
「昨日は右の肩が痛かったのに、今日は左の腰が痛い…」
「痛む場所が日によって、あるいは時間によってコロコロと移動する…」
「痛くてロキソニンなどの鎮痛剤を飲んでいるけれど、あまりスッキリしない…」
「病院で検査をしても『異常なし』『ストレスですね』と言われ、誰にも理解してもらえない…」
痛い場所が固定せず、全身のあちこちを移動する不思議な痛み。周囲からは「気のせいではないか」と思われがちで、一人で孤独に悩んでいる方が非常に多いお悩みです。
「私の痛みは気のせいなの?」と不安になる必要はありません。
今回は、なぜ痛む場所が移動するのかというメカニズムと、「張り詰めた神経をフワッと緩め、痛みに過敏になっている状態を穏やかに和らげる漢方のアプローチ」について詳しく解説いたします。
【西洋医学の視点】なぜ痛みが移動するの? 鎮痛剤が効きにくい理由
病院の整形外科などで処方される「ロキソニン」や「イブプロフェン」といった消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、体内で発生する「プロスタグランジン」という炎症・発痛物質をブロックすることで痛みを和らげます。打撲や捻挫、関節の腫れなど、特定の場所で「火事(炎症)」が起きている場合には非常に有効です。
しかし、痛みが日によってあちこちに移動する場合、特定の場所に炎症が起きているわけではないことがほとんどです。そのため、炎症を抑えるお薬を飲んでも「あまり変化を感じない」ということが起こります。
西洋医学の視点では、こうした移動する痛みの背景には「自律神経の乱れ」や「脳の痛覚システムの誤作動」が深く関わっていると考えられています。
長期間のストレスや疲労、睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが崩れ、脳が「痛み」を感じるセンサーが過敏になります。その結果、本来なら気にならない程度のわずかな筋肉の張りや血行不良を、脳が「強い痛み」として過大に受け取ってしまい、それが全身の様々な場所でランダムに現れるのです。
【東洋医学の視点】あちこち移動する痛みは「気(エネルギー)の滞り」のサイン
東洋医学(漢方)では、この「痛む場所が移動する現象」を、古くから非常に的確な言葉で表現してきました。それが「気滞(きたい)」です。
漢方の世界では、人間の体は「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「水(水分)」の3つがバランス良く巡ることで健康が保たれると考えます。
強いストレスやプレッシャー、我慢を重ねていると、この「気」の流れがせき止められ、体の中で渋滞を起こします(気滞)。
「気」は風のように実体がなく、体内をフワフワと移動する性質を持っています。気が滞ると、そこへ続く「血」や「水」の巡りも悪くなり、結果として「気が渋滞した場所で痛みが起こり、気が移動すると痛みも移動する」という現象が起こるのです。
【薬剤師 椙田の視点】
「気のせい」ではありません。検査に現れないだけなのです
病院で血液検査やMRIをしても「異常なし」と言われ、「精神的なもの(気のせい)ですね」と片付けられて傷ついたというご相談をよくお受けします。
どうかご自身を責めないでください。あなたの痛みは決して気のせいではありません。現在の一般的な画像検査では「自律神経の過緊張」や「気(エネルギー)の滞り」を数値化できないだけなのです。
漢方では、検査の数値ではなく、あなたが感じている「痛みが移動する」「イライラする」「天候で変わる」というリアルな声から、体質を紐解いていくことを得意としています。
太陽堂の漢方アプローチ|風船のように張り詰めた緊張をフワッと緩める
太陽堂では、移動する痛みを無理やり抑え込むのではなく、「なぜ気が滞り、神経が過敏になっているのか」を考え、心身の巡りを整えるサポートを行います。
| お悩みの原因と状態 | 漢方的な見立て | 太陽堂の漢方アプローチ(働き) |
| 痛みが移動する ストレスを感じると悪化する | 気の滞り(気滞:きたい) 我慢や緊張によって気が渋滞し、自律神経が乱れて脳が痛みに過敏になっている状態。 | 【気を巡らせ、リラックスを促す漢方】 パンパンに張り詰めた神経の糸をフワッと緩め、心身の緊張を解きほぐすことで、痛みへの過敏さを和らげます。 |
| 重だるい痛みが伴う 冷えや肩こりがひどい | 血の滞り(瘀血:おけつ) 気が滞ることで血流も悪化し、筋肉が硬直して古い血液が停滞している状態。 | 【血流を促し、筋肉をほぐす漢方】 滞った「血」をスムーズに流して末端まで温め、筋肉の過度な緊張を穏やかに和らげるサポートをします。 |
| 疲れやすくて眠れない 胃腸の調子が崩れやすい | 気血の不足(気血両虚) 長引く痛みとストレスで胃腸が弱り、体を養うためのエネルギーが不足している状態。 | 【胃腸を整え、活力を補う漢方】 消化吸収の力を助けて「気」と「血」を補い、ストレスに負けない丈夫な土台を育てます。 |
【薬剤師 前原の視点】
脳の「痛みの記憶」を穏やかにリセットしていく
あちこち移動する痛みを抱えている方は、「痛いから眠れない、眠れないから自律神経が乱れてさらに痛む」という悪循環に陥っていることが少なくありません。長期間この状態が続くと、脳が痛みを過剰に記憶してしまいます。
太陽堂の漢方相談では、まずは「少しでもリラックスして、ぐっすり眠れる時間を作ること」を大切にしています。漢方で気血の巡りが整い、心身の緊張が解けてくると、「気づいたら今日は痛みを忘れている時間があった」というような、穏やかな変化が現れやすくなります。焦らず、少しずつ体のリズムを取り戻していきましょう。
移動する痛みに関するよくあるご質問(FAQ)
病院の痛み止めや抗うつ薬(サインバルタなど)と一緒に漢方薬を飲んでも大丈夫ですか?
