
「夏の終わりから秋口にかけて、シャンプーの時の抜け毛が急に増えた気がする…」
「強い日差しを浴びて、髪がパサパサ、ゴワゴワになってしまった…」
「汗と皮脂で頭皮がベタつき、ニオイやムレが気になる…」
夏の厳しい暑さが落ち着き始める頃、ふと鏡を見たときに気づく「髪や頭皮」のダメージ。実は、美容やエイジングケアにおいて「夏の終わりのヘアケア」は非常に重要なテーマです。
これまでの記事では、全身の疲労やめまいなどについてお伝えしてきましたが、私たちの体の一番外側・一番高い場所にある「髪と頭皮」は、過酷な夏のダメージを最もダイレクトに受けているパーツでもあります。
「トリートメントを変えたのにパサつきが戻らない」という場合、それは表面的なダメージだけでなく、夏の間の汗による「内側の栄養不足」が原因かもしれません。
今回は、紫外線と汗が頭皮環境を崩すメカニズムや、漢方ならではの「髪は血の余り」という深い関係、そして食事や生活習慣で体の内側から健やかな美髪の土台を育む養生法を、太陽堂の薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が教える、夏の抜け毛・頭皮ダメージの養生まとめ】
まずは、当薬局が考える夏の髪・頭皮トラブルへのアプローチを簡潔にまとめました。
- 漢方の見立て(原因):西洋医学では「紫外線によるキューティクルの破壊と、皮脂の酸化による頭皮の炎症」とされる夏のダメージですが、漢方では強い日差しと汗(湿気)が頭皮にこもる「湿熱(しつねつ)」と、発汗によって髪の栄養源である血液まで失われた「血虚(けっきょ)」のバランスの崩れに注目して原因を探ります。
- アプローチ(対策):黒ごまや黒豆など「血」を補う黒い食材を取り入れた食事ケア(養生)と、お客様の現在の体質に合わせたオーダーメイドの煎じ薬を通じて、頭皮の余分な熱や湿気を払い、髪の土台となる栄養を内側からしっかりと補うサポートを行います。
- 今後のステップ(根本ケア):表面的なヘアケアだけでなく、根本的な原因(胃腸での栄養吸収力や、全身の血の巡りなど)を見極めるため、まずはじっくりとご相談を重ね、季節の変化にも揺らぎにくい、一人ひとりに合った無理のないペースで体質と向き合っていきます。
【薬剤師 林の視点】夏の頭皮ダメージのメカニズムと、西洋医学・漢方のアプローチ
こんにちは、薬剤師の林です。
夏から秋にかけて急増する「抜け毛」や「髪のパサつき」は、外側からの物理的なダメージと、内側からの栄養不足が重なって起こります。
西洋医学の視点:紫外線ダメージと皮脂の酸化による炎症
私たちの体の中で、最も太陽に近い場所にあるのが頭頂部です。夏の強力な紫外線(UV)を無防備に浴び続けると、髪の表面を守るキューティクルが剥がれやすくなり、内部の水分が流出してパサパサになってしまいます。
さらに、頭皮では大量の汗と皮脂が分泌されます。これらが混ざり合って紫外線に当たると「過酸化脂質」という刺激物質に変化し、頭皮に炎症を引き起こします。毛根周辺の環境が悪化することで、髪が正常に育つサイクルが乱れ、抜け毛の増加に繋がるのです。
西洋医学的な視点(皮膚科学・毛髪科学)では、帽子や日傘での紫外線防御、そして頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーなどを用いて過剰な皮脂や汚れを適切に落とし、頭皮環境を清潔に保つことが推奨されます。
漢方の視点:髪は血の余り(血余)と、頭皮を弱らせる「湿熱」
一方、漢方の視点では、髪の毛の状態を「血余(けつよ=血の余り)」と表現します。
私たちの体は、生命維持に直結する心臓や脳などの重要な臓器へ優先的に血液(栄養)を送ります。髪の毛は一番最後、つまり全身に十分な血が巡って「余った分」で作られると考えられています。
夏場に大量の汗をかくと、前回の記事でも触れた「汗血同源」の法則により、体内の大切な「血」まで消耗してしまいます。全身の血が不足する(血虚)と、髪の毛まで栄養が回らなくなり、細毛や抜け毛の原因となるのです。
さらに、頭皮にベタベタとした汗をかいたまま放置すると、そこに熱がこもって「湿熱(しつねつ)」という状態になります。頭皮がまるで「水はけの悪いジメジメとした沼地」のようになり、植物(髪)の根っこがしっかりと張れずに抜けやすくなってしまうのです。
漢方では、このような状態に対し、頭皮にこもった余分な湿気と熱をスッキリと払い(清熱利湿)、髪の材料となる血をたっぷりと補う(補血)アプローチを用いて、内側から健やかな美髪の土台づくりをサポートしていきます。
【薬剤師 椙田の視点】夏の美髪を育む「黒い食材」と頭皮の養生
薬剤師の椙田です。
高級なトリートメントを使うことも大切ですが、髪の毛は最終的に「私たちが食べたもの」から作られます。内側からの栄養補給と、毎日のちょっとした習慣の見直しが、秋以降の髪の美しさを左右します。
「黒い食材」で、髪の土台となる血をチャージする
