
「梅雨に入ってから、なんだか胃が重くて食欲がわかない」
「冷たいものを食べていないのに、すぐにお腹を下してしまう(軟便になる)」
6月〜7月のジメジメした時期に、このようなお腹の不調を感じていませんか?
実はこれ、食べ過ぎや単なる疲れではなく、空気中の「高い湿度」が胃腸の働きを低下させているサインかもしれません。
今回は、梅雨特有の「胃腸バテ」が起こるメカニズムと、市販の整腸剤との上手な付き合い方、そして体の中から湿気を追い出す漢方の養生法を薬剤師が解説します。
【薬剤師 椙田の視点】梅雨の胃腸不良と、整腸剤・漢方の使い分け
こんにちは、薬剤師の椙田です。
梅雨の時期に「お腹がゆるい」「胃がもたれる」と、薬局でビオフェルミンなどの整腸剤や総合胃腸薬、あるいは下痢止めをお求めになる方が急増します。
西洋医学の視点:一時的な症状緩和と整腸剤
西洋医学のお薬は、今起きている辛い症状を抑えるのに優れています。
例えば、胃もたれには消化酵素を補う胃薬、腸内環境の乱れには乳酸菌などを補う整腸剤が有効です。ただし、これらは「なぜ今の時期だけお腹の調子が悪くなるのか」という根本的な原因(気候による影響)を直接解決するものではありません。
「薬を飲んでいる時はいいけれど、やめるとまた胃が重くなる…」という方は、気候へのアプローチが必要です。
漢方の視点:胃腸は「湿気」が大の苦手!
漢方では、胃腸(脾:ひ)は「乾燥を好み、湿気を嫌う」臓器だと考えられています。
胃腸は例えるなら「体の乾燥機」です。食べ物を消化してエネルギーに変える働きをしていますが、梅雨の高い湿度が体内に侵入する(これを湿邪:しつじゃと呼びます)と、乾燥機が水浸しになってショートしてしまいます。
その結果、消化不良を起こして胃がもたれたり、処理しきれなかった水分が腸に流れ込んで「軟便・下痢」を引き起こしたりするのです。
漢方では、単に胃酸を抑えたり下痢を止めるのではなく、六君子湯(りっくんしとう)や胃苓湯(いれいとう)などを用いて、「胃腸を温め、体に溜まった余分な湿気を乾かす(排出する)」という根本的なケアを行います。
【薬剤師 前原の視点】胃腸の「水はけ」を良くする食事ケア
代表薬剤師の前原です。
梅雨の胃腸バテを防ぐには、外からの湿気を防ぐだけでなく、食事によって「体の中に水を溜め込まない」ことが何より大切です。
「冷たい・甘い・脂っこい」は湿邪の引き金
ジメジメして暑いと、つい冷たいビールやアイスコーヒー、そうめんなどを選びがちです。しかし、「冷たいもの」「甘いもの」「脂っこいもの(生クリームや揚げ物)」は、胃腸の働きを鈍らせ、体の中にドロドロとした水分を溜め込む原因になります。梅雨の時期こそ、お腹の中は「温かく・サラッと」保つ必要があります。
香りで湿気を吹き飛ばす!おすすめ食材
梅雨の胃腸を助けてくれるのは、「香りが良くて、水はけを良くする食材」です。
- 紫蘇(シソ)、ミョウガ、生姜、ネギ: 香りの強い薬味は、胃腸の働きを呼び覚まし、発汗を促して余分な水分を外に出してくれます。
- カルダモンやフェンネル(スパイス): カレーなどに使われるスパイスも、胃腸を温めて湿気を飛ばす「芳香化湿(ほうこうかしつ)」の力を持っています。
- ハトムギ、とうもろこし: スープやお茶で取り入れると、利尿作用でスッキリします。
いつものお味噌汁に生姜をすりおろして入れたり、冷たい麦茶の代わりに温かいハトムギ茶を飲むなど、胃腸を「除湿」するイメージで食事を選んでみてくださいね。

【比較表】梅雨の胃腸を守る!OK・NG行動リスト
| カテゴリ | 〇 おすすめ(除湿して胃腸を動かす) | × 要注意(湿気を溜め、胃腸を止める) |
| 飲み物 | 温かいお茶、常温の水 (胃腸の温度を保ち、消化力を落とさない) | 氷入りの冷たい飲み物の一気飲み (胃腸が冷えて働きがストップし、下痢の原因に) |
| 食事 | 薬味(シソ・生姜)やスパイスを使った温かい食事 (香りで胃を刺激し、湿気を飛ばす) | アイス、生クリーム、脂っこい食事 (消化に負担がかかり、体内に「ドロドロの湿気」を生む) |
| 環境 | エアコンの「除湿(ドライ)」を活用する (室内の湿度を下げ、体からの水分の蒸発を助ける) | 湿度の高い部屋でダラダラ過ごす (汗が蒸発せず、体内に「水毒」が溜まって胃腸が重くなる) |
梅雨の胃腸バテに関するよくある質問(FAQ)
ビオフェルミンなどの市販の整腸剤と漢方薬は一緒に飲めますか?
基本的には併用可能です。
ビオフェルミンは腸内の善玉菌を補うもので、漢方薬は「胃腸の働きそのものや水分のバランス」を整えるものです。
アプローチが異なるため、一緒に飲んでいただくことでより良いサポートになるケースも多いです。飲み合わせが不安な場合は、いつでも太陽堂の薬剤師にご相談ください。
夏バテと梅雨の胃腸バテはどう違うのですか?
原因が「熱(暑さ)」か「湿気」かの違いです。
夏バテは猛暑による体力・水分の消耗が大きいですが、梅雨のバテは「体に余分な水が溜まりすぎている(水はけが悪い)」ことが主な原因です。
そのため、梅雨時期に夏のように水分をガブ飲みすると、胃腸がパンクしてさらに調子を崩してしまいます。
下痢が続く時、下痢止めですぐに止めたほうがいいですか?
状況によりますが、無理に止めない方が良い場合もあります。
漢方の視点では、梅雨時期の軟便や下痢は「体が必死に余分な水分(湿邪)を外へ出そうとしている防衛反応」とも考えます。
ウイルス性のものでなく、冷えや湿気からくるものであれば、無理に薬で止めるよりも、温かいものを飲んで胃腸を労わり、自然に回復を待つ(または漢方で水はけを整える)方が根本的な解決に繋がります。
まとめ:胃腸の「除湿」で、梅雨の重だるさを吹き飛ばそう
梅雨の時期の食欲不振や下痢は、「お腹の中に湿気が溜まっているよ!」という体からのサインです。
- 冷たい飲み物を控え、温かいものを意識する
- シソや生姜など「香りの良い薬味」を取り入れる
- エアコンの除湿機能を賢く使う
これらを意識して、胃腸を「乾燥」させてあげましょう。
「毎年、梅雨から夏にかけて胃腸の調子を崩して痩せてしまう」「市販の胃薬を手放せない」という方は、一度漢方で体質改善をしてみませんか?太陽堂では、あなたのお腹のタイプに合わせた最適なケアをご提案いたします。
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太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
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「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎


実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 石川 満理奈


得意な疾患:胃腸疾患・耳鼻咽喉疾患・不妊症・婦人科・肝臓・腎臓
開業医だった父の影響で小さい頃から医療は身近に。
薬学部を卒業後、調剤薬局に勤務。
自分自身の胃腸の不調も漢方薬により改善。
よりご来局頂いた方の体質に沿った治療の選択をできるようになりたいという思いから「漢方の道」へ。


















