
「毎日ボディクリームを塗っているのに、肌が粉をふいてかゆい…」
「喉がイガイガして空咳が止まらず、便秘がちになってきた…」
「秋になると、なぜか無性に激辛料理や濃い味のものが食べたくなる…」
空気が澄んで過ごしやすい秋ですが、同時に空気の乾きが猛威を振るう季節でもあります。肌のカサつきや喉の違和感を感じたとき、多くの方は外側からの保湿ケアを念入りに行いますが、実は「毎日の食事」が不調に拍車をかけているケースが少なくありません。
良かれと思って食べているその食材が、体の中の貴重な水分を奪い、自ら「乾きやすい体」を作ってしまっているとしたらどうでしょうか。
今回は、秋の潤い不足を加速させてしまう「NG食材」と、体の内側から潤いを補う「OK食材」について、漢方の視点から太陽堂の薬剤師が詳しく解説いたします。
【太陽堂が教える、秋の潤いを守る食事養生まとめ】
まずは、当薬局が考える秋の潤い不足へのアプローチを簡潔にまとめました。
- 漢方の見立て(原因):西洋医学では「空気の乾燥による皮膚・粘膜のバリア機能低下」とされる秋の不調ですが、漢方では、秋特有の外部環境である「激しい乾燥(燥邪:そうじゃ)」が、体内の「潤い(陰液)のバランス」を奪うことに加え、体を乾かす食材(辛味や熱を持つもの)を摂ることで、呼吸器である「肺」の乾きがさらに進んでしまうことに注目して原因を探ります。
- アプローチ(対策):体を乾かすNG食材(激辛料理など)を控え、梨や白ごまなどの「白い食材」を取り入れた日常の食事ケア(養生)と、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの煎じ薬を通じて、秋の厳しい空気に負けない「体の土台づくり」をサポートします。体が本来持つ潤す力を引き出し、内側からのバランスを整えます。
- 今後のステップ(根本ケア):一時的な保湿剤や咳止め薬で表面を保護するだけでなく、根本的な原因(食事による内側の水分不足や、胃腸の働きの低下など)を見極めるため、まずはじっくりとご相談を重ね、季節の変化にも揺らぎにくい長期的な体質と向き合っていきます。
【薬剤師 林の視点】秋に体が乾くメカニズムと、西洋医学・漢方のアプローチ
こんにちは、薬剤師の林です。
秋の不調のほとんどは「潤い不足」から始まります。外の空気が乾いているだけでなく、私たちの体の内側でも水分が失われている状態です。
西洋医学の視点:湿度の低下とバリア機能の喪失
秋になり空気中の湿度が急激に下がると、私たちの皮膚や気道の粘膜から水分がどんどん蒸発していきます。角質層の水分が不足すると、外部からの刺激を守る「バリア機能」が低下し、少しの摩擦で肌がかゆくなったり、ホコリに反応して咳が出やすくなったりします。
また、体内の水分が不足すると、便が硬くなり便秘を引き起こす原因にもなります。西洋医学的な視点では、症状に応じて保湿剤(ヘパリン類似物質など)や鎮咳薬、緩下剤(便を柔らかくする薬)を用いて、体が本来の潤いを取り戻すまでの間、不快な症状を和らげることが推奨されます。
漢方の視点:潤いを嫌う「燥邪(そうじゃ)」と、それを助長する食生活
一方、漢方の視点では、秋の乾いた空気を「燥邪(そうじゃ)」と呼びます。
漢方において、秋は呼吸や皮膚を司る「肺」が影響を受けやすい季節です。肺は非常にデリケートで、潤いを好み、乾いた空気を嫌います。燥邪によって肺の潤い(陰液)が奪われると、空咳や肌荒れといった不調がダイレクトに現れます。
ここで最も注意したいのが、「食事」による影響です。漢方では、食材にも体を温めたり冷やしたり、潤したり乾かしたりする性質があると考えます。外気が乾燥している秋に「体を乾かす性質を持つ食材」を食べてしまうと、体の中の水分が一気に蒸発し、砂漠にヒーターを置くような状態になってしまうのです。
漢方では、このような状態に対し、体に潤いを与えて肺を保護するアプローチ(滋陰潤肺:じいんじゅんぱいなどの考え方)を用いて、乾燥から身を守るための健やかな体の土台づくりを内側からサポートしていきます。
【薬剤師 椙田の視点】秋に気をつけたいNG食材と、潤いを補う白い食材
薬剤師の椙田です。
秋の潤いを守るためには、「何を食べるか」と同じくらい「何を食べないか」が重要です。日常的に無意識に口にしているものが、不調を引き起こしているかもしれません。
【NG】体を内側から乾かす食べ物
秋に、なるべく控えたいのが以下の食材です。
- 激辛料理(唐辛子、たっぷりのスパイスなど)漢方では「辛味(しんみ)」は発汗を促すと考えます。適度であれば巡りを助けますが、激辛カレーやキムチなどを大量に食べると、汗とともに体内の貴重な水分(陰液)が外へ逃げてしまい、肌や喉のカサつきが一気に進みます。