漢方において、生命力やエイジングケア(腎の働き)を支え、髪の毛の材料となる「血」を補うために積極的に取り入れたいのが「黒い食材」です。
- おすすめの黒い食材: 黒ごま、黒豆、ひじき、わかめ、きくらげ、黒酢など。これらは、汗で消耗してしまった栄養を満たし、髪に潤いとしなやかさを与えるサポートをしてくれます。毎日のご飯に黒ごまを振ったり、黒豆茶を飲んだり、お味噌汁にわかめをたっぷり入れたりと、日常の食事に少しプラスするだけで立派な美髪養生になります。
胃腸を冷やさないことが、実は一番のヘアケア
「血」を作り出しているのは、私たちの「胃腸(脾)」です。夏場に冷たい飲み物やアイスばかりを食べて胃腸が冷え切ってしまうと、せっかく黒い食材を食べても、消化吸収されず血液を作り出すことができません。髪への栄養補給を考えるなら、まずは「常温以上のものを飲む」「お腹を冷やさない」という胃腸のケアが必須条件となります。
シャンプー後は「すぐに根元から乾かす」
湿熱(しつねつ)のダメージを防ぐために、お風呂上がりの習慣も重要です。暑いからといって、髪を濡れたまま自然乾燥させるのは絶対にNGです。
頭皮に水分が残っていると、雑菌が繁殖して炎症やニオイの原因になるだけでなく、漢方でいう「湿(余分な水分)」が頭部に停滞し、気血の巡りを悪くしてしまいます。お風呂上がりは、タオルドライの後にドライヤーを使って「頭皮(根元)」からしっかりと乾かすようにしましょう。
【比較表】夏の美髪・頭皮環境を守る!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(血を補い、頭皮を整える) | × 要注意(血を消耗し、頭皮環境を悪化させる) |
| 食事 | 黒豆、黒ごま、ひじき、温かいスープ (「血」の材料となり、胃腸に負担をかけず栄養を吸収する) | 冷たいジュースのがぶ飲み、極端な食事制限 (胃腸が冷えて血が作られず、髪まで栄養が届かない) |
| ヘアケア | 洗髪後はすぐにドライヤーで頭皮から乾かす (頭皮の「湿熱」を防ぎ、雑菌の繁殖を抑える) | 髪を濡れたまま放置する、自然乾燥させる (頭皮がムレてジメジメとした沼地状態になり抜け毛を招く) |
| 外出時 | 日傘や通気性の良い帽子で紫外線を防ぐ (キューティクルを守り、皮脂の酸化ダメージを防ぐ) | 強い日差しの中で無防備に長時間過ごす (表面のダメージだけでなく、大量の汗で内側の血も奪われる) |

夏の抜け毛・頭皮ダメージに関するよくある質問(FAQ)
秋になると抜け毛が増えるのはなぜですか?
夏のダメージの蓄積と、内側の「血の不足」が時間差で現れるためです。
髪の毛が実際に抜け落ちるまでには、少しタイムラグがあります。
真夏に受けた強い紫外線ダメージや、大量の発汗による「血虚(栄養不足)」、冷たい飲食による胃腸の弱りといった負担が蓄積し、2〜3ヶ月後の秋口になって「抜け毛」という形で一気に表面化してくるのです。そのため、今の時期からのケアが重要になります。
髪用のUVスプレーは効果がありますか?
表面の保護には役立ちますが、内側のケアも併せて行いましょう。
UVスプレーは、紫外線からキューティクルを物理的に守るために有効な手段の一つです。
しかし、髪の根元(毛母細胞)に栄養を届けるのは血液の役割です。外側からのUVガードと、内側からの「血の補給(食事・漢方)」の両輪でケアすることが、最も理想的な美髪対策です。
朝シャン(朝の洗髪)は頭皮に良くないのでしょうか?
必要な皮脂まで落としてしまうため、夜の洗髪をおすすめします。
頭皮から分泌される皮脂は、日中の紫外線や乾燥から頭皮を守るバリアの役割も果たしています。
朝にシャンプーをして皮脂を完全に洗い流してしまうと、無防備な状態で日差しを浴びることになり、ダメージを受けやすくなります。また、睡眠中に髪は育つため、夜のうちにその日の汚れを落として清潔な状態にしておくことが大切です。
まとめ:失われた「血」を満たし、秋に揺らがない健やかな美髪へ
「最近、髪のボリュームが減って老けて見える気がする…」
夏の終わりに感じる髪や頭皮のサインは、外側からのダメージだけでなく、体の大切な栄養である「血」が不足していることを教えてくれています。
高価なヘアケアアイテムに頼るだけでなく、漢方の「髪は血の余り」という視点を取り入れ、内側からしっかりと「血」を補い、頭皮の環境(湿熱)を整えることで、パサつきや抜け毛に悩まない健やかなコンディションを保つことができます。
「毎年、秋口の抜け毛がひどくて悩んでいる」「内側からの美容・エイジングケアに取り組みたい」という方は、ぜひ太陽堂までお気軽にご相談ください。お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない美髪養生をご提案いたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















