっと痛みを感じやすくなる」のです。
漢方では、痛みを和らげるだけでなく、「高ぶった神経をリラックスさせ、自然な眠りへと誘う」ことを非常に重要視します。睡眠の質が上がれば、体の修復力が高まり、痛みにくい体へと良い循環が生まれ始めます。
夜間痛・不眠に関するよくあるご質問(FAQ)
病院の痛み止め(ロキソニン等)や睡眠薬と一緒に漢方を飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。
痛みが辛い時は病院のお薬で和らげつつ、漢方薬で「寝ている間に血流が滞らない体づくり」を並行して行うのは非常に効率的なアプローチです。
お身体の状態が整えば、自然と「夜の鎮痛剤がいらなくなった」というご実感に繋がりやすくなります。お薬手帳をお持ちいただければ、担当薬剤師が飲み合わせを確認いたします。
日中は痛くないのですが、それでも漢方で体質は変わりますか?
はい、しっかりと変わっていきます。
日中(動いている時)に症状が出ず、夜間やリラックスしている時だけ痛むのは、隠れた「血流の悪さ」の典型的なサインです。
漢方では、夜間に向けて「血」や「気」がどのように変化するかを考慮して調合を行うため、日中症状がなくても体質づくりはスムーズに進めていくことができます。
痛い時、お風呂で温めた方が良いですか?
慢性的な夜間痛の場合は、しっかり温めることをお勧めします。
お風呂に入っている時だけ痛みが和らぐのであれば、それは痛みの原因が「冷え」と「血行不良」である証拠です。
ただし、お風呂から出るとまた冷えて痛くなってしまうため、漢方で「体の内側から温かさを生み出し、巡らせる力」を育てていくことが根本的なケアに繋がります。
まとめ:夜の痛みに怯えない、穏やかな眠りを取り戻すために
「今日も布団に入ったら、またあの痛みが来るのではないか…」
夜を迎えるのが怖くなり、睡眠不足で日中もフラフラになってしまうのは、心身ともに本当に辛い状態です。
しかし、夜の痛みは決して「我慢しなければならないもの」ではありません。体からの「寝ている間に巡りが悪くなっているよ」というSOSのサインをしっかりと受け止め、漢方で内側から整えてあげることで、状況は穏やかな方向へと向かっていきます。
太陽堂では、夜間痛を引き起こしている「場所」や「原因」に合わせて、さらに専門的なアプローチを行っております。ご自身の症状に当てはまるページをぜひご覧ください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















