
なぜ「耳管開放症には水が良い」と言われるのか?(西洋医学の視点)
「午前中は調子が良いのに、夕方になると耳がおかしくなる」
「疲れてくると、自分の呼吸音(スーハー)が耳の中で鳴り響く」
ネットで耳管開放症の対策を検索すると、必ずと言っていいほど「こまめな水分補給」が推奨されています。これには、西洋医学的な体のメカニズムが関係しています。
耳と鼻をつなぐ「耳管」の周りには、脂肪組織や血流がクッションのように存在し、通常は耳管をピタリと閉じています。しかし、過度なダイエット、疲労、ストレス、そして「脱水」によって体内の水分量が減ると、このクッションがしぼんでしまい、耳管に隙間ができて開きっぱなしになってしまうのです。
そのため、「減った水分を補って組織をふっくらさせるために、水を飲みましょう」と指導されることが多いのです。
【要注意】胃腸が弱っている方の「ガブ飲み」は危険信号
頭痛や肩こりなどでロキソニンなどの鎮痛剤を頻繁に服用している方や、強いストレスで自律神経が乱れている方は、胃腸の粘膜が荒れ、消化吸収機能が落ちていることが少なくありません。
胃腸が弱っている状態のところに、冷たい水を大量に流し込むと、体はどうなってしまうのでしょうか?
【太陽堂コラム】漢方で紐解く「ガブ飲み」の落とし穴
ここで、太陽堂の薬剤師2名に、東洋医学(漢方)の視点から「間違った水分補給のリスク」について解説していただきましょう。
【薬剤師コラム①】さばききれない水は「水毒(すいどく)」になる
担当薬剤師:前原 信太郎(調剤薬局での勤務経験あり)
『耳のために1日2リットル水を飲んでいます』というご相談を受ける時がありますが、漢方では、人それぞれ胃腸で処理できる水分の限界量が違うと考えます。
胃腸が弱い方が無理に大量の水を飲むと、吸収されずに胃の中でチャポチャポと停滞し、『水毒(すいどく)』という悪い水に変わってしまいます。
この水毒が体を冷やし、めまいやむくみ、さらなる自律神経の乱れを引き起こす原因になってしまうのです。
【薬剤師コラム②】胃腸が冷えると「エネルギー」が落ちてしまう
担当薬剤師:石川 満理奈(調剤薬局での勤務経験あり)
漢方では、胃腸(脾)は体を支えるエネルギー『気』を作る重要な製造工場です。
冷たい水のガブ飲みでこの工場が冷えてしまうと、エネルギーの生産がストップしてしまいます。
その結果、耳管周りの筋肉や組織を正しい位置に保つためのエネルギーが下へ落ちてしまい(中気下陥)、かえって耳管が開きやすい、たるんだ状態を作ってしまうという悪循環に陥るのです。
耳を潤すつもりが、実は体を疲れさせているケースが非常に多いんですよ。
漢方流「正しい水分補給」で体を芯から潤す
では、胃腸に負担をかけずに、耳管周りの組織までしっかりと「潤い」を届けるにはどうすればよいのでしょうか。以下の表で、NGな習慣とOKな習慣を比較してみましょう。
【比較表】あなたの水分補給はどっち?
| チェック項目 | NGな水分補給(胃腸を冷やす) | 漢方流・OKな水分補給(体を潤す) |
| 温度 | 冷蔵庫で冷やした水、氷入りの飲み物 | 白湯、常温の水、温かいお茶(ほうじ茶など) |
| 飲み方 | コップ1杯を一気に「ガブ飲み」する | 「ひと口ずつ」ゆっくりと口の中で転がすように飲む |
| タイミング | 喉がカラカラに渇いてから大量に飲む | 喉が渇く前に「こまめに」少しずつ補給する |
| 飲み物の種類 | 冷たいスポーツドリンク、カフェインの多いコーヒー | 胃腸に優しいノンカフェインのお茶、温かいスープ |
★ワンポイントアドバイス
ただの「水」では胃腸が受け付けないという方は、夕食に温かいお味噌汁やスープを取り入れたり、お米から水分を摂る(よく噛んで食べる)ことも、漢方においては立派な「潤いを補う」アプローチになります。
よくある質問(FAQ)
「1日1.5〜2リットル飲むべき」と聞きましたが、守らなくて良いのですか?
万人に共通する「正解の量」はありません。
汗をかきやすい体質の方と、冷え性で胃腸が弱い方では、必要な水分量は異なります。
尿の色が極端に濃くないか、トイレの回数が少なすぎないかを目安にしつつ、「お腹がタプタプしない、胃が重くならない量」をこまめに摂ることが大切です。
コーヒーや紅茶でも水分補給になりますか?
コーヒーや緑茶などカフェインを多く含む飲み物は、利尿作用によってかえって体内の水分を外へ逃がしてしまいます(脱水に繋がりやすい)。
水分補給を目的とする場合は、白湯や麦茶、ほうじ茶などを選ぶのがおすすめです。
漢方で耳管開放症はどれくらいで良くなりますか?
漢方は「今日飲んで明日治る」という対症療法ではなく、胃腸の働きを立て直し、エネルギー(気)や潤い(血・水)を全身に巡らせることで「症状の出にくい体質」を作っていくアプローチです。
そのため、数ヶ月単位でじっくりと体を整えていく必要がありますが、多くの方が「気がついたら耳の違和感が減っていた」という変化を実感されています。
まとめ:情報を鵜呑みにせず、自分の「胃腸」と相談を
「耳管開放症だからとりあえず水を飲もう」という画一的なアプローチは、時に体を冷やし、エネルギー不足を加速させてしまう落とし穴になります。
大切なのは、無理にガブ飲みすることではなく、「温かいものを、ひと口ずつ、こまめに」摂り、エネルギーの源である胃腸を労わることです。
「水分補給を意識しているのに耳の詰まりや響きが改善しない」
「胃腸が弱くて、どうやって体をケアすればいいか分からない」
とお悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ新宿の漢方薬局「太陽堂」にご相談ください。
私たちが、あなたの体質(胃腸の強さ、水分の巡り具合など)をしっかりと見極め、過不足のない最適な漢方ケアをご提案いたします。
【ご相談をご希望の方へ】
太陽堂での耳管開放症に対する具体的な体質改善アプローチや、これまでの改善事例については、こちらの【耳管開放症の漢方根本改善ページ】をぜひご参照ください。店舗へのご来店が難しい方向けに、全国対応のオンライン相談も承っております。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈

得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。