- 過度なアルコールとカフェインコーヒーや緑茶、お酒には強い利尿作用があります。「水分を摂っている」つもりでも、飲んだ量以上の水分が尿として排出されてしまうため、結果的に体が干からびてしまいます。
- 脂っこいもの・スナック菓子揚げ物やスナック菓子は、体の中に「過剰な熱」を生み出します。この熱が体内の水分をじわじわと蒸発させ、粘り気のある痰や、治りにくい肌荒れの原因となります。
【OK】体を内側から潤す「白い食材」
体を乾かす食材を控えた上で、秋の肺を優しく潤してくれる「白い食材」を積極的に取り入れましょう。
- おすすめの食材: 梨、レンコン、白ごま、豆腐、大根、白キクラゲ、はちみつ など。梨はそのまま食べるだけでなく、すりおろしてドレッシングにするのもおすすめです。また、レンコンや大根などの根菜類は、温かいスープやお味噌汁に入れることで、胃腸を冷やさずにたっぷりの潤いを全身に届けることができます。白ごまは、毎日のおかずにパラパラと振りかけるだけで手軽な潤い補給になります。
【比較表】秋の潤いを守る!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(体を潤し、土台を整える) | × 要注意(水分を奪い、乾燥を悪化させる) |
| 食事 | 梨、豆腐、白ごまなどの「白い食材」 (内側から肺に潤いを与え、肌や粘膜を優しく保護する) | 激辛料理や、味の濃すぎるスナック菓子 (発汗や過剰な熱で体内の水分を奪い、カサつきを加速させる) |
| 飲み物 | 常温のお水、麦茶、温かいはちみつ湯 (胃腸に負担をかけず、体にしっかりと水分を留める) | コーヒーの飲み過ぎ、寝酒(過度なアルコール) (利尿作用で体内の潤いが外へ排出され、カラカラになる) |
| 調理法 | 「煮る」「蒸す」で水分と一緒に摂る (食材の潤いを逃がさず、消化吸収しやすい状態で食べる) | 「揚げる」「焼く」中心の脂っこい食事 (体に熱がこもり、内部から水分を蒸発させてしまう) |
秋の食事と潤いに関するよくある質問(FAQ)
辛いものが大好きなのですが、秋は絶対に食べてはいけませんか?
A. 絶対にNGというわけではありませんが、頻度と量に注意が必要です。
たまに楽しむ程度であれば問題ありませんが、毎日激辛料理を食べ続けると、確実に体の潤いは奪われます。辛いものを食べる日は、デザートに梨を食べたり、豆腐や白ごまを使ったマイルドな副菜を合わせたりして、食卓全体の「潤いバランス」を意識してみてください。
水をたくさん飲めば、乾燥は防げますか?
A. 水だけでは潤いを「保持」できません。食材の力が必要です。
水を飲むことは大切ですが、胃腸が弱っていると、飲んだ水がそのまま尿として出てしまうだけで、細胞や粘膜まで届きません。漢方でいう「陰液(潤い)」は、ただの水ではなく、栄養を含んだゼリーのようなものです。レンコンや白キクラゲなどの食材から、しっかりと「保持できる潤い」を摂ることが重要です。
ボディクリームを塗っても肌がカサカサします。
A. 体の内側の「水分」と「血」が不足しているサインです。
外側からの保湿は蒸発を防ぐ「フタ」の役割を果たしますが、そもそも内側に蓄える水分(陰液)や栄養(血)がなければ、潤いようがありません。まずはNG食材を控え、白い食材と漢方のアプローチで、自らの力で潤いを生み出せる土台を整えていくことが大切です。
まとめ:体を乾かすNG食材を控え、内側から潤う健やかな秋へ
「毎日保湿しているのに、肌も喉も乾燥して辛い…」
その長引く乾燥トラブルは、無意識のうちに食べている「激辛料理」や「カフェインの摂りすぎ」が、自ら体の潤いを奪っているサインかもしれません。
まずは体を乾かすNG食材を控え、白い食材で優しく潤いを補うという日々の養生からスタートし、漢方の視点を取り入れて内側からバランスを整えることで、秋の空気に負けない健やかな体の土台を作ることができます。
「色々気をつけても乾燥肌が治まらない」「毎年秋になると空咳や便秘に悩まされる」という方は、ぜひ太陽堂までお気軽にご相談ください。お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない養生法をご提案いたします。
関連ページ
太陽堂では、肌や呼吸器のトラブルだけでなく、心と体の様々なお悩みに対する漢方サポートを行っております。気になる症状がございましたら、以下のページもぜひご覧ください。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。














