
「肺MAC症と診断されたのに、『しばらく経過観察しましょう』と言われて、お薬も出ずに帰ってきた」
「菌が肺にいると分かっているのに、何もしなくて本当に大丈夫なの?」
「半年ごとの検査を、ただ待つだけの日々が不安で仕方ない」
肺MAC症(非結核性抗酸菌症)のご相談では、こうした「経過観察中だけれど、何もしないのが不安」という切実なお声がとても多く寄せられます。
今回は、「経過観察」という期間の本当の意味と、その期間を不安なまま過ごすのではなく「体を内側から整える時間」に変える漢方の考え方について、薬剤師の視点から解説いたします。
【この記事の結論:「経過観察と言われた肺MAC症の不安」に対する漢方の考え方】
- 病気の正体: 西洋医学では菌の進行速度と薬の負担のバランスから様子見と判断されますが、漢方では気道の防衛力低下(気の不足)と「肺の潤い不足(陰虚)」が根本原因と考えます。
- 漢方の解決策: 悪化をただ待つのではなく、体の抵抗力(免疫)を高めて菌が増えにくい環境を先回りして整え、「身体の予防ケア」を行います。
- 対象となる主な疾患: 肺MAC症(非結核性抗酸菌症)、気管支拡張症、間質性肺炎、慢性気管支炎
【大前提】「経過観察しましょう」の意味|見放されたのではありません
「診断されたのにお薬が出ないなんて」と、置き去りにされたような気持ちになる方は少なくありません。しかし、これには理由があります。
肺MAC症は、進行が非常にゆっくりなことも多い病気です。一方で、病院での菌を抑える治療(3剤の抗生剤等)は1年以上飲み続ける長丁場となり、副作用の負担も考慮する必要があります。だからこそ主治医の先生は、症状や画像の変化を見ながら、「今すぐ投薬を始めるべきか、様子を見るべきか」のバランスを慎重に判断しているのです。
ただ——「病院での投薬がまだ」ということと、「身体のために何もできることがない」ということは、決して同じではありません。ここからが本題です。
肺MAC症(非結核性抗酸菌症)の原因や、太陽堂の漢方サポートの全体像・症例については、こちらの総合ページで詳しくご紹介しています。
【薬剤師コラム①】「何もしないのが不安」——その感覚は、間違っていません
担当薬剤師:林
経過観察中の方のご相談で一番多いのは、症状のつらさよりも「何もしないでいることへの強い不安」です。検査のたびに「進んでいませんように」と祈るだけの日々は、本当に心細いものだと思います。
そうした方に、私たちは「早めに体を整える予防を始めましょう」とお伝えしています。菌が肺にいるのなら、菌が増えにくい体、菌に負けない防衛力を先回りして作っておく——ただ待つだけの時間を、体を内側から整える時間に変えるという考え方です。
実際、経過観察の段階からご相談に来られた方の中には、早い段階で体を整えられたことで、その後も長く落ち着いて過ごせている方が多くいらっしゃいます。
太陽堂の漢方アプローチ|「待つ時間」を「整える時間」に
基本となるのは、「菌を除去する漢方薬」と「免疫と体力を養う漢方薬」の2本柱です。菌の影響を穏やかに抑えながら、同時に菌を排除する体の力を高めていきます。
| 今の状態 | 漢方でできること |
| 症状はほとんどない | 免疫を上げる働きの漢方を土台に、菌が増えにくい環境を先回りして整えます。 |
| 咳や痰が出始めている | 菌を除去する働きの生薬を組み合わせ、症状の元にアプローチします。 |
| だるさ・微熱・食欲不振がある | 体力をつける漢方薬を加えて、消耗した身体の土台を立て直します。 |
| 血痰が出た | 血の巡りを整える漢方薬で、破れた血管や粘膜の修復を支えます。(すぐ主治医の先生へご報告を) |
病院のお薬がまだ始まっていない今の段階は、お薬同士の兼ね合いを気にせず、体の土台づくりに集中できる絶好の時期でもあります。どの組み合わせを使うかは、症状や体質に合わせてご相談のうえで組み立てます。
【薬剤師コラム②】定期検査は、必ず続けてください
担当薬剤師:椙田
ひとつだけ、とても大切なお願いがあります。漢方を始めて体調が良くなられても、病院の定期検査(レントゲン・CT・痰の検査)は必ず続けてください。
漢方は病院の検査の代わりにはなりません。むしろ、定期検査があるからこそ「影が薄くなっている」「菌が検出されなくなった」という良い変化を、数字や画像で客観的に確認できます。
数字では、白血球とCRP(炎症の数値)が「菌がいま暴れていないか」の手がかりになります。まれに、CRPが高めのまま特に説明がないこともありますが、肺の炎症がくすぶっている場合もあるので、気になる数値は遠慮なく主治医の先生に確認を。検査結果をお持ちいただければ、私たちも一緒に読み解きます。