はい、基本的には併用可能です。
痛みが辛い時は病院のお薬で症状を和らげつつ、漢方薬で「自律神経の乱れや血流の滞りを根本から整える体質づくり」を並行して行うのは非常に理にかなったアプローチです。
お身体の状態が整えば、自然とお薬を飲む回数を減らしていくことを目指せます。お薬手帳をお持ちいただければ、担当薬剤師が飲み合わせを確認いたします。
本当に漢方薬で、あちこち痛むのが楽になるのでしょうか?
はい、こうした「検査で異常がない痛み」こそ、漢方の得意分野です。
痛みを強制的に止めるのではなく、原因となっている「気の滞り」を流すことで、体質が少しずつ整っていきます。
個人差はありますが、「痛みの強さがマイルドになってきた」「痛む場所が固定されてきた(原因が絞られてきた)」といった変化をご実感される方が多くいらっしゃいます。
気分転換に運動をした方が良いですか?
はい、無理のない範囲の運動は「気」を巡らせるためにとても有効です。
激しいスポーツではなく、ゆったりとしたウォーキングや深呼吸、ヨガなどがお勧めです。
体を動かすことで滞っていた気が流れやすくなり、ストレスの発散にも繋がります。ただし、痛みが強い日は無理をせず、ゆっくり休むことを優先してください。
まとめ:あなたの痛みは、どの疾患に近いですか? 疾患別のご案内
「昨日は肩、今日は腰…」と痛む場所が移動するのは、あなたの体が「ストレスや疲労で、心身の巡りが渋滞しているよ」と教えてくれているサインです。
痛み止めでその場をしのぐだけでなく、漢方の力でパンパンに張った神経を優しく緩め、痛みに振り回されない穏やかな日常を取り戻しましょう。
太陽堂では、痛みの出方や伴う症状に合わせて、さらに専門的なアプローチを行っております。ご自身の状態に近いと感じるページをぜひご参照ください。
関係性の深い病気;ご相談も多数いただいております。
太陽堂の特徴
”当薬局のHPをご覧いただき、ありがとうございます。
私たち太陽堂は「一人でも多くの方の笑顔を見る為に」という思いのもと開局しました。
漢方薬とお客様の出会いがお悩み、体質改善の一助になれれば幸いです。”
特徴その1.
当薬局では、お客様「ひとりひとりに合わせた漢方薬」をその場で調合いたします。
そのため初めてのご相談では、「約1時間~1時間半」ほど相談時間をいただいております。
(遠方のお客様や、お忙しいお客様へは配送の受付もしております。詳しくはお問合せください)
特徴その2.
お作りする漢方薬は、国内外から厳選した生薬の力を、余すことなくお客様に届けるため
「煎じ薬」をお勧めしております。
特徴その3.
当薬局は漢方専門の薬剤師が「得意とする専門分野」にわかれて日々研鑽しています。
お客様の健康を第一に考え、漢方の勉強会なども積極的に開催しております。
記事作成者 薬剤師 前原 信太郎

実績:伝統漢方研究会 2017年・2021年・2025年 学術発表
沖縄で開業医をしていた祖父と薬の話しをしていた事から薬剤師の道を目指すように。
調剤薬局の薬剤師として6年間勤務。
漢方の勉強をして、より患者さんの治療の選択肢の幅を広げたいという思いから「漢方の道」に。
調剤薬局も経験している為、西洋学の知識も勉強を積み今に至ります。
記事作成者 薬剤師 椙田 彩純

担当疾患;循環器、身体の痛み
臨床検査技師の両親の影響で、幼い頃から医療に関心を持つ。
大学卒業後、病院薬剤師として勤務。
対症療法が中心の現場で、繰り返す入退院や長期投薬を目の当たりにし、「もっと力になれる方法はないか」と模索する中で漢方と出会う。
現在は漢方の持つ幅広さと可能性に魅了され、一人ひとりの体質に寄り添った根本改善を追求している。