そして、血痰が出た・痰が黄色っぽく変わってきた・微熱が続く・だるさが強くなった——そんな変化があれば、次の検査を待たずに主治医の先生へお伝えください。経過観察は「放っておくこと」ではなく、「体の変化を見守ること」。私たちも体質の側から、一緒に見守る仲間に加わります。
【改善実例】経過観察中からご相談に来られた、2つのケース
①【経過観察5年半】昭和19年生 男性|悪化してきた咳と痰が落ち着き、2年で漢方ケア卒業
5年半ほど前に肺MAC症と診断され、経過観察を続けていましたが、咳と痰が悪化してきたためご相談に来られました。お渡ししたのは、①菌を除去する漢方薬 ②免疫を上げる漢方薬 の2種類です。
- 2ヶ月後: 咳と痰が今までの半分くらいまで減少。特に気になっていた、話している時の咳が落ち着きました。
- 1年10ヶ月後: 咳の回数がさらに減り、冬の寒い時期も調子を崩さずに過ごせています。
- 2年1ヶ月後: 咳も痰もほとんど出ることなく元気に過ごせているとのことで、無事に漢方薬の服用終了となりました。
②【経過観察中に血痰】昭和33年生 女性|病院でも「影が和らいでいる」と言われ、2年で体質ケア完了
2年前に肺MAC症と診断され、定期的なレントゲンで経過観察をしていたところ、血痰が出て心配になりご相談に来られました。朝の痰の絡み・微熱・だるさがある状態です。お渡ししたのは、①免疫を上げる漢方薬 ②菌を除去する漢方薬 の2種類です。
- 1ヶ月後: 微熱やだるさが改善し、痰の絡みも良くなってきました。
- 8ヶ月後: たまに痰が出る以外の症状はなし。病院でも「影が和らいでいる」と言われたそうです。
- 2年後: 血痰も出ることなく、痰も咳もない状態が維持できているとのことで、服用終了。「今年は風邪も引いていない」と喜んでいただけました。
※効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
当薬局には、肺MAC症の改善症例が数多く蓄積されています。実際の経過や患者様のお声は、ぜひこちらを参考にされてください。
よくあるご質問(FAQ)
症状がほとんどありません。それでも相談できますか?
はい、むしろ一番良いタイミングです。
症状が軽いうちに始めるほど、体の土台づくりはスムーズに進みます。悪化してから慌てるのではなく、元気なうちに先回りして体調を整える——それが「早めの予防ケア」の意味です。診断時の検査結果をお持ちいただければ、状態に合わせてご提案します。
漢方を飲んでいれば、病院の定期検査には行かなくてもいいですか?
いいえ、定期検査は必ず続けてください。
漢方は西洋医学の検査に代わるものではありません。定期検査で状態を確認しながら進めることが大前提です。「影が薄くなっている」「菌が検出されない」といった変化も、定期検査があるからこそ確認できます。
「そろそろ3剤の治療を始めましょう」と言われたら、どうすればいいですか?
投薬を始めるかどうかは、主治医の先生とご本人がじっくり決めることです。
そのうえで、どちらを選ばれた場合でも、漢方は併用して身体の側を支えることができます。3剤のお薬の詳しい副作用や考え方については、以下の関連記事でもお話ししています。
まとめ|「待つだけの時間」を「体を整える時間」に
経過観察は、見放されたのでも、何もできることがないのでもありません。
検査を不安なまま待つだけの時間を、菌に負けない防衛力を作る時間に変えていく——それが太陽堂のご提案です。
病院での定期検査は続けながら、体の側から早めの準備を。「何もしないのが不安」というその気持ちごと、どうぞお気軽にご相談ください。
「肺に影がある」と言われたばかりの方、3剤の治療を始めるか迷っている方には、こちらの記事もどうぞ。
関連する肺のお悩みは、こちらでご紹介しています。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 林 泰太郎

実績:伝統漢方研究会 2015~2017年・2019年・2020年・2022年・2025年 学術発表
調剤薬局で3年間勤め、西洋の薬だけでは治療が難しい病気の壁に直面。
・「治療の難しい病気をなんとか治したい。」
・「ひとりでも多くの患者さんを笑顔にしたい。」
という想いから漢方の道へ。
漢方薬局で3年間修業をして、2015年 『漢方薬局 太陽堂』を立ち上げ。
開局10年を迎えた今も1ヶ月の平均来局数は900名を超え、お客様にご愛顧いただいている太陽堂の漢方薬剤師です。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















